僕と僕の中を垣間見る2
君はその時何を思っていたの?
僕はこの時何を思っていたんだろう。
先生が何か言っていた。もう何を言っていたか記憶にない。
そうじゃない、当時は何も聞こえていなかったんだ。
あの時はどうやって家に帰ったかも覚えていなかった。
あれ?君じゃないのかな。何だか元気だ。
嫌、やっぱり君だよね。
そう、あの出来事があってから僕の周りからの見る目が
少し変わってきたんだ。危ないやつだと思われていたんだよ。
学年があがって友達も出来て、担任の先生もとても優しい先生だった。
また暴れているの?違う、走り回ってる。構内のあちこちを
友達と走っているんだね。
中学生になった僕は学校中を走り回って遊んでいる。
中学生にもなって鬼ごっこをしているんだよ。
小学生の時の出来事なんてまるでなかったように走り回っている。
体が小さかったから機敏に動きまくっていたよ。
君は何を見ているの?
誰かをじっと見ている・・・?
それは中学2年の時だ。同じクラスになったんだ。
隣の列の一つ前の席に座っていたあの子
とてもとても大好きなあの子の近く。
本当に大好きでこの時はこれが本物の愛だ!
そう叫んでいた。
思い出したよ!なんて恥ずかしい事を思い出したんだろう。
君はどちらかというと遅刻ぎりぎりに学校に来ていた。
僕はあの子が気になり始めてからは毎日一番早くに
教室に居たんだ。まだ誰も来ていない教室に着くためだ。
一列隣なんだけど前後で少しずれている。
その席を動かしてあの子の席を少しでも近くにする為に
それを毎日やっていたんだ。
君は何をしてるの?窓越しに外を見てずっと話をしてる?
1時間も2時間も君は誰とそんなに話し込んでいるの?
忘れるはずがない。だって大好きなあの子と電話をしていたんだ。
何かきっかけを探して僕はあの子に電話をかけていたんだ。
学校の文化祭や音楽祭、時には夏休みの宿題の話まで
冬には凄く雪が降った日があって珍しく雪が積もってきて
それを理由にしてまであの子に電話をかけていたんだ。
でも僕は結局そのまま中学3年生になってしまった。
どうしたの?君はまた泣いているの?
顔はとても悲しそうで神妙な面持ちをしている。
僕はまだ学校にいる時間に先生に呼び出されて
家に帰りなさいって言われたんだ。
何事かと思った。でもすぐに理由は分かった。
先生にお父さんの様子がって
車で知り合いに送ってもらって病院にかけつけた。
そしてその日の夜中に
父親が死んだ。
君は泣いていない。全く泣いていない。
周りの人たちは皆泣いているのに
君は泣いていない。
どうして?
僕は何故一粒の涙も流さなかったんだろう・・・