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蘇る十代の頃の思い出 ~時の向こうから再び現れた彼~

皆様、このクソ暑い夏をどうお過ごしでしょうか?
私は7月の始めに手を出したテイルズオブザレイズを続けています。

なんというか、エターニアのドラマCDを期に私の中で過去の物と化していたと思っていたテイルズ熱が蘇り、ザレイズでテイルズ原初の推しと再び共に未知の異世界を冒険することになるとは思いもよりませんでした。

始めてから一ヶ月も経ってないのに、私はここまで彼を強化しやがりました。

私のテイルズ原初の推し、多感な時期にトラウマを植え付けたシンフォニアのゼロスだと思っていたんですが、それ以前の推しがいたんですね。

ただ、私はキャラを推しと認めるには自分の中で条件があるみたいで、原作をプレイした上で内面を理解しないと推し認定出来なかったんですよね。
それゆえに彼――レイスことレイシス・フォーマルハウト氏が私のテイルズ原初の推しだと自覚するまでに当時から二十年近く経ってしまいました。

今思えば、当時の私はエターニア本編を家族がプレイしていたのを脇で見ていただけにもかかわらず、姉が買ったダブったレイスのトレカを宝物のように大切に持ち、なりダン2では彼を狂ったように操作してたんですよね。

これを推しと言わずになんと言うんだ?!
私がレイスのトレカを大切に持っていた理由は今でも詳しく分かりませんが、エターニア本編や初代ファンダムを脇で見ていた中でレイスに興味を持ったなり、見た目が気に入ったなりしてたのでしょう。多分。

ちなみに件のカードは発掘の後に祭壇に祀られ、現在は母が一番くじで当てた人修羅と共に自室の魔除けとなっています。

私はGB版の初代なりダンからテイルズに触れ、オリジナルタイトルよりも先になりダン2をプレイしていた人間なんですが、あまりPSに触れられなかった当時の私にGCで出たシンフォニアがきっかけでオリジナルタイトルにも触れるようになり、明確な原作に触れた上で推しとなったキャラが生まれ、原初の推しであったはずのレイスはザレイズまで長年外部作品に出る機会がなく、彼が好きという感情は心の奥底にしまわれることになった。

その間にPSPでエターニア本編もプレイしたのですが、彼は加入期間が短い上にエターニアに関しては当時はキャラ萌えよりも世界観萌えの方が強かったのもあり、まだ推しだと認める自信はなかったんだと思います。

エターニアのドラマCDに触れるまでは、私にとってのテイルズの推しはゼロスとスパーダとチェスターの3人だと思っていました。
そして色々あったのもあり、私は次第にテイルズから離れていきました――

私の中でテイルズが過去のものとなった時期、ツイッターを色々検索していたら、レイス推しの人のアカウントを見つけ、そこで彼がテイルズオブザレイズというスマホゲーに実装されたという情報を知りました。

それでも、当時はそーなのかーで手を出そうとは思いもしませんでした。
ただ、情報を調べるうちにエターニアのドラマCDの情報を知ることになり、邪教やらレイスの試練の内容やら本編では聞かないキーワードに興味を抱き始め、気付けば密林でドラマCD全巻をポチっていたという。

当時の私は商業に悲観していたのもあり、若い頃ほど商業作品で感動することもないだろうと思っていた……が、レイスはやってくれました。

1巻の頃はなんだろう?という興味本位の気持ちだったのが、巻が進むにつれ物語にのめり込み、ゲーム本編だけでは分からなかったレイスの感情に私の心も揺さぶられ、聴き終わったらボロボロに泣いてるとかザラでした。

ゲーム本編だけなら、彼は完璧で立派な大人に見えるかもしれません。
だけど、本当は悩み苦しみもがき、感情的にもなり、道中で出会ったリッドたちに影響されて変わっていった、等身大の一人の人間でした。

ファンダムを見る限り、本来の彼は天然で茶目っ気のある優しい兄さんなのだと思っています。ドラマCDにおけるリッドに対する彼の態度もまるで兄のようであり、原作ゲームよりも両者の関係性が明確に書かれていました。

彼は本来、物事の本質や人の痛みが分かるほど感受性豊かで優しい人物であるはずなのに、権力や身分に縛られ、人斬りじみた仕事をさせられれば、そりゃ心も壊れかけますし、冬の海のような死んだ目にもなります。

個人的にレイスの心にいる晶霊はシルフだと考えています。
メルディとは全然違うように見える彼ですが、さっきも言ったように受け取る力の強さから感受性が強いように見受けられますし、ドラマCDでは感情的な面も見せ、ファンダムではコミカルな変わり者の面も見せてくれました。

一見、理性的な大人に見える彼ですが、本質は自由と感情の人なのだと。
実際、レイスはザレイズでも風属性技を多く習得しており、よくよく見ると原作の設定の時点で風と縁が深いことが見受けられます。

姓であるフォーマルハウトは4つの王家の星の中では風に対応している。
母の姓もウィンディアと風に関する言葉であり、またレイスが生まれ育った場所もバロールで風の大晶霊シルフがいる土地です。

ゲーム本編でもシルフと契約するときに仲間になるんですよね。
何気に風の大晶霊を説得出来ている事実も大きいと思います。

話を戻しますが、私はエターニアのドラマCD――特にレイスのおかげで商業作品に感動するという行為を取り戻すことが出来ました。
レイスが冷え込み停滞していた私の心に、暖かい風を送ってくれたのだと。

そして、ようやく私はレイスが好き……推しだったんだと自覚しました。
10代の頃もお祭りゲーで見せたお茶目な一面が大好きだったんだ。
技の選択肢の少なさもそれが逆にテイルズの術技が全然理解出来てなかった当時の私には触れやすかったのだと思います。

ある意味、レイスのおかげでテイルズの世界に入ったと言えるんですよね。
テイルズの楽しさを彼が本格的に教えてくれた。

そんな彼が今、ザレイズで私の操作キャラとなっていることが感慨深い。
彼は時を超えて、私をテイルズの世界に呼び戻してくれたんだと。

ドラマCDの時の向こうから来たおじさんのエピソードを思い出します。
幼少期のレイスが会った彼の正体は分かりませんが、声から察するに……。

原作では彼はリッドたちを守って亡くなってしまいました。
しかし、人の領域で生きることは叶わなくなっても、彼の魂は在り続け、そしてリッドたちやエターニアの世界を見守ってくれると信じています。

ありがとう、レイス――


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