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【42話】音大卒ライバー躁鬱でライブ配信アプリ卒業のお知らせ

またひとり人気ライバーが断末魔の長文と共にライブ配信アプリを去った。

今回紹介するライバーは音大卒で歌ライバーをやっていたエルシー(仮名)さんだ。

声楽科を専攻し、在学中から歌ライバーとして頑張っていた。卒業後も職業ライバーとして事務所に所属しながら人気ライバーまで登り詰め、キャリアを積んでいたのだが、うつ病の治療に専念するためにライブ配信を卒業するとのことだ。

一般的に音楽大学と聞くと、卒業後は音楽で生計を立てていくイメージだ。だが実際には音楽で生計を立てていくことができる人はほんのわずかであると聞く。授業料の高さの割に将来性の見えないコスパの悪さが自分を含め、多くの人の偏見ではなかろうか?

しかし、この音大のイメージを覆す興味深い書籍に出会えた。

今回はそんな書籍を読んでみての感想と、エルシーさんのライブ配信について紹介したい。

「音大卒」は武器になる 大内孝夫

著者は銀行員から音大の就職課へ転職し、音大生の就職活動に尽力しており、そこで経験したことを自身の考えと合わせ非常にわかりやすく語っている。

この書籍の中で印象に残った音大生の武器とは
・学内の競争を4年間戦い続けていること
・物心ついた頃から専門分野(楽器)と昼夜向き合い続けていること
・師からの指導を素直に聞いて行動に移すメンタル

である。このような武器を持つ音大生は一般企業に就職する際にはとても有利になると言う。
ひとつずつ考えてみよう。

【戦い続ける4年間】
「音大を主席で卒業」という名誉は生涯その人の肩書きとして残る。通常の大学でも主席で卒業という肩書きは大いにその人のステータスを高める。一方で世の中のほとんどの大学生が単位を取って卒業できればいいと思っている。特に医学部、歯学部、獣医学部、薬学部、看護学部など卒業後に国家試験を控えている学生たちにすれば、主席で卒業することよりも国家試験をパスすることの方が重要なのだ。また、有名私立大学の学生たちは大学に入学した時点でステータスを獲得しており、大学内で競争する意味がほとんどない。地方のFラン大学に至っては主席で卒業する意味すらない。

 音大では各地から神童と呼ばれる強者が集まってきており、その中でトップであれば、それだけで相当の価値があることになる。また、卒業後のキャリアでもプロフィールに「〇〇音楽大学主席卒業」という称号は集客に大きく左右する。

4年間を熾烈な競争の中で過ごした学生たちは社会人になっても競争心を常に持ち続け、営業職には打って付けの人材だ。

【長年、楽器と向き合ってきた生活】
 一般の大学生がバンド、スノーボード、飲みサークルなどの活動に勤しんでいる間、音大生は自分の演奏スキルを磨き続けている。それはすでに幼少の頃から習慣化されているもので「道」となっている。そのような精神は仕事のスキルを上げるために重要だ。社会人となり、あらゆる分野においてプロという立場でお金をもらうためにはその道を極めなくてはならない。
 また、音大生は「体が資本」であることを十分理解している。ピアニストはバレーボール、バスケットボールをしない。声楽科の学生はお酒を飲まない。常に体調管理に気を使うという意識が音大生は持っているのだ。社会人が、体調不良で自分が開けた穴が及ぼす影響を学生のうちからよく理解できている。

【指導を素直に聞く姿勢】
 一般の大学生が眠くなるような大学の講義を受けている時、音大生は大学の講師とマンツーマンでレッスンをしているという。師とのマンツーマンのレッスンは厳しい叱責になることも多く、それに耐えながら演奏スキルを磨かなくてはならない。ときには理不尽なこともあるだろうが、それを素直に受け入れなくてはならない。そのような環境に耐えてきた経験が社会人になっても大いに生かされるという。

【音大卒のプライドと需要の問題】
 では、音大を卒業してどんな職に就くのか?

 音大に入学した時点で学生たちは「音楽で食べていくんだ!」と誰しもが思っている。しかし、3年生になり、進路について考える時期になると現実を突きつけられることになる。音大生の人気の就職先は中学、高校、大学の教員や音楽教室のインストラクターだ。しかしそれらは狭き門であり、希望の就職先につける人はほんの一部とのこと。

 ここで問題になるのは「音楽で食べていく」ことを諦められない人がいることだ。それもそのはず、物心ついた頃から音楽と向き合い、それを生業にしようと厳しい訓練に耐え、大学生活を送ってきたのだ。

 就職先の中には自衛隊、警察官などの音楽隊に入る進路もある。その場合、当然ながら日々の公務を行いながらで、専門職ではない。

「音大卒なのに、、、」と、他人に思われたくない。そんなプライドを捨て切れない卒業生が、40歳近くになり就職課を訪ねてくるという。

長くなったので次回に続く、、、
次回キーワード
・音大卒の有名人
・昔の音大生はお嬢様で卒業後は専業主婦
・笑顔がないエルシーさんのライブ配信
・うつ病の原因
・女性歌ライバーに群がる輩たちの目的

【次回以降の内容キーワードのメモ】

・嫉妬に溺れる人気ライバー コメントよりもアイテムが嬉しいと断言
・高学歴・高収入・高身長(3K)のための結婚女性の選び方
・ビックマム(One Piece)に魂を売ったライバーM君
・ママライバーの賛否。子供放ったらかし配信を見て
・SNSアルゴリズムによる思想の分断
・アヘン戦争とSNS依存症
・ライブ配信アプリをやっていて感じるマイノリティー(社会的少数者)
・応援する人の心理「伸び代が見えるから応援する」
・あなたは有料?無料コンテンツ?価格設定の難しさ
・信用スコア、SNSのアルゴリズム。
・アイデアはいくらでもある、、、
・インスタにイケメン加工あげてみた
・『超高音ボーカル』て、、、コイツ「イタイ奴」やなと思われてる?
・著作権ガン無視のライバー達(DJ配信て、原曲流してるだけやん)

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