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2023年を振り返る〜上半期


なんだかんだで26歳になってしまった。高校卒業後、フラフラして2年間も社会とまともに接することもなく、21歳で大学進学をした。世間一般の皆様方が10代で経験すること、20代で理解すること、色々あると思うが、自分は人より人生を歩む進度が著しく遅いと感じている。兎にも角にも、26歳になったという事実は曲げようがない。
自身の人生における反省点としては、過去を顧みなさすぎる。人は苦境に陥った際、過去は変えられないけど、未来は変えられるとよく言ったものだ。しかし、未来が変われば、過去も肯定されるのではないのか。人生を点で見ずに線で見る。悲惨な過去だって、その事実を潜り抜けたからこそ、今があるのだ。
とはいえ、人生はトライアンドエラーの連続だ。苦い過去を振り返る習慣がない、過去から学ばない人間に光明はささない。もうそろそろわかっているだろう。26歳なのだから。26歳という、まだ未熟だけど、子供ではない。大人のような。子どものような。じゃないんだよ。20歳を過ぎたら、もう立派な成人だ。
なので人生の新たな試みとして、節目にしっかり振り返っていこうと思う。記憶に残った場所、味、コンテンツを紹介したい。その1年目だ。
今回は上半期を見ていく。

1月

中旬頃、熱海に行く用事があり、その際立ち寄ったのが、中華料理店「壹番」だ。熱海駅から徒歩15分ほど歩いた所にある、こぢんまりとした料理店。1時間前に到着し、名前を記入しなければ食事にありつけないほどの人気店だ。細川護煕元首相や、秋元康も訪れ、舌鼓を打っているという。
1番人気は、餃子。1口食べると小籠包?と疑うほど、肉汁が溢れる。聞くと焼く際に、お湯ではなくスープで焼いているそうだ。そんなスープを吸ったパリパリの皮に包まれており、まあ美味い。ビールと合わせればもう昇天だ。長時間待つ価値がある。また訪れたい。

2月

僕は冬が嫌いだ。とことん寒さに弱い。この月は仕事でミスをしまくった。納品を間違え会社の金を40万ほど飛ばしたり、納品を忘れる現場が2、3現場発生させたり。そんな仕事の低調ぶりとは裏腹に、プライベートでは念願を2つ叶えた月だった。
まず、東京ディズニーランドホテルに宿泊した。舞浜に行き、夜ランドのゲートから帰る度に、目の前に広がるランドホテルの神々しさに打ちひしがれていた。そんな念願が遂に叶ったのだ。値段は何と1泊1室6万円。とはいえ、午前6時から流れ始めるパークのBGMを目覚ましに起きられる贅沢は、こちらのホテルでしか味わえない。
ホテル宿泊者は、一般ゲストより15分早く入園できる、アーリーエントリーシステムもある。翌日ランドにインパしたが、入園直後に美女と野獣を待ち時間なしで乗り、一度ホテルに戻って朝食ビュッフェを堪能し、ホテル館内のシャーウッドガーデンテラスでのんびりするという、ブルジョワのような経験ができる。誰かの記念日にこんなコースはいかがだろうか。

佇むディズニーランドホテル

さらに沖縄にも上陸することができた。空港に降り立った途端、2月とは思えぬ空気の暖かさに感動。列島の寒さが嫌になったら、南に逃げてしまえば良いのだ。
再建中ではあったが、首里城を訪れた。テクテクと城郭の東の端側まで歩いていくと、「東のアザナ」と呼ばれている物見台があり、沖縄の市街地や海を一望できる。あいにくの曇天ではあったが、荒んだ自分の背中をそっと押してくれるような、そんな温風が吹き荒れていた。

沖縄こそ第二の故郷だと言い張る人間が多いが、なんだか少し気持ちがわかった気がした。来年以降も冬になったらキャンプを観るがてら、暖かな空気に触れるために、訪れたいと思う。

