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漫画感想「うしおととら 藤田和日郎」24〜25巻


うしおととら 藤田和日郎 小学館/少年サンデーコミックス
24巻と25巻「TATARI BREAKERE」まで


第三十六章「かがりととらおつかいに」

第三十六章「かがりととらおつかいに」
休憩エピソードその2
この話大好き!
そうか空屋敷での話だったのかと思い出す。
第三十四章から少なくとも一晩はたっていると思う。「みんな休んで」という観点から数日くらい経っていてほしいところだけど、どうだろう。

とらに惚れているかがりのために、
イズナが潮と雷信に根回しして、二人で買い物へ行くように仕向けるお話。

雷信とかがりの着物姿いいですよね。好き。
みんな空屋敷ですっかりくつろげているようで非常に良い。
神野とか出てきてもいいのだけど、西の妖怪や東の他のメンバーは出番なし。

潮は「オレはあんまりよくわかんねーけどよう」と言っていたけれど、かがりがとらのことを好きだということは当時小学生だった自分にもわかった自明の理で。
何か発展するとは思っていないけれど、
「かがりがとらをお慕いする気持ち」人として応援しない訳にはいかない。
しかしそうなると「…あれ、真由子どうしよう?」という問題が立ちふさがる訳です。

どうするかというと「まあ真由子とかがりは会うこともないだろうし、セーフセーフ」とそっと蓋を閉じました。

真由子とかがりは後に出会うのだけど、あんな出会い想定していなかった。

おでかけ時はいつものホルターネックのワンピース姿のかがり
かがりは強くてかっこよくて見た目はお姉様キャラなのだけど、世間ずれしていない天然のかわいさもある。
ひたすら感じが悪かった西の鎌鼬だけど、かがりの良さは言い当てていた。
とらがツッコミを入れざるを得ないかがりのかわいさ、好き。

「長飛丸様」って出てきた鳥妖もかわいい。

一鬼がとらは「雷信たちにけっこう気イつかってた」と言っていたように、鎌鼬たちといるときのとら、キャラがぶれないまま、いつもは言わないようなこと言うよね。
「足手まといさ。わしにとっちゃ わし以外全部の妖がな…」「でもおめえはそうでもねえ。マシな方さ。」
これは惚れる。

第三十七章「TATARI BREAKERE」

第三十七章「TATARI BREAKERE」
24巻の表紙を見た時も先ず声が出た
「バ…バルちゃん!!」→え、バルちゃんってなに?→バルトアンデルス→あ、ハマー機関の話だと思い出しました。
バルちゃんが真っ先に口からでてきたことに自分で驚いた。

妖怪とか幽霊とか超能力とかの話だと、出てきてほしいよね。
それを科学的に研究している存在。
だいたい初登場時は感じが悪いというあれです。
そんなハマー機関が潮ととらを捕獲・研究しようとして麻子も巻き込まれる回。

「HEAD ANTI METAMORPHOSE MEASURE RESEARCH(対妖怪変化測定研究所)」
妖怪を科学的に分析し、効力ある兵器を開発する為にアメリカから派遣された技術協力集団。
略して「H・A・M・M・R」
通称「ハマー機関」
藤田先生の描く「まばたきしそうにない目」の科学者3人がここのメインキャラ
ヘレナ・マーコフ博士(大脳生理学、臨床心理学、精神分析学の専門家)
ニコラス・ケストラー博士(医療電子工学、特殊遺伝子解析、キルリアン振動理論の完成者)
マルコ・パブロティ博士(思想家にして心理研究科、超心理学の権威)

紫暮とお久しぶりの厚沢二尉によって「特殊災害対策室」の説明
光覇明宗と国の連絡は昔から密にあったが、妖の活動規模回数が小さいことから対応は光覇明宗だけに任されていた。
しかし近年、妖の災害が増加したことによって特殊災害対策室が設けられた。
白面との最後の戦いの情報共有がされていることが判明。
そして、厚沢からハマー機関が暴走したということが告げられる。

潮と麻子は登校時にハマー機関の襲撃を受け、潮は捕まってしまっている。
これを言うと色々な物語が成り立たなくなるのだけど、「日常パートで中学生に暴力を行使する大人」という絵面が生理的に受け付けなくなっていた。
特に後から麻子を追いかけてきた二人ね…
校門にハンバーガー食べているとらがいて割って入ってくれて本当によかった。

拘束した潮を実験室へ運びながら、アメリカが及び腰になりハマー機関が規模縮小されるにいたった経緯の説明をする三博士
当初アメリカも白面の者に目を付けていて、日本からの技術協力要請は絶好の機会だったが、初代日本支局長を皮切りに続々とハマー機関の関係者が死亡、死亡した者たちの「白い目が見える」という言葉から、本国の政治家は一連の死を白面の者のTATARIとして日本撤退を決定した。
結構なお偉いさんもお亡くなりになっていました。

「本国からの帰還命令に背いたとしてももな…科学の力でTATARIなど打ち砕いてくれる。」とのこと。
三博士ともに目的に向かって非情、そして一線も超えています。ようするに外道。

超-形態(メタモルフォーズ)のまわりに強力な磁場を発生させ、目標を行動不能にさせるキルリアン振動機
この装置で捕らえられたとらと麻子ですが、これは潮のもとまで行くためのお芝居
研究所に到着した際に雷で騒ぎをおこし、毛の一部を麻子の姿に変化させ、麻子本人と入れ替えを行った。
研究所内を潮を探して走る麻子。とらの毛を一本託されており、この毛を引っ張れば、とらが来てくれるとのこと。
これを小指に巻きつけているところが何やらかわいい。

