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むかしむかし
ときどき会社がふいにおっくうで、やすみをもらったりしていたが、あるとき、今日おやすみさせてもらったけど、明日も行きたくない。
と思い、のちのち行きたくないけど行かなきゃいけない、ああもう、いろいろ考えることがめんどう。ずっと寝ていたい。というか、布団に溶けてしまいたい。。。と思うようになった。
入社して研修期間が終わってからすぐ、終電で帰るような日々が続き、当時の通勤時間は片道1時間半。睡眠も深く取れている感じがしなくなってきて、眠れない時間が増え、夜が明ける頃、ようやくまどろむ。
慣れないことばかりで神経がすり減っていたのだろう。
ついには起き上がるまったく気力がなくなり、会社に行けなくなった。
明るいのが嫌で昼間もカーテンを閉めて、薄暗い部屋でずっと眠ったり眠れなかったり。
目が覚めると涙が出てくる。
ときどきパン屋へ行って、暗い顔して手作りのカスタードプリンを買う、くらいの外出はしていたが、基本引きこもっていた。
当時は、自分はなぜ産まれて来たのか、何のためにここにこうしているのかなど、すぐに答えが出ないようなことをやたらと考えていた。
自分のことだけに向き合うことが多くて、ある意味、考える時間があるからなのか、それが過ぎてしまうことが多くあったと思う。
3ヶ月ほどゆっくりしたうちに主治医にも復帰は少しずつでいいからまずは慣らしでねと言われ、週に3回くらい、また会社通ってみようかとなって、しばらくしたあるとき、とつぜんぱーっと目の前が明るくなったときがあった。
それは、同僚たちがわたしの話に
大爆笑!
となってくれたことがあり、つられて自分も
大笑い!
していたときだ。
笑い終わった後、明日も来れるかもしれないとなぜか思えていた。
これでいいんだ、答えがでないことがあっても、産まれてきた意味なんてわからなくても、別にいいんだとそのとき気がつけた。
一年ほど経って会社を辞め、違う道を歩き出せるほど元気になった。
バブルが弾けた影響もあって、その会社は実質的にはなくなってしまったせいか、まるで夢を見ていたのかなと思うこともあるくらいだけど、
ねむる
ごはん食べる
声出してわらう
それだけでわたしも周りのみんなもハッピーになれるんだと、単純なことに気がつけた、振り返るとたしかにあったわたしの日々。
いま味わうと青くて固くてなつかしい。
みなさまも、無理せずゆっくりで。
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