3月

この月に語るべきは、やはり日本中を席巻したWBCだろう。
自分も、3月11日のチェコ戦に招待してもらい、東京ドームで生観戦することが出来た。

選手紹介の際の大谷翔平とダルビッシュ有に向けられた歓声は一際大きかった。鳥肌が立つ程に。
また、このチェコ戦で特出すべき点は対戦相手であるチェコ代表の野球に対する熱であろう。どんな場面であろうとも相手へのリスペクトを忘れぬ姿勢、最大限とことん楽しんでやろうという想いはスタジアムに集った人間皆が受け取ったはずだ。この試合を観た人間として、いつかチェコ野球を観に行こうと決めた。
余談だが、準決勝まではリアルタイムで観ることが出来たが、決勝はゴリゴリの出社日。11時50分頃、スポナビ観戦を粛々と行っており、日本が勝ったとの表示がスマホのスクリーンに表示された。スポーツに興味などない同僚を他所に、心の中でガッツポーズをあげた。その時上司から呼び出された。上司も中継を追っていたのでは…?などと淡い考えを他所に、当たり前のように仕事の内容で叱責を食らった。なんて日だ。今後球史に残る大谷翔平とマイクトラウトが対するワンシーン観る度に、上司の顔がよぎるのだ。悔しすぎる。大谷翔平には、帽子とグローブと共に、上司の記憶も投げていただきたかった。

4月

開業したばかりのエスコンフィールド北海道を訪れた。最寄駅の北広島駅から旧国鉄千歳線の廃線路を歩くこと15分、ガラス張りの新球場が顔を出す。

兎にも角にも新しい。トイレが綺麗とかそういうことではなく、発想が新しいのだ。まずコンコースの広さに感動。従来の球場では、コンコース自体が狭い上に、各販売店に食事を求めるファンの列が重なりあい、歩くスペースが殆どないのだ。福岡paypayドームや京セラドーム大阪が良い例であろう。しかしエスコンは違う。360度周遊型のコンコースであり、階も分かれているので、混み合って動きづらいといった事が殆どなかった。試合後もイベントがあり解放されているのだから、試合終了と同時に出入り口に人がどっと押し寄せるなんて事はない。混雑を恐れて9回頭からパラパラ人が立ち始めるベルーナドームのような現象が起こる事もないのだ。混雑でストレスを感じないというのは、多くの観衆が訪れるスタジアムでは珍しい事かもしれない。
さらにグルメも豊富だ。和洋中はもちろん、ローカルフードや、新鮮な海鮮まで食べられる。快適な球場で海鮮丼を頬張りながら、松本剛のバットコントロールも、伊藤大海の追いロジンの姿も拝むことができる。そう、あれもこれも叶うのだ。球場内にはモニターも多く、購買の際にも見逃す事もないだろう。
もう毎年いきたい、何なら住みたい。併設のホテルにもいつかは泊まりたいと考えている。
エスコンフィールド北海道を総じていうのであれば何だろうか。野球が観られるイオンモールとでも表現しておこう。

4月はもう1つ紹介したい。東京ディズニーリゾートの40周年開業記念日だ。2023年4月15日で我らの東京ディズニーランドは40歳の誕生日を迎えた。
以前からいつか4月15日に行ってみたいと思っていたが、土曜日という事もあり、節目のこの日にインパする事に決めた。

この日の目玉は新しいデイパレード、「ハーモニーインカラー」だ。舞浜とは思えぬほど、比較的最近になって世に放たれたキャラクターも多く登場し、40年の華やかさを彩ってくれる。
小雨が降る中でも14:00の開始に合わせて、着々と準備が進められ、あと15分のアナウンスが園内に流れた。すると、突然小雨だった雨が豪雨に変わり、あっという間にパレードルートの道端は氾濫状態になり、パレードは中止となった。こうしてミッキーマウスの雨男伝説に新たな1ページが加わってしまったのだ。
5月に初めて観る事ができたのだが、このパレードは本来のディズニーが帰ってきたとでも言うべきか。ダンサーさんの復活と相まって、コロナで色を失ったパークが、徐々に彩られていくような感じがパレードを通して感じられた。ぜひ多くの人に見ていただきたいエンターテイメントだ。

