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とりあえずのLaTeX

なんかTwitterとか後輩の話聞いてたりすると、意外とLaTeXを使ってみたいと思う学生は多い気がします。がしかし、多いと思うだけで実際にいじることはないという……悲しい。

ということでとりあえず簡単になんとなくLaTeXをいじってみたい学生向けにこんな記事を書いてみました。

LaTeXについてはほかにもいい記事がいっぱいあるので参考の1つということで。


1.LaTeXを導入する


  1. デバイスにアプリケーションをインストールする

  2. クラウドやブラウザ上で使う

LaTeXはWebからインストールしたり、本に付属しているCD-ROMからインストールする方法があったりします。個人的にはCDで落とすのが間違いなくて好きです((過去にネットから落としたらコンパイルがうまくいかなかった経験や、一回消してから再インストールしたらうまく動いたという友人の経験談からついついCDを使いがちになってしまいました。))

インストールにはそこそこ時間がかかるので、もっと手軽に使いたい方はOverleafやCloudLaTeXがおすすめです。
これはデバイスにLaTeXをインストールのではなくて、クラウド上でいじるものだと思ってくれればよいです。つまりメールアドレスとかその辺を登録するだけですぐ使えるから楽ちんという話です。

私は以下の本に付属しているDVD-ROMからインストールしました。
LaTeXの内容を幅広く扱っていておすすめです。


2.とりあえずこれだけは書けばヨシ

導入出来たらいよいよ書き始めましょう。

LaTeXの面倒なポイントはコマンドなるものを打ち込んだりする必要があることや、そのコマンドなりなんなりがうまくいってないとエラーが出てしまうというところでしょうか。
ワードみたいに書いてすぐ保存!みたいなことがしにくいという感じです。
まぁコマンドについては慣れれば簡単です。

とりあえず以下の文を書いておけば良いでしょう。
Windowsを使っていると、バックスラッシュ「\」を打つと「¥」が出てきちゃいますが、そのままで問題ないので焦らなくて大丈夫です。僕は焦りましたけど。

\documentclass{jsarticle}
\begin{document}
本文
本文
\end{document}

「本文」と書いている部分に本文を書きこみましょう。

最初の\documentclass{jsarticle}というのは、とりあえず書式の指定だと思っていいです。中括弧の中をjsbookとすると書籍のような感じに、beamerとするとスライド形式で書けます。ここでは深く立ち入らないことにします。

3.とりあえずコンパイルしてみる

色々書いたらコンパイルしてみましょう。
たいていはこれを実行することで保存とpdf出力ができるはずです。
コンパイルの方法はLaTeXの環境によって異なると思います。TeXWorksを使っているなら左上の緑ボタンをおすか、[control + t] のショートカットでコンパイルできます。

最初にコンパイルする場合は先に名前を付けてファイルを保存的な何かが促されます。それをやってからコンパイルが始まります。うまくいくとpdfが生成されます。

4.とりあえず数式を使う

LaTeXのつよみは数式をきれいに出してくれるというものなので、次に数式を打ち込んでみましょう。

銀河は閉じた系で、一定質量$M_0$を持つとする。このうちガス質量と恒星質量をそれぞれ$M_g, M_*$とすると
\begin{equation}
M_g+M_*=M_0
\end{equation}
がなりたつ。

$$
M_g+M_*=M_0
$$

いくつか解説します。

1.文中に数式を表示させる場合は$$で囲ってあげること。
2.独立した数式を出したい場合は\begin{equation}, \end{equation}で囲ってあげること。

数式を記述する上での基本ルールは上の2つです。
とりあえずこれを守っておけばおおよそ数式は書けます。

もうちょい本格的な数式を打ち込む

とりあえずということで

align環境で数式を並べる

数式を並べてみましょう

\begin{align}
(a+b)^2 &= (a+b)(a+b) \\
&=a^2+2ab+b^2
\end{align}

$$
(a+b)^2=(a+b)(a+b)\\
                          =a^2+2ab+b^2
$$

このように数式を並べて表示するためには
\begin{align} \end{align}を使います。このように\begin{} \end{}の{}に入るものを環境と言ったりします。とりあえずはこの言葉を覚えておきましょう。
多くのサイトや文献で使われる言葉なのでこれを知っていると話についていきやすくなります。

