🟨 続・日本人の9割が知らないタイ飯 ⑩〜南から来たお米のサラダ〜 🟨
オシャレなタイ飯?
タイの屋台飯食べてると、たまに野菜盛り放題のカノムチンとかあるけど、ほとんどの場合野菜が足りないんじゃないかって思うことがけっこうあったりする。今回ご紹介するカオヤム(ข้าวยำ)って言うメニューはそんな野菜不足が一気に解決しそうな一品。
カオヤムのカオ(ข้าว)はご飯、ヤム(ยำ)はご存知のとおり混ぜるって意味なので、直訳すると混ぜご飯になってしまう。ただし、混ぜご飯と言っても混ぜた状態で提供されるわけではなくご飯の上やまわりに混ぜる野菜とかの具材が載った状態で提供される。
カオヤムはタイのライスサラダって言われることが多い。ライスサラダって言うとオシャレなカフェ飯を思い浮かべてしまうけどカオヤムもかなり映え系のタイ飯。旅行者にはあまり知名度がないかもしれないが、滞在中の日本人、特に駐妻と呼ばれる人種からの人気が高いらしい。ミシュラン星を獲得してるような高級系のお店、特に南部タイ料理のレストランでも提供してる。
以下の画像は高級系のタイレストランのカオヤム。こんな感じでカフェ飯っぽい盛り付けで提供されるのでオシャレ系タイ料理だと思われがちだけど、大衆向けの街場の食堂や屋台、フードコートにもあって以外にお安いメニューだったりする。
パット見が以前ご紹介したカオクルックカピに似てるけど、その成り立ちも味もぜんぜん違うメニュー。カオクルックカピがカピ(エビ味噌)の濃厚な味付けのご飯とご飯に負けないような濃いめの具材を合わせるのに対して、カオヤムは全体的にさっぱりした味わい。
多すぎくらいの具材
カオヤムの見た目が映えるのは提供されたときに多種多様な具材がご飯のまわりに盛り付けられてるから。これらの具材は野菜を中心に何種類もの食材を使ってる。数あるタイ料理の中でもこれだけ多くの具材を使う料理まあまり見かけない。お店によって多少違いはあるけど主な食材は以下の通り。
アンチャン(バタフライピー)で炊いた青いご飯(普通に白ご飯や他の色付けしたご飯を使ったりもする)をメインに置いて、これに添える具材は、①輪切りのタクライ(レモングラス)、②モヤシ、③バイチャプルー(ハイゴショウの葉)、④バイマックルー(コブミカンの葉)、⑤ソムオー(ザボン)、⑥トアファクヤーオ(ささげ豆)、⑦マラコー(パパイヤ)の千切りが主な野菜。これに⑧クンヘン(干しエビ)、⑨煎りココナツが加わる。
混ぜてしまえばみんな同じ
カオヤムの最も重要な要素にナムブードゥー(น้ำบูดู)って呼ばれる「タレ」がある。ナムブードゥーはこれを混ぜて食べないと全体の味がまとまらない気がする。サラダドレッシングみたいなもんか。このナムブードゥーはナンプラーやカピ、砂糖などを混ぜて作るナムチムみたいなタレで、発酵調味料の旨味が強い。確かにナムブードゥーがカオヤムのポイントだと思うけど個人的には甘すぎ塩っぱすぎな印象。うっかり掛けすぎると味のバランスが崩れちゃうと思う。皿の上に別盛りでついてくることが多いが間違って全部をぶちまけると危険。
高級系レストランのオシャレな盛りつけのカオヤムも大衆食堂の雑で特別な具材が入ってるわけでもないカオヤムも混ぜてしまえば不思議とカオヤムになる。
カオヤムの起源
このnoteでいままでご紹介してきたタイ飯メニューの多くは中国やインドなどの海外に起源のあるものが多かったけどその多くはタイに渡ってからいろいろとアレンジが入ったりしてた。でもカオヤムはその原型になったマレーシアのナシクラブ(NASI KERABU)にかなり近い。
現地のナシクラブを食べたことはないけどフライドチキンや焼き魚などが載ってることが多いらしい。そして揚げエビ煎餅みたいなものも。カオヤムに比べるとサラダ感は少ない。
🟧カオヤムのいろいろ
🔸Sri Kamin ศรีขมิ้น
本格的南部タイ料理を提供するお店としてタイ人に評判のお店。カオヤムには大量のバイチャプルーが添えられててぱっと見ご飯より多い。ナムブードゥーもたっぷりついてくるのでかけすぎに注意。ご飯は普通の白ごはん。
🔸Rotinis Cafe and Hostel
โรตีนิส คาเฟ่ แอนด์ โฮสเทล
ペブリのムスリムエリアにあるマレーシア系ハラルフードレストラン。カオヤムにフライドチキンがついてくる。野菜の量は普通。ご飯はアンチャン(バタフライピー)の花で炊いた青いやつ。お店自体は大衆食堂レベルだけど盛り付けは映えてる。
🔸ร้านข้าวยำน้านิตย์ สาขา Golden Place สะพานสูง
GOLDEN PLACEというロイヤルプロジェクト関係の食品を扱う王室系スーパーマーケット内のレストラン。Sri Kaminと同じく大量のバイチャプルーが添えてある。野菜の量が多いのは南部タイ系の特徴か。
ここのご飯は青と黄色とライスベリー(紫)の3色米を使ってるけど具材を上から盛りつけてるのでご飯が見えない。具材を取ったところの画像を貼って見たけどわかりにくい。
🔸トゥーカップカオコンメー
ตู้กับข้าวของแม่
ナラティワート通り方面の南部タイ系のカオゲン食堂。野菜はやや多め。ご飯は白ごはんだけどご飯を覆うように盛りつけてるのでご飯が見えない。具材の盛りつけ自体も雑に見える。これが大衆食堂風か。
🔸IKROM HALAL FOODS (MOTORWAY )
モータウェイ沿いにあるマレーシア系ハラル食堂。やはりここも道路沿いの大衆食堂だからか野菜はニンジンやキャベツなどの原価が安そうな食材が目立つ。でもナムブードゥーをかけて混ぜると普通にカオヤムになる。