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それでもマスクを作るなら がま口屋の手作りマスク考察まとめ

最近にわかに注目を浴びている、布マスク。

世の中の皆さん的には「使い捨てマスクがなければ布マスクをすればいいじゃない」的にご自身で作られたり、買ったりされていると思います。

かねてから布マスクについての必要性がわからないので、まず自分には、全く関わりのあるものではないと思っていました。が、関わらずを得ない状態になって、改めて「布マスク」について考え調べたりしたのでした。

本ブログでは何度かに分けて書いていましたが、総括的にnoteでも上げておこうかなと思って、改めて書きます。

そもそも布マスクは必要なのか?

がま口屋だというのに、このご時世で、「作れるなら作ってよ」と頼まれる羽目になりました。巷では簡単に作れるように無料型紙が乱立してたし、紙だなんだととりあえず口の前になんか障害物があればいいみたいな感じになってきていたので、「簡単に作れるでしょ」ということだったんだと思います。

しかし、私の考えは「布マスクごときで、病気は防止できないし、せいぜい自分発信の飛沫感染がちょっと和らぐ程度の「しないよりは、ちょっとマシなもの」というレベル。これは、お医者様の見解としても度々発表されていました。

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でもみんなマスクつける。時に何故か鼻を出してつけてる人もいる。その時点でつけてる意味が全くなくなるので、勿体無いからそのマスクは使わず、必要な方に回してくれと思うけど、本人は「とりあえずマスクをつけてる自分」でいたいようで、もうその行為自体が怪しい。

でも、「布雑貨」を作る方にマスク作る方は本当に多い。そもそもマスクって衛生用品なのに、素人が作って販売していいの?と思って聞いたことがあるのですが、「ん〜よくわからないけど、でも小学生の給食とかで必要だから売れてるよ」

つまり、衛生用品である意識もなければ、そういう商品を作っているという責任感もない。「とりあえず売れてる」で作る。小学校生活に必要な学校グッズを作るレベルなわけです。もうその時点で「作家としての作品作り」は感じられない。だって他の人が作ったものとの違いがもうわからない。まぜこぜにしたら全然わからない!そんなの作家を名乗って作るものか?学校のバザーででも売ってろ。と思うのです。おまけに安価なのです。そこにデザイン料とかは一切入ってないわけです。

あえてマスクを作るなら

ということで、頼まれたマスクについて色々調べた。布マスクについても。結論として、「私は布マスクは作りたくない」

特にこの時期に頼まれて作るマスクは「抗菌」を期待されている部分がある。せめて自分発信の飛沫感染を少なくしたいというイメージもある。

それはなら使い捨てマスクでいいじゃん。使い捨てマスクは持っててもいずれなくなるもの。当時は本当に手に入らなかったけどそれはそのうち解消されるから。それなら使い捨てマスクを無駄に消費しなくていいものを作ったらどう?

この流れで思いついたのがマスクカバー でした。

表布と内布の間に使い捨てマスクを入れてつけてもらえば、使い捨てマスクをすぐに捨てなくていいし、無駄に使わなくて済むし、本当にマスクが必要な人が手にできる。

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ということで、頼まれたものは、布マスクではなく、マスクカバー にしました。

これについては、たまたまなのか、ほかの作家仲間さんも今まで布マスクは作っていなかった方も似たような結論に達して作ることにされたりして、「安易に作らない」という点では近いものがあるのかなと思いました。

でも、マスクカバー を渡して「いや、使い捨てマスクがないんだけどな」という方もまだいたので、代わりになるものをと調べて、見つけたのが、とあるメーカーが自社の布マスク用に販売していた産業用防菌フィルターでした。

販売会社に問い合わせたところ、1枚だけ入れても、6日分、(本来なら30日分くらい大丈夫だけど、昨今の事情を踏まえて6日程度の取り替えを提案)使えるそうで、自分で作ったマスクの中に入れたいけど使えるか、との問いにもOKをいただきました。

この時に、不織布についてもしらべ、生地屋で販売されている不織布は、衣料用のもので、衛生用品としてのものとはまた違う事も知りました。なので上記のフィルターであれば、渡す時におまけでつけてあげれば、2枚程度でも2週間近く使えるわけですよね。

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こういうやつ。(これは立体型です、私としては立体型よりプリーツ型の方がいいんだけど、作るには一番簡単なのと需要があるのでこちらの形に落ち着いてます)

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この間から、フィルターを入れてもらうようにしてます。もちろん鼻ワイヤーもつけてます。

ということで、「がま口屋が作るマスクカバー 」ができました。マスクカバー 1つにフィルターを2枚つけてお渡ししました。

こんな急に作ることになった者が取り組んでもちょっと調べれば色々わかる。少なくとも私の周りの「マスク作って売ってる」人からは学ぶことはなくて、自分で探してきたもの。

ハンドメイド作家が作るなら

マスクを作るのはいい。でもお客さんとして買っていく人たちは、正しい情報については皆無。なんも知らん。「だったらいいじゃん」じゃなくて「正しい情報」を発信してマスクへの意識を変えてもらう手助けをする必要はあるし、きちんとしたものを作る必要もある。何も考えず、「とりあえず売れるから」と作ってる作家さん、もうそれ作家と名乗るのやめたほうがいい。

作るなら、やはりちゃんと「あなたが作ったもの」とわかる要素が入ってこそ。だって作家として活動してるんでしょう?そこらのバザーで並びそうなものを作ってどうするの?混ざってわからないような程度のものなら、作らなくてもいいもの。

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ネット上ではにわか「マスク作家」も掃いて捨てるほど出ているけども、その中には、とんでもない素材を使って作る人もいる。本来は赤ちゃんに使用するガーゼを買い占めて作る人もいるらしい。

厳しいけど、どうも手作り雑貨業界は、「プロ意識」が足りない人がまだまだ多すぎる。今回の「布マスクバブル」で、手作り雑貨業界は、注目どころか、ますます変なのが混ざってきて迷惑な状態になりそう

そういう奴らには、今頑張ってる作家たちでどんどん排除していけるくらいの強さも必要な気がする。

お前たちとは違うからって堂々と言っていいと思います。その分、ブランドとして作ってる方達は、そう言えるだけの布マスクを作っていただきたいです。

がま口屋のマスクカバー については、一旦頼まれた分は作ったんだけど、ゴムが余ったりしてるので、それがなくなるまではちょっと作って、イベントやネットショップで販売します。布の端っこだけ縫ってゴムを通しただけのものより高くなりますが、中にフィルターや、使い捨てマスクを入れて使っていただけるものです。(特別長期的に作るつもりはないので、なくなり次第終わります)


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あさっく
がま口作家です。作家同士の交流や、作家とお客さんとの交流ができる空間を作りたいと思ってます! 作品づくりややりたいことについて書きますのでサポートお願いします!