大学教員公募と大学教員に思う事⑤
今回は「公募書類はいつ出すべきか?」というテーマで書きたいと思います。
書類の書き方ではないのか?と思われるかもしれませんが、実は出す時期というのも書類の内容に大きく関わってきます。
例えば「6月1日に公募開始、8月31日締め切り」の公募があったとして、私ならいつ書類を出すのかというとおそらく8月15日頃です。
なぜなのか?
論文や科研費の書類を書くときを思い出してほしいのですが、おそらく皆さんも締め切りから逆算していつまでにこれくらい書こうと考えると思います。
そして書いていく中で実は締め切りギリギリで仕上げるということがベストではないという人もいるのではないでしょうか?
一気に書き上げた方がより良いものに仕上げることができる人、締め切りよりも少し前に書き上げた方がより良いものに仕上げることができる人、締め切りギリギリまで粘って書き上げた方がより良いものに仕上げることができる人、様々です。
実は公募書類にも同じことが言えます。
公募書類は人生をかけた重要なものになりますので、多くの人が公募締め切りギリギリまで粘りたいと考えるでしょう。
しかしそうではありません。
上記に書いたように、論文や科研費の書類と同じで実はベストな仕上がりになるタイミングがあるのです。
多くの研究者はきっと公募書類よりも、論文や科研費の書類の方が書き慣れているでしょうし、ルーティーンもほとんど決まっているでしょう。
その「良質なものを生み出すことができる、長年かけて築き上げたルーティーン」を公募書類だからと言って崩す必要はないのです。
むしろ崩さない方がいいとも言えます。
私も公募戦線で戦い始めたころは締め切りギリギリまで粘って書類を出していました。
しかし、出した後に見返すと、締め切りギリギリまで粘ったせいで考えをこねくりまわしすぎたのか、結局何を言いたいのかわからない文章に仕上がっていたりもしました。
結局、ギリギリまで粘って出すを繰り返した結果、12校連続で書類落ちを経験しました。
このままでは就職できないと考えに考え抜いた先に行きついたのが、上記の考えでした。
私の場合は論文も科研費も公募種類は何もかも、おおよそ締め切りの2週間前の段階でベストなものが出来上がります。
確かに早めに出すということはある意味で勇気がいりますし、「ほんとにだしていいのかな?」と自分の気持ちとの折り合いもつけづらいでしょう。
しかしそこは思い切ってこれまでの研究者人生で培ってきた経験を信じてみてもいいのではないかと思います。
実際、論文などと同じルーティーンを守るようになってから仕上げた書類はやはり質の高いものとなりましたし、そこから面接も呼ばれるようになりました。
大事なことは、「締め切りギリギリまで粘る」ということではなく、「公募が出てから締め切りまで間のどの段階においてベストの書類を整えることができるのか?」ということです。
決して「ギリギリまで修正したいから」とか「出して早く忘れたいからと」というあいまいな理由で判断してはいけないと思います。
*もちろん、内容的なものとは別にケアレスミスはなくすよう気をつけてください。