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漫画感想「うしおととら 藤田和日郎」26巻

うしおととら 藤田和日郎 小学館/少年サンデーコミックス
26巻 (第四十二章まで)

※インスタに投稿したものに、少し加筆修正しています。


第四十一章「獣群復活」

第四十一章「獣群復活」
歴代の字伏および紅煉、黒炎登場

とらに酷似した妖「字伏(あざふせ)」たちが中国の各地で岩から姿を現し、日本に飛来する。
字伏たちは獣の槍に呼び寄せられているとのこと

自宅 芙玄院にて鏢に稽古をつけてもらう潮
獣の槍の力は凄まじいが、それに頼りきり敵に真っ向からぶつからないこと
強い力でくる攻撃は逸らせばよいことなどを教わる。

感情がダダ漏れな潮にそれを抑える戦い方を教えるため、2人は明朝「桃花源」というところへ出発する予定である。

紫暮は鏢に息子を託すと、出発の頃には戻ると告げて何処かへ出発
父子のやりとりに珍しく笑みをこぼす鏢

そんな鏢にとらは「ここにいるもう一つの理由」をそろそろ話せと促す。

その後のとらの台詞で鏢がカムイコタンの洞にて時間を逆行していたことが明かされる。
鏢が理由を語ろうとした時、三体の字伏が現れる。
とらと字伏たちが戦う中で、潮は字伏たちがとらに似ていることに気付く。

鏢は時間を逆行し、15年前に妻子を殺害した妖の正体および歴代の獣の槍の使い手の辿る道を見てきたとのこと
鏢としては、15年前の真相が何より重要だろうから、
最初にここを見てから、更に時間を遡っていったという感じになるのかな?作中だと現在と回想シーンが前後して描かれているので、どちらなのか判別はつかず。

字伏について鏢からの説明
字伏とは名前はおろか字(あざな)さえ伏せられた謎の妖という意味
潮や光覇明宗も「とら」のことを一種一体の妖だと思っているが、字伏は各々の時期に一体しかいない。
過去の字伏たちは岩と化している。

獣の槍の使い手が魂を槍に吸いつくされ獣と化すと、最終的に字伏となる
そして字伏になるとやがて石化して、白面の者との最期の戦いの日まで眠り続ける。

鏢の仇である紅煉と名乗る黒い字伏もかつては獣の槍の使い手であった
人間であったときの名前は捉影(そくえい)

1700年前の三国時代、もとは農夫だった捉影は戦に駆り出され、やがて戦場で死体から金目のものを剥ぐことを覚えた
まだ息がある兵士にとどめを刺して鎧をはぎ取ったり、
乳飲み子を抱えて命乞いする女性に対して「オレも腹は減っているが、そんなことより血が好きでよう」と刺し殺したりと、
戦乱に乗じて悪事を働いていた模様
金目当てもあるが、殺し自体が楽しいといった様子

そんな捉影もついに官吏に追われることになったが、
しかし、逃げ込んだ山中で偶然にも獣の槍を手にし、現れた妖を打ち倒した。
その時から、捉影は大金をとって妖退治を生業とするようになった。
身体に異変をきたしても金のため、妖を殺す快楽のために戦い続ける捉影

人間性は相変わらずのどん底ですが、人間よりも妖を倒すことに悦びを感じていたこの時期、周囲にとっては一番平和だったのかも

そんな捉影もやがて字伏となり石へと変じた。
捉影こと紅煉によると石になっている間も、ぼんやりとした意識があるとのこと
ちなみに人間だった頃のことは覚えていないそうです。

ある日、白面の者の化身が現れ、石となった紅煉に語りかける。
紅煉が白面と同じく、形を持った暗黒であり、獣の槍を使っていても自分を殺そうとは思わなかったこと
数多の人間、妖を殺した紅煉が、まだまだ殺したりないと思っていることを

最期の戦いで目覚める字伏たちの掃除役を引き受けてくれるなら、
もっと強い妖を殺すことができ、
そのための力も授けるという取引が持ちかけられる。

ちなみに白面曰く「私が本当にうるさいと思うのは、獣の槍だけ。」とのこと

紅煉が白面からもらった力とは、上顎から下顎までを貫く3本の霊刀
舌ごと貫いているので、なんていうか、すごくやりにくそうに感じるのだが、紅煉本人は中々気に入っている様子

鏢の妻子が殺害された15年前のシーン
白黒だから血まみれ表現は黒ベタだし、紅煉も基本的に黒い姿をしているので、全体的に黒いだけなんだけど、
なんかこう…グロさがひしひしと伝わってくる。
牙の隙間から髪の毛抜き取るところ、しゅうっと抜き取られて毛先が一本一本しなる髪とそこから飛び散っている血の雫めちゃくちゃ怖かったです。
窓枠握りしめて見ている鏢さんも相まって、私も瞬きできない。

