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掘っても掘っても終わらないトンネル

掘っても掘っても終わらないトンネルを掘りつづけていた
泣いても寝転がっても、掘らなければ何も展開せず
息苦しさと暗闇から抜け出したい一心で
自暴自棄になりながらも掘り続けるしかなかった

時たま聞こえてくるラジオノイズによれば
人はたいていがトンネルの出口を見つけて幸せを得ているようで
中にはそもそも初めからトンネルの外にいた人さえいるようで
相変わらずそちら側に行けない自分を呪ったり
そういう風にできている世界を呪ったり
呪ったところでトンネルが開けることもなく
かといって崩壊してくれることもなく
終わらない暗闇を延々と同じペースで掘り続ける

こんな苦しみがあるだろうか?

そして気がつくのだ

トンネルの終わりなんてないことを
人の幸せはトンネルの中にあることを
トンネルの中で見つけることができることを
トンネルの中が全てであったことを
崩壊することのない強靭な自分であったことを
自分と違うようにみえた他人もまた私と違うトンネルに苦しんでいることを

こんな一陣の光が、存在したことを

こんな出口があるだろうか?

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