5月

2ヶ月連続テーマパークの話題は気が引けるが、USJのニンテンドーワールドに初めて足を踏み入れた。小学校の頃友人達と集まっては、ニュースーパーマリオブラザーズとマリオカートをひたすらプレイしていたので、マリオ通としてとても楽しみにしていた。
土管を潜り抜けると眼下に広がるマリオの世界。ゲームの箱の中でしか見る事が出来なかったキャラクター、アイテムを肉眼で見る事ができ感激した。

5分のインターバルを挟みながらひたすら佇んでいた

また一家の祝い事で訪れた、赤坂にある「wakiya 一笑美茶樓(イチエミチャロウ)」も振り返りたい。中華料理界の巨匠、脇谷友詞氏が手掛けているお店だ。土曜日のお昼、ランチコースをいただいた。

9種類の前菜盛り合わせ

料理のお味に関しては言わずもがなだ。この域にくると単に美味しいではなく、食べていて楽しい。一品一品が作品のようであり芸術とも評せるかもしれない。どの料理も味がしつこくなく、飽きることなく楽しみながら完食できる。食事中、脇谷シェフも一テーブル毎に回って挨拶をして下さる。店員さんの接客も手際良く、店内は中国雑貨が至る所に置かれており、料理以外も満足できる点が多かった。

6月

幼稚園児ぶりに広島をじっくり訪れた。マツダスタジアムで西武戦が行われるという事もあり、だいぶ前から計画していた旅だった。G7サミットが行われた直後だった事もあり、市内は外国人観光客を中心も多く、とても賑わっていた。
1日目は日本三景の1つ、宮島へ。宮島口からフェリーへ乗って行くのだが、これが良い。瀬戸内海の潮風を存分に堪能しながら厳島を目指す。潮風が気持ちよく、穏やかな気分にさせてくれる。僅か10分の船旅だが、この時点でもう満足してしまった。下手な精神科にいくぐらいなら宮島フェリーに乗ることを強くお勧めする。
到着後は真っ先に厳島神社に向かう。赤々とした、海上建築の鳥居がそびえ立つ。

流石は世界文化遺産、全てが厳かで神聖な時間が流れ続けている。ご存知だとは思うが、宮島自体が信仰な島とされているため、厳島神社は神域外の海上に建築されている。海水で痛みやすいにも関わらず、約1000年近くもの間、そこに建ち続けている。当時の技術であれほど壮大な建造物を造営した平清盛と技術者達の苦労、海上建築という希少性、そして美しい景観が合わさって、威厳があり、多くの人の琴線に触れるスポットになっているのだろう。
厳島神社を後にして、アップダウンが激しい島をひたすらウロウロと。6月だったのですぐ体力を消耗してしまったのだが、面白いお店に出会う事ができた。「牡蠣祝」というカフェ。

奥に佇む塔が景観を演出する

古民家をリノベーションして営まれている店内からは、瀬戸内海と五重棟、宮島の街並みを見渡すことができる。瀬戸内レモンチーズケーキと瀬戸内レモンソーダを注文。瀬戸内の欲張りセットだ。さっぱりとして酸味があってとても美味しく、暑さを吹き飛ばしてくれた。フラッと立ち寄ったお店で絶景を見ながら、休憩することができ、これぞ旅の醍醐味だと思い耽り散らかしていた。
2日目には平和記念資料館も訪れた。平和だった日常を脅かす恐怖がいかほどだったかを、この場所は人々に問うている。戦争経験者が少なくなり、ロシアウクライナが紛争を続けているこの時代。この世に生を受けた人間なら1度は訪れておかなければいけない場所だと思う。


2023年上半期に記憶に残った場所、味、コンテンツを見ていった。下半期をあげるのは幸先が悪い事に年を跨ぐことになるかもしれない。乞うご期待。

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