さて、align環境のポイントですが、

・揃えたい部分に & をつけること
・改行のタイミングで行末に \\ をつけること
・最終行には \\ は必要ない

の3つです。

分数や積分を表示させる

分数や積分についても説明しましょう。

\begin{align}
\int\frac{1}{\sqrt{1+x^2}}dx = \log\left|x+\sqrt{1+x^2}\right|+C
\end{align}

$$
\int\frac{1}{\sqrt{1+x^2}}dx = \log\left|x+\sqrt{1+x^2}\right|+C
$$

1つ1つ解説します。

\begin{align} \end{align}
さてこれは先ほど紹介したalign環境ですが、今回のように数式を1行で書く場合でも使うことが出来ます。equation よりも打ち込みが楽なのでおすすめです。

\int
このコマンドは積分記号を表示するのに用います。
今回は不定積分としましたが、もし積分区間を設けたい場合は

\int_{t_1}^{t_2} tdt

$$
\int_{t_1}^{t_2} t dt
$$

のようにするとうまく表記することが出来ます。

\frac{分子}{分母}
分数の表記には\fracを用います。
分子と分母はそれぞれ中括弧{}でくくります。
上記の例文のように根号などを用いた分数を打ち込むときは、中括弧の対応に注意しましょう。

\frac{a}{b}

$$
\frac{a}{b}
$$

\sqrt{}
根号は\sqrt{}を使って表記します。
ルートの中身に相当する部分を中括弧{}で囲ってあげればOKです。

\sqrt{1+\sqrt{\frac{1}{x}}}

$$
\sqrt{1+\sqrt{\frac{1}{x}}}
$$

べきや添え字
べきの表記と、上付き添え字の表記には^を使い、下付き添え字の表記には_を使います。つまり

R^i_{k^l_{mn}}

$$
R^i_{k^l_{mn}}
$$

のように、添え字の添え字を表記することも可能です。
このとき注意したいのが、中括弧{}の有無です。

例の上付き添え字のように、つけたい添え字が1つのときは中括弧はつけなくても大丈夫です。しかし今回の下付き添え字のように、文字が複数になる場合は必ず中括弧{}でくくってあげましょう。

\log \sin \cos \exp \pi

対数、三角関数、exponential などもコマンドできれいに出力させることが出来ます。通常、数式モードでは文字はイタリック体で出力されるので、対数や三角関数などはちゃんとコマンドを使った方が良いでしょう。

\log{\left(-e^{i\pi}\right)}=\log{\left(-\cos{\pi}-i\sin{\pi}\right)}

$$
\log{\left(-e^{i\pi}\right)}=\log{\left(-\cos{\pi}-i\sin{\pi}\right)}
$$

\left{ \right}

この\left \right は、例のように絶対値を表記したい時や、分数を()で囲みたい時などに非常に役に立ちます。
これをするとしないとでは

(\sqrt{\frac{1-x}{1+x}})=\left(\sqrt{\frac{1-x}{1+x}}\right)

$$
(\sqrt{\frac{1-x}{1+x}})=\left(\sqrt{\frac{1-x}{1+x}}\right)
$$

このくらい差がでます。
だいぶ見栄えが変わりますので、お試しあれ。

とりあえずはこんなものかな……?

とりあえずはこんなところでしょうか。
この辺ができるようになると、タイトルや章立て、画像の挿入がしたくなると思います。

今回の記事の内容を抑えられた方ならその辺のこともすぐできるようになるのではないでしょうか。

tikz を使えば描画も可能になりますし、beamerでスライドを作ることもできますが、まぁ、とりあえずはスルーしても大丈夫でしょう。。

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