銀河鉄道に乗車【サンライズ出雲】
現在、日本で定期運行されている唯一の寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」。この列車に乗車すると寝台のベッドに寝ころびながら星や星座を見ることができます。これこそまさに「銀河鉄道」。夜汽車に揺られて流れ行く景色の中にひっそりと輝く星を仰ぎ見るのは至福の時間です。
「銀河鉄道」といえば先にご紹介した「銀河鉄道の夜」や「銀河鉄道999」などがあります。これらは空想の世界で現実には存在しませんが、この寝台特急サンライズは実際に乗車することができます。乗車してベッドに横たわりながら星や星座を見ていると、「銀河鉄道の夜」のジョバンニや「銀河鉄道999」の鉄郎とメーテルはこんな風に宇宙を見ながら旅していたのかな、などと考えて想像力が膨らみます。
サンライズ出雲・瀬戸は東京~岡山間は連結して走り、岡山で切り離され「サンライズ出雲」は出雲市へ、「サンライズ瀬戸」は高松へ運行されます。その中でも特におすすめなのが出雲市駅を出発して東京へ向かう上りの「サンライズ出雲」。出雲市を18:53に出発して米子を経由した後、伯備線に乗り中国山地を駆け抜けて岡山に22:30に至ります。その後「サンライズ瀬戸」と連結して山陽線、東海道線を通り東京に翌7:08に到着します。
この伯備線の区間が山深く人も少ないので暗い世界が続き星を見るには最高の環境。3月末に乗車したときにはオリオン座が奇麗に見えました。山間(やまあい)の路線なので右に左にカーブしながら列車は進みます。これに伴ってオリオン座は右へ行ったり左へ行ったり。追い抜かしたり抜かされたり。まるで星座と追いかけっこをしているみたいでした。こんな素敵な経験はここでしかできないだろうなと思いながら短い時間を満喫しました。
かつては何十本も定期運転を行っていた夜行列車も現在は「サンライズ出雲・瀬戸」のみとなってしまいました。今や国内唯一の寝台特急ですがこの運行自体も車両の老朽化に伴って存続の危機に立たされています。最近話題にのぼるプレミアムクラスの寝台列車「ななつ星」「四季島」などもありますが、これらは料金がかなり高額でしかも不定期で運行されているのでなかなか乗車する機会には恵まれません。これらの状況を考えると現在毎日運行されている「サンライズ出雲・瀬戸」は貴重な列車といえます。
チケットに関しては東京発のものは入手が困難な状況です。今回ご紹介している出雲市発のチケットは比較的空いているので取りやすいものとなります。座席はシングルデラックス(A寝台1人用個室)もしくはシングル(B寝台1人用個室)の2階席がおすすめ。料金はそれぞれ29,490円と23,210円。この価格は高額と感じることがあるかもしれませんが、先にご紹介した「ななつ星」「四季島」などに比べると1/10以下の料金で乗車できます。しかも毎日運行しているのでリーズナブルで利用しやすい列車となります。
今回ご紹介した「サンライズ出雲」。いつまで運行が続く分からない中でリアルな「銀河鉄道の旅」に出かけでは如何でしょうか。もしJRからサンライズの廃止が発表された場合、その後は毎日がプラチナチケットとなり入手は困難になってしまいます。今だけの楽しみを求めて私も再度出雲駅発の「サンライズ出雲」に乗車の機会を狙っています。
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