🟨 続・日本人の9割が知らないタイ飯 ⑬〜カオマンガイの究極【前編】〜 🟨
いまさらの超人気メニュー
カオマンガイ(ข้าวมันไก่)と言えばタイなんかに来たことない日本人でも知ってるくらいに誰でも知ってるメニュー。タイ料理にありがちな辛さやスパイス感がなくて日本人にも親しみやすいしタイ人にも大人気。
これだけ人気だから屋台、フードコートや街場の専門店などどこに行ってもカオマンガイは食べられる。でも鶏肉の仕込みがけっこう難しいのでイマイチなカオマンガイに出くわすことがクイティアオより多い印象。
そんないまさら感のあるカオマンガイ。今回は【前編】と【後編】の2回に分けて、個人的偏見でカオマンガイの究極を追いかける。単なるお店紹介じゃなくて美味しいカオマンガイの究極はどこにあるんだろうかを解き明かす。
カオマンガイはほとんどが専門店で店頭に茹で鶏を並べて吊るしてあるのが目印。売れてるお店には鶏がいっぱい吊るしてあると思ってよく見たらプラスチックの偽物が並んでるってこともあって要注意。この件について意外な事実を知ったので【後編】で詳しく。
どっから来た?
カオマンガイは中国語で「海南鶏飯」って呼ばれる通り中国の海南島由来のメニュー。これが海南系中国人の移住者といっしょにタイや東南アジア各国に伝播した。なのでマレーシアでは「ナシアヤムハイナン(Nasi Ayam Hainan)」、シンガポールでは「シンガポールチキンライス」、ベトナムでは「コムガーハイナム(Cơm Gà Hải Nam)」、ミャンマーでは「チェッシータミン(ကြက်ဆီထမင်း)」などのネーミングがある。鶏肉を茹でる調理法はどこも同じで違いはナムチム(つけダレ)だけの違い程度。
はるばる海南島からやってきたカオマンガイがほぼほぼそのまま、魔改造されるわけじゃなく東南アジアに広まって今でも根強く残ってるのは調理法かなにか普遍的なものがあるんじゃないかと思う。
最近タイのカオマンガイ屋で「カオマンガイシンガポール(ข้าวมันไก่สิงคโปร์)」とか「シンガポール風カオマンガイ(ข้าวมันไก่สไตล์สิงคโปร์)」というメニューを見かけるけど、このネーミング自体はタイ人の創作。元々鶏肉を別皿に盛りつけたものに甘いソースをかけてお値段高めにしただけ。
カオマンガイシンガポールって呼び方は『Boon Tong Kee(文東記)』が2013年にタイでチェーン展開を始めてからよく見かけるようになったと思う。カオマンガイなんてどこでも同じようなお値段で売ってるから、お高く売るのは難しいけどこうすればいけそうって姑息な発想だと思う。
ちなみに以下の画像は14年前にシンガポールで食べたチキンライス。ナムチムがタイのチリソースに似てる以外はカオマンガイと違わなかった。シンガポールのカオマンガイ(チキンライス)が必ずしも別皿盛りで売ってるわけじゃない。
続いてその「究極のポイント」をまとめてみたけどそれは【後編】で公開するのでお楽しみに。
🟧カオマンガイいろいろ
これからカオマンガイのお店紹介するけどいまさらなんで敢えて日本人に人気の『ゴーアン(ピンク)』とか『クアンヘン(緑)』やスラウォン通りのホテル『モンティエン』の『ルエントン』みたいな高級店だったり、『Boon Tong Kee(文東記)』みたいなお値段お高めなお店(100฿以上)は除外。いちおう画像だけアップしとくんでお許しを。ここら辺の情報はネット上に溢れかえってるから。
あと今回試しにお店評価ポイントを採用。見方は【後編】で詳しく説明するのでお楽しみに。
🔸ジュムチム海南鶏飯
創業60年近い老舗でタイ人の間ではかなりの人気店。口コミ700件超とコメの高評価が多かったから行ってみた。
ロケーションがバンコクの北郊パトムタニ県にあるのでアクセス難易度はかなり高め。外国人はほぼゼロエリアで観光客は皆無。期待に反して極々普通のカオマンガイだった。
ご飯パラパラ: B
鶏肉シットリ: B
鶏皮プルプル: A
ナムチム: 甘さ控えめタオチオ系
アクセス難易度: A
(普通盛り50฿)
🔸カオマンガイ ナイトン
日本人インフルエンサーの高評価に釣られて行ってみたけど口コミ900件超って凄すぎ。お店の前にはフードデリバリーのバイク多数待機中。バンコク都心から遠くはないけどサドゥプラディットソイ56っていうかなりマニアックなエリア。観光客はもちろん外国人も来ないエリアと思ったらファランのお客さんいてビックリ。
ご飯に不思議な旨味あり化調じゃないと思うけど。スープに酸味あり。
ご飯パラパラ: A
鶏肉シットリ: B
鶏皮プルプル: A
ナムチム: 甘さ控えめタオチオ系
(普通盛り45฿)
🔸スイ ヘン
以前から気になってたチャルンクルン通り沿いの有名店。創業100年の超老舗。口コミも800件超。アクセス難易度低めのお店なので日本人のブログでも見かけるし日本語の口コミも多数。
ご飯、鶏肉、鶏皮プルプルともに普通に上々。ナムチムはタオチオ系かな?微妙に酸味あり。
ご飯パラパラ: A
鶏肉シットリ: B
鶏皮プルプル: A
ナムチム: 酸味のある系
アクセス難易度: B
(普通盛り60฿)
🔸ブーン トン キアット
日本人エリアトンローのど真ん中にある新加玻鶏飯(シンガポールチキンライス)の看板を掲げるお店。ここも口コミ700件超の人気店。カオマンガイ専門店ではなくてバクテー、ホッケンミー、カリーミーなどシンガポール系のメニューもある。
ご飯のパラパラ度と香ばしい風味はかなりいい感じ。なぜか鶏肉の下にモヤシを敷いてある。
ご飯パラパラ: A
鶏肉シットリ: B
鶏皮プルプル: B
ナムチム: 4種
アクセス難易度: C
(普通盛り80฿)
🔸Plaeng Nam Chicken Rice
ヤワラーのど真ん中創業70年の老舗カオマンガイ屋。タイ人の間ではかなりの人気で今回訪問したときもほぼ満席。タイの人気Youtuberウアンおじさんもピックアップしてるのになぜか日本人のYoutubeとかブログでは紹介されてない隠れた(?)名店。
ご飯の炊き方が独特で芯が残ってる系。鶏肉にやたらと軟骨が入ってるのはこのお店の特徴?なぜかスープはついてこないけどこれも特徴?
ご飯パラパラ: A
鶏肉シットリ: B
鶏皮プルプル: A
ナムチム: タオチオ系
アクセス難易度: C
(普通盛り60฿)
その他のおススメカオマンガイ屋のご紹介も【後編】に続く。