海外ドラマ感想文 〜 『ザ・クラウン』
英国のエリザベス女王が亡くなって、もうすぐ1年になります。
それをきっかけに観たくなったドラマ、
『THE CROWN』
シーズン1は中古のDVD(トップ画像)を手に入れて去年観たのですが、シーズン2以降は観ることができていませんでした。
Ne◯flixを契約しないと観られないようです。
なんとか他に観る方法はないかと悪あがきしていましたが、ついに根負けしてN◯tflix様を契約いたしました。ナンカクヤシイケド質の高いものを享受するにはきちんと対価を支払わなくてはなりませんね。
さっそくシーズン2を見始めたのですが、いやほんと面白すぎます。なんだこれすげー!(語彙)。
平日は15分もドラマを観たらすぐ眠くなってしまう(よって朝ドラくらいしか観られない)私が、昨夜は2時間続けて観てしまいました。
シーズン1と2は、クレア・フォイさんが30代後半までのエリザベス女王を演じています。
キュートな王女時代から次第に貫禄と威厳を身につけていく女王の姿を体現されていて、とても素敵です。
女王の夫となるフィリップを演じているのは、マット・スミスさん。
このドラマは、フィクションの体をとりながらも実話に近いストーリー展開であるとされています。
観ていて「え、これまじ?」とか「ここまでやっていいの?」とか思ってしまうほどです。日本では考えられません。
シーズン1と2は、いわゆる「王冠をかけた恋」事件のとばっちりでエリザベスに王位継承権が回ってきてから、第二次世界大戦、スエズ戦争など、事実に即して話が進んでいきます。
それらと並行して、エリザベスとその周囲の人物との人間関係も描かれます。
妹マーガレットとの確執、政治家との駆け引き、そして夫とのすれ違い。
夫であるフィリップとは、13歳で知り合い21歳で結婚しました。
政略的な出会いでありながら恋愛結婚とも言える結ばれ方をしたふたりですが、エリザベスが女王となってからはぎくしゃくした時代もあったようです。
以前から感じていたのですが、女王の夫なのにどうしてフィリップ"殿下"なのでしょう?
王様の配偶者なら敬称は"陛下"なのでは?
あのカミラさんでさえ、チャールズ3世が即位されてからはHer Majesty(=陛下)の敬称が授けられています。
あの名作漫画に登場するマリー・アントワネットさまも「王后陛下」と呼ばれていらっしゃいました。
(女王は男性の国王よりも下位であるため配偶者は殿下となる、という説を見ましたが、真偽のほどはよくわかりません)
フィリップも結婚と同時にエディンバラ公爵を始めとする爵位を授けられましたが、それだけ。公の場で妻に並ぶことも許されず、宮殿の重鎮からは「後継ぎの父親」としての役割しか期待されず、そりゃ拗ねもします。
シーズン2で、フィリップは女王にくってかかります。
と。
エリザベスはこう返事をします。
シリアスなシーンでしたが、ある意味ふたりが心の奥にくすぶらせていたものを吐き出せた瞬間でもありました。
その後、エリザベスは夫に「王配殿下」の称号を授けます。フィリップは結婚10年目にして初めて、女王の横の玉座に座ったのでした。よかった泣。
それにしても、このドラマの制作チームの本気度はすごいです。
バッキンガム宮殿を長い期間借り上げたのでしょうか。本物の王冠もレンタルしたのでしょうか。何もかもがリアルです。
スコットランドのお城の食堂でエリザベスとフィリップが朝食をとるシーンがあるのですが、大きな窓から見える景色が見事です。
広い荒野と湖、あとは人工物は何も見えません。これはバルモラル城でロケをしたのでしょうか。エリザベス女王が深く愛したというスコットランドの風景が、そこにはありました。
さて、このドラマは今のところシーズン5まで公開されています。私の現在地はシーズン2の5話です。
あと35話。
が、がんばります。
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