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#生徒会
【短編小説】習作・夢の話・久保さんとマヨネーズ もりたからす
ひどい暑さのせいで、歩行者用信号機の色が一向に変わらない。辺り全てに陽炎が立ち、横断歩道の白さも歪む。この街はひっくるめて、蜃気楼かもしれない。
振り向くと、少し遅れて下校する久保さんがいた。僕は初めて、赤のままでも良いと思う。そう願うとすぐに、信号は青に変わった。渡ってしまい、先のベンチで彼女を待とう。
僕の隣には、カピバラがいた。どうやら僕の連れらしい。車線側を歩く世界最大の齧歯類は、もご
ひどい暑さのせいで、歩行者用信号機の色が一向に変わらない。辺り全てに陽炎が立ち、横断歩道の白さも歪む。この街はひっくるめて、蜃気楼かもしれない。
振り向くと、少し遅れて下校する久保さんがいた。僕は初めて、赤のままでも良いと思う。そう願うとすぐに、信号は青に変わった。渡ってしまい、先のベンチで彼女を待とう。
僕の隣には、カピバラがいた。どうやら僕の連れらしい。車線側を歩く世界最大の齧歯類は、もご