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天文俳句 (21)天文俳句の本を書いてみた
天文俳句の本を書いてみる
前回のnoteでは「天文俳句の本を書いてみる」ということで、目次をお示ししました。あまりにたくさんの項目があって驚かれたかも知れない。
しかも、ずいぶん細かい項目が列挙されている。「なぜだろうか?」と疑問を持たれたのではないだろうか。
答えを言うと、実は、もう書いてしまったのだ。本のタイトルも前回のnoteに書いたが、『宇宙(そら)の風情』にした。
天文学者、句会を開く
事の発端は、5年前に遡る。天文学者の仲間内で句会を開こうということになった。参加者は30名ぐらいだ。
それはよいのだが、なんと私がその句会の世話人に指名されてしまったのだ。私は俳句の「ど素人」である。その私が世話人をするというのは変な話なのだが、成り行きなので、しょうがない。
句会の日程を決めなければならないが、それが大変だった。コロナ禍が始まってしまったからだ。句会の開催場所は東京になるだろうが、参加者は日本全国に散らばっている。その人たちが公共交通機関(飛行機や電車)を使って東京に集まる。しかも、句会は対面で行うのが普通だ。コロナ禍の状況でこんなことをしたら、罰金ものだろう。ということで、開催時期は未定(延期)ということになった。
延期したのはよいが、コロナ禍はすぐに収まりそうもない。いつまでも延期というわけにもいかないので、オンライン(zoom)でやろうということになった。結局、句会は4年前の年末にオンラインで開催した。
俳句勉強のチャンス到来
世話人としては、さっさと句会を開催して、気楽になりたいところだった。しかし、コロナ禍の影響で1年半もの期間が空いてしまったことになる。俳句の「ど素人」としては、この期間を俳句の勉強に充てるしかない。そう思って、俳句の勉強を始めた。
と言っても、友人に俳句のプロがいるわけではない。まずは、本を読むしかない。近くの書店に通い、歳時記を含めて、俳句関係の本を買い漁った(図1)。
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『宙(そら)の風情』
本を買い漁ったのはいいが、読むのは大変だ。結局、オンライン句会を終えた後も、俳句関係の本を読む日々が続いた。それで、俳句を詠むのが上達したわけではない。しかし、天文現象がどのように俳句に生かされているかを、ある程度知ることができた。その成果をまとめたものが『宙(そら)の風情』になったのだ(図2)。六つの章で構成し、約160ページにもなった。
内容の一部はnote『天文俳句』で紹介させていただいた。天文俳句の世界も結構、芳醇な世界で面白いものだ。今後も、内容の紹介を続けていくので、ご笑覧下さい。
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