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短期滞在の日本で

10月の上旬、唐突に日本へ一時帰国をしてきた。

日本へ行く理由は、日本食恋しいとか、友達に会いたいとかいくつかあるのだけれど、今回はやっておかなければいけないことが1つあった。
今年初めに日本のS銀行のオンラインバンキング手続きの途中でミスってしまいブロックされてしまったのだが、窓口でないと解除できないという。
何度も手紙を送ってみたけれど、窓口じゃないとできませんの一点張り。
なので、折を見て帰国して手続きをしようと考えていた。

子供が小さい頃は、両親に孫の顔を見せるため
毎年夏休みに里帰りをしていたけれども
今年は子供が成人したうえ、夏に渡米して大学へ入学したので
里帰りするタイミングを見失っていた。

そんなこんなでぐずぐずしている間に夏が過ぎ、
すっかり日本行きの事を忘れたまま気づけば9月も下旬を過ぎようという頃
「そろそろ親に顔見せた方が良いよ」と夫に帰国を促された。
じゃあ飛行機のチケット抑えてくれる?とお願いしたところ、行くならさっさと行けと言わんばかりに3日後に出発のチケットを購入していたのだ。
そんなわけで、自分でもびっくりするほど唐突な帰国となってしまった。

日本での滞在先となる実家に連絡をして、明々後日帰りますと伝えたところ
「私が入院すること知って帰ってくるの?」と母が言う。

いやまて、知らん。入院?聞いてない。
「知らなかったけど、たまたまタイミングが合っちゃったね。では留守中お邪魔します。」と言って電話を切り
実家の近くに住む兄に確認したところ、入院と言ってもそんなに大げさなことではなく、カテーテル治療の検査入院で2泊3日で帰ってくると聞いてひとまず安心はしていた。

今回は10日間だけの短期滞在なので、小さなゴロゴロ一つで日本へ行った。
羽田からは1時間もかからないで実家に着く。
父はいつもと変わらない感じで出迎えてくれた。
私が実家に着いた翌日に母が退院する予定だったので、父と2人で迎えに行く手はずをとっていた。

翌朝、そろそろ家を出ようとした時に父が倒れた。
え、そんなことある?母の迎えはどうしようか。一人では対処しきれない。
慌てて救急車を呼び、義姉に連絡を取る。
救急隊員に母の退院と重なってしまった事情を説明し、
付き添いなしで父を搬送してもらおうとしていたら
義姉が仕事の打ち合わせをキャンセルして駆けつけ、
父の救急車に乗り込んでくれた。
私は救急車から降りて母の病院へ向かった。

母を病院から連れ帰り、手早く昼を食べてから義姉と交代しに父が搬送された病院へ向かった。
どちらかと言うと父の方が重症でしばらく入院になりますとのことだった。

全ての手続きを終え夕方に帰宅したのだけれど、1日の出来事を振り返って
飛行機のチケットをこの日にした夫に何か予知的な物でも感じたのだろうかと思いを馳せる。

翌日から退院した母と二人で過ごして気がつくが、とにかく食が細い。
食べたくない、食べる気がしない、と言ってとにかく食べない。
もともと小さい人だったけど、ますます小さくなっている。

これじゃ体がもたないな。。。
栄養補助的な物を何か摂らせないと、ますます弱まってしまう。
固形物も飲み込むのが大変だというし。
いろいろ検索してわかったけど、母の状態は高齢者あるあるのようだ。
さらに検索を続けて、ちょっと良さそうな栄養補助食品を見つけた。

明治メイバランス

高齢者向けの栄養補助に向いてるっぽいので早速お試しで取り寄せてみた。
母はこういうの飲むかなぁと一抹の不安はありつつ
翌日に届いたメイバランスを見せると

「これ飲めば栄養とれるの?」

とかなり興味を抱いていた。

もちろん栄養はご飯でとるのが一番だけど、量食べられないなら
こういうので補わないといけないと思うよ。
と説明し、とりあえず試してみたら?というと
割と素直に飲んでくれた。

「うん、美味しい。」

あら、良かった。気に入ってくれたみたい。
一緒に住んでいるわけじゃないからね、気が付いた時くらいこういうのをやってあげないとなぁ。
お試しが気に入ったようなので、数量が多いのを定期購入することにした。

数日は、特に大きな問題もなく過ぎ
私も少しは自分の時間が取れるかなと、予定を入れようとした矢先
母がまたもや体調を崩してまた病院へ。
前回とは違う個所のため、かかる科が違うので受け入れてもらえるか承諾をもらったのちタクシーで連れ立つ。

採血したりCTとったりした後、後日内視鏡検査をするけど、今日はいったん帰っても問題ないとのことだったので
検査が終わるのをただただ待つという、私にとってはなんとも退屈な1日を病院で過ごして、また母を連れ家へ戻る。

一度倒れているので、病気に敏感になっている母の不安そうな様子を見ると
高齢になるとこういう恐怖と戦うことになるんだな。。。自分も今のうちに生活を見直しておいた方がよさそうだぞと少し気持ちが引き締まる。

これ以上何も起きないでくれ~と祈りながら毎日を過ごすのって
思ったよりしんどくて
なんと私、眉毛が禿げました。多分ストレス。笑

母の体調がよさそうな時を見計らって、ようやくS銀行へ手続きに。
ブロックを解除してもらったのち、言われるがままにオ〇ーブとかいうのに変更しようとして判明する。

-あれ、私のスマホ海外の番号だから登録できないんですかね?
受付の人「あぁ~そうですねぇ」
-他行はトークンとかあるので海外でもオンラインバンキングができるんですけど…
受付の人「(ピキッ)他行とうちは違いますから。うちは独自のものでやってますので。(怒)」
-(こわっ)じゃあいいですぅ~

行員さんの高すぎるプライドにビビらされながら
そそくさと退散してきましたよ。
このご時世に日本のスマホ持ってないとオンラインバンキング出来ないってどういうこっちゃ。
私みたいな生活の人間にはネット銀行の方が便利だなぁと商店街を歩きながら思いましたね。

その後、父の経過が思ったよりも良くて私の帰国前日に無事退院してきたし、母も現状維持。
無事に機上の人となってドイツへ戻ってきました。

てんやわんやで過ごした10日間、
てんやわんや過ぎて時差ボケする間もなかったけど
家へ戻って安心したのか、時差ボケなのか、頭がぼーっとしております。
今日も仕事前に緑茶を一服。



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