退職エントリとかいうもの
私はタコスに絡まれていた。
2016年7月1日、初出勤日のことである。
その日は骨董通りのタコベルのオープン日か何かで、必死で姿勢を正しながら歩く私にファンキータコスが絡んできたのだ。それだけを覚えている。
(↑実際の画像)
新卒で入社した航空会社での客室業務をやっているとき、この仕事は自分には「合わなくて」「つまらない」。偉そうに、そんな風に思いながら毎日を過ごしていたように思う。
その精神を引きずったまま、二社目の会社に転職することになる。そんなだから、初出勤日にタコスに絡まれるのだ。
ファンキータコスに絡まれたあの日から早6年、
複合機の使い方も、名刺交換の仕方も、社内テキストのお作法も、ビジネスメールの署名の設定の仕方さえ、何も分からないあの日から、いっちょ前に面接官を担当し、候補者の方へ会社の魅力を伝え、内定者をフォローし、新卒社員を採用し、研修し、仲間の業績に陰ながら一喜一憂し、何が自分にとって大切なのか、会社にとって最適解とは何なのか、考え発言できるようになっていた。
転職先の会社の事業はとても尊い。社会を本気で変革し、流れを変えようとしている。その変わった先の未来はどれだけ素晴らしいだろう。そんなことを思いながら働くことはとても幸せなことだった。
入社してから6年で、会社の人員の9割は入れ替わり、経営陣もまるっと入れ替わりを果たした。常に目まぐるしく動いていく様を管理部門の一員として近くでみることは、人事のキャリアにおいてもとても貴重な体験だった。
自分が関わった候補者の方が今度は仲間となり、社内で活躍する姿を見ることが採用担当として一番の喜びであることを知った。
その仕事の中で、いつもじゃないけど、ある時ふと、「あなたがいてくれてよかった」という言葉をもらって、心が震えた。
その瞬間の為に人事・採用担当として心を尽くそうと思えた。
そんな瞬間が、仕事をしていて感じられるなんてことを会社が教えてくれた。
揺るがない理念の下でそれに向かって全社員が走れる会社の数はきっと少ない。
大好きだけど、一緒に居たら幸せになれないよね、なんて言って別れたような、そんな気持ちで今、バスの中でなぜか号泣しながらこれを書いているのである。
好きならもっと一緒にいれば良かった、なんて、離れたから言える都合の良い言葉を頭の中で唱えては、一緒に過ごした大好きな人たちの幸せを願ってやまない。
そんな素晴らしい会社で働くことができて、本当に幸せでした。
たくさんの感謝と、愛を込めて。