とらが非常に頼りになって素敵。
あと潮と麻子のお互いにかばいあっているところ、思い合っているところがかわいい。

潮を探して走り回る内に、麻子はメタモルフォーズ捕獲エリアに入り込んでしまい、
そこで一見すると年下の少年バルトアンデルスと出会う。
「人間?」と思い立ち止まっていたところにバルトアンデルスから、間違って入り込んでしまった人間なら早く逃げた方がいいと話しかけられ
彼が人を襲う妖ではないことがわかり、装置から解放して行動をともにすることになる。

バルトアンデルス本人曰く、麻子の50倍は長生きしているとのこと。
あととらの毛を持っているから、見つからずにここまで来れたそうです。

そしてバルちゃんとは麻子がバルトアンデルスを呼ぶときの呼び方
バルちゃんから麻子への呼びかけは「お姉ちゃん」

外見こそ幼いものの、話しぶりや諦め漂う表情など本来の年齢を感じさせていたバルトアンデルスですが、バルちゃん呼びと上着をかけられた後の動きや表情がかわいい。

獣の槍表面から採取した白面の体組織が増殖実験の結果、暴走して襲い掛かってきた際に、麻子を庇ってしまうくらい絆されているバルちゃん。
ただその結果、体組織はバルちゃんを取り込んでますます強くなってしまった。
ケストラー博士を取り押さえつつ、潮と合流できた麻子。
潮と麻子の表情がかわいい。
そして対人間だと麻子が引き続き異様に強い。

白面体組織(以下、白面)にはキルリアン振動機が効かず、為す術のないハマー機関
白面が目前に迫り、恐怖の表情を浮かべる三博士
「オレは…おまえらなんて大っ嫌いなのによ…」と言いつつ、三博士への白面の攻撃を防ぐ潮
もう白面に殺されるヤツは見たくないの主語が「槍もオレも」なのがとても良いのです。
まばたきしないヘレナさんのお顔を背景に槍と潮、キルリアン反応10万8千とのこと。
てっきりとらと同じ数字だと思っていたら、この次の回で11万までいっていました。

危なげなく白面が浮かび上がらせる妖たちを切り落としていく潮だが、最後の一体がバルちゃんなので麻子に止められてしまう。
くわえてバルちゃん本人からも、このままではお姉ちゃんまで殺してしまうので自分を殺すよう頼まれる。
殺せなくなる流れが整いました。

一方、麻子は三博士に駆け寄り、バルちゃんを助ける方法を問うが、答えは「おそらく不可能だわ」
「しあわせ」をつくり出すのが、科学なんじゃないの!?から始まる麻子の言葉のパンチが博士たちにきいています。

ここでようやくとらの存在を思い出す麻子
なんやかんやで毛をひっぱることに成功し、とらが登場
とらのキルリアン反応は10万8千とのこと。

毒性をもったガス漏れが発生し、排気装置や隔壁、ガスマスクも使用不可な状態に陥る。
負傷者を収容してから撤退しようよする部下たちを遮り、負傷者はガスでどうせ助からないのだからと、無事な者だけで上階への避難を決定したり
避難の後に負傷者ととらごと現在の階を爆破することで解決を図ったりと非情な三博士
潮と麻子の非難が届いているのか、いないのか微妙な表情です。

とらの攻撃で失った脚を再生させる白面だが、新たに生えてきたのはもとの脚ではなく、取り込まれた超形態たちの足であった。
それを見た三博士は、この足に対してなら、この階全てのキルリアン振動機を最大出力にすれば止められると推測する。
しかし有毒ガスが間もなく充満する状況で、とどまって操作をすることできないという三博士
麻子は潮が残る以上自分だけ逃げることはできないので、自分が操作すると訴える。

ここで博士の内の一人、ヘレナがツンデレのテンプレみたいな台詞で麻子に着いてきなさいという。
三博士の関係、詳しくは分からないのですが、その他に比べれば三人の中で仲間意識がある模様
「どうして君がそんなことを」

キルリアン振動機によって一瞬動きを止めた白面からバルちゃんを分離することに成功するも
攻撃を背中に受けたヘレナは自らが助からないことを悟り、その場に一人残りデータを送り続ける。

負傷後のヘレナの一連の告白「私にも子供がいたわ」
うう、後でそんなこと言ったからって本章冒頭からの行いが消えるわけじゃないんだからな!と言いながらだーだー泣く私。

中学生だった当時、この章で自分の気持ちが中弛みしたことも正直に記しておきます。
当時もラスト付近のヘレナに泣いていたのですが、この展開は年をとってからの方がくるものがある。
当時さらっと流してしまいましたが、ハマー機関、博士2名以外にも本人の強い希望で10名日本に残った人たちがいるんですね。

潮ととら、潮と獣の槍そして潮と麻子の関係の再確認
前回、妖サイドが東西で協力体制がとれたことに続いて
光覇明宗、特殊災害対策室そしてハマー機関という人間側の主だった勢力が揃った回となります。

無事に自分の国に帰ったバルちゃん
最後の戦いのときに麻子のところに来てくれるところがいいよね。

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asuka
あらたなレーズンサンドっぽいものを探しに旅立ちます