消えてしまった現場 #3

小田急線に向ヶ丘遊園という駅があります。

「花と緑の」とキャッチコピーがつく植物いっぱいな遊園地でした。

その、花と緑に囲まれてでっかいステージがありました。

CO2(ぷしゅーって白い煙)とか
火薬ばーん！が衣装に飛んで燃えて(私ではないですが女子)消化器持った人がすっ飛んで来てあわやみたいな記憶とか
悪者のいちばん強いラスボス的なやつをやる事になって(実物大のわたしは身長157cmの小物です)
しこたま立ち回りあって無限ループ自主練みたいな

この遊園地には切ないほど
いっぱいの思い出があります。

そしてほとんどの記憶がバッタと戦ったという事ばかり。
来る日も来る日もバッタ。
平成生まれの赤とか紫とかのバッタ。

私は蜂だったりヒョウだったり。
今思い返してもハラハラする。

客席の真ん中にながーい階段があってそこを猛ダッシュで登場する、みたいな演出ありましたね。
あったあった。

バッタ氏と私、2匹だけ
みんなと違うとこでスタンバイして
いざ衣装着けたらスピーカーからの音がガッサガサに遮断されて

んんんん？て
ちょっと出ちゃったり。
もう戻れなかったり。

あったあった。
怖かった。
登場はみんなと一緒がいいなーって思う超ビビりでした。
(あと、よく見えてないだしね)

あまり見えてないのと
緊張してパニクって前後左右もよくわからなくなり
バッタマン見失って(戦う相手を見失うほどに緊張していた)ちょんちょん、と優しく背中叩かれた事も。
こっちにいるよって。

お正月にはヒーローが餅つき大会したり、俳優さんを招いた豪華なショーを沢山やっていましたが、向ヶ丘遊園は2002年に閉園しています。

現在は広大な土地の一部が
藤子・F・不二雄ミュージアムとして人気だそうです。
行ったことないな。

遊園の思い出のひとつに
甥っこがバァバ(私の母)と2人でショー見に来てくれて
他社ヒーロー番組のインタビュー受けて放送されるってゆう事がありました。
巨大化系のやつ。
ソフビ持たされて。
VHSで録画したのどこいったかな。

今じゃ甥っこは、アクターも経てダンサー兼YouTuberです。
立派である。

向ヶ丘遊園、すごく広々してお花沢山あってほのぼのしていい遊園地でした。

それとうちの事務所から
小田急線にもうひとつ、沢山通った素敵な遊園地がありました。

またいつかその遊園地の事は書きたいと思います。

客席からの登場や通路でのアクションシーン。
コロナ禍の今、演出から消えているそうです。
なんとも淋しい距離感。

続く