蒼月潮の基本姿勢として「誰にも死んでほしくない」というのがあり、
加勢に入れるときはどんな時でも飛び込んでいくのですが
今回は紅煉に飛びかかろうとするとらを抑えて「紅煉は…お前のもんじゃねえ…」「 鏢さんのものだ。」と止めています。
こういうところ、潮は本当にいいやつだ。
でもこの後で鏢のピンチに飛び出しそうになってしまうのも潮のかわいいところ。
その時は逆にとらに止められると、
やっぱりこのコンビはかわいい。

「鏢のやりてえようにさせんなら、見ろよ!」
とらから鏢への評価が高いとなんだかとても嬉しくなる

とらの読み通り、鏢にはまだ次の手があるのだけど
今回はここで白面の準備こと黒い字伏たちがやってきたことで、紅煉は己の分身である彼らとともに去っていく

鏢が紅煉の脇腹に突き刺した刃物(鏢)は、「人間ごときにドジを踏んだ記念に」次まで刺しておいてやる
鏢のことも次の機会まで見逃してやるとのこと

紅煉も悪意に満ちた歪んだ表情をするのだけど
鏢も紅煉と見えたときの表情がすごく歪んでいる。悦びで歪んでいる。

そして、何度見ても鏢さんのビフォアアフターが劇的すぎる。
とらがかつて獣の槍の使い手つまり人間であったことを潮が知る。
他の字伏によると、とらだけは白面の者に直接恨みがある筈とのこと。

第四十二章「三日月の夜」

第四十二章「三日月の夜」

最初で最後の鏢さんとの中休み回
最終巻まで読み終わっている身としては涙必至の回
初見の感想がどうだったのかすごく気になるけど、もう思い出せない。
1995年の私はこの話をどう感じたんだろう。当時はまだフラグなんて言葉を知らなかったと思うけど、フラグびんびんに立っている話です。

紅煉が去った後、字伏たちは再び石に変じてしまう
なんでそのポーズで積み重なって石になる…?
字伏たちによると白面の力の源は未知に対する恐怖とのこと

鏢の身体を心配する潮だが
鏢は体中に耐火耐雷の符および鎖帷子で攻撃をしのいでいた。
とらによると鎖かたびらの重さは潮の半分24kgとのこと
つまり潮は48kg
徳野の寿命の時もそうだったけど、とらって結構こういう数字をさっと言ってくれる。

鏢の背中の古傷を見て言葉を失う潮

鏢は潮に酒はないかと尋ねる。

怪我しているときは酒なんか飲んじゃダメなんだろと至極最もなことを言う潮に
符咒の師匠が「戦ったあとは酒で、濁った憎しみを血から追い出しちまえ」と言っていたと語る鏢

鏢に勧められてペットボトルキャップに注いでもらった日本酒を舐める潮
(ここで、「わあ、うしとらワールドにペットボトルがあるよ!!」とはしゃいでしまった。
ペットボトル飲料、自分の中でいつから登場したのかはっきり思い出せないのです。高校生の時には確実にあったけど、中学生の時はどうだっただろうか)

「おまえを桃花源に連れて行って、鍛える時間もなくなったな…」という鏢に、ちょっと不安だけど仕方ねえよと答える潮

桃花源が花が舞い時間が止まっている場所だと聞き、そんな場所で毎日スケッチしていたいと思い描く潮

少量の酒ですっかり酔っぱらってしまった潮は鏢に自信作の絵を見せた後、テーブルに突っ伏して眠ってしまう。
次にお酒を飲むときはもっと飲めるようになっとくから
次も飲もうねと寝言で告げる潮
潮のこういうところが年長者からするとすごく可愛く見えるのだと思う
(きっと凶羅だって、あと5~6回潮とエンカウントしていたら絆されたと信じています
そんなに尺取ってもらえないことは理解していますが、アニメで凶羅がカットされたという話をいまさらながら知って、悲しみより先に「なるほど確かに潮の成長に欠かせないものではなく、全編カットしてもすっきりまとまるな」と納得してしまいました
不憫な萌えキャラです)

潮の寝言に「ああ…楽しみだな…」と答えて鏢は去っていく

鏢ととらのやりとりもすごく好き
鏢の中にも復讐を終えたあとの未来がきっとあったんだろうなあ
しんみり

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asuka
あらたなレーズンサンドっぽいものを探しに旅立ちます