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🟨 続・日本人の9割が知らないタイ飯 ③〜アレじゃないカレー麺〜 🟨


みんな大好きカレー味

個人的にはカレーライスはそんなに積極的に食べようと思うことはほとんどないけど、カレーうどんやビリヤニとかカレー味のメニューってなんかホッとすることも事実。なんで日本人ってこんなにカレーが好きなんだろうって思ってたらイギリスやドイツでもカレーが人気メニューだった。

カレー粉発祥の地と言われるイギリスでもカレー料理が人気。世界中のインドレストランで見かけるバターチキンに似たチキンティッカマサラ()なんかはイギリス発祥。ドイツも同じで屋台飯としても人気のカリーヴルスト()はソーセージにケチャップとカレー粉で作るメニューだったりする。

チキンティッカマサラ Wikipediaより
カリーヴルストWikipediaより

タイ人も好きなカレー味

カレー人気はタイでも同様で最近では日本のカレーも人気だけど、そもそもカオモックガイ、ゲーンマサマン、クアクリン、プーパッポンカリーなどカレー味のタイ料理メニューはいろいろある。

クアクリン
プーパッポンカリー

タイの麺類でカレー味といえばカオソイ。いまや日本人にも大人気のチェンマイ名物カオソイはこのnoteでも特集したけど、タイのカレー麺はカオソイ以外にもあった。


じゃない方のカレー麺

そのカレー麺の名はクイティアオゲーン(ก๋วยเตี๋ยวแกง)。ゲーン(แกง)は汁ものやお惣菜って意味だけどいわゆるタイカレーもゲーンに含まれる。カオゲン(ข้าวแกง)と呼ばれるお惣菜屋は屋台やフードコートでは定番。でもクイティアオゲーンといったときのゲーンとはインド風やムスリム風と呼ばれるゲーン。

フードコートのカオゲン屋

クイティアオゲーンはインドっぽいスパイスとココナツミルクを使ったいわゆるカレー味のスープのクイティアオ。クイティアオケーク(ก๋วยเตี๋ยวแขก)とも呼ばれる。ケークとはゲストという意味もあるけど狭義ではインド人、広義ではインドを含むアジア系の外国人(パキスタン、バングラデシュ、インドネシア、マレー、中東など)全般を指す。クイティアオケークの場合のケークとはムスリム系のアジア人のこと。アユタヤ時代にオランダ人が連れてきたジャワ(インドネシア)人ムスリムから伝えられたと言われる。()

ムスリムがタイにもたらしたタイのハラルフードについてはこのnoteでも特集しててクイティアオゲーンもその時に取り上げてる。

そういう意味ではマレー系のムスリムのカレーと中国系の麺料理が合体した「ラクサ(หลักซา)」()とも近縁なんじゃないかと個人的には思う。たぶんマレーシアの咖哩面(มีการี)とかラクサ(ลักซา)がタイに伝わったのかも知れない。

マレーシアのミーカリー Wikipedia より
シンガポールラクサ Wikipediaより

中国雲南地方から来たムスリムの麺料理がチェンマイでココナツカレー味になった「カオソイ」、ミャンマーのココナツヌードル「オンノカオスエ」。ここら辺はなにか繋がりがあるんじゃないかと思うけど。はっきりしたことは不明。

ミャンマーのオンノカオスエ(左)と
チェンマイのカオソイ(右)

クイティアオゲーンはややレア

クイティアオゲーンはどこにもあるメニューじゃない。屋台や食堂やフードコートなどのハラルフードのお店にあることが多いけど、ハラルフードのお店でもクイティアオを扱っててカレー味のスープを揃えてるお店を探さなきゃいけない。Google Mapsが検索してもバンコクに20軒もない。

クイティアオゲーンを探してバンコクでもムスリム率が高いチャルンクルン通りのソイ103に行ってきた。毎月第1土曜日曜は古いモスクがあるこのソイでムスリム市場が開催されてて細い路地にはハラルフードの屋台が並んでる。

Riverside Market, Charoen Krung 103

ほとんどのお店は屋台だけどいくつかイートインができるお店もある。そのうちの1軒がハラルフード(อาหารฮาลาล)って看板に書いてある『バーンアマリン(บ้านอัมรินทร์)』ってお店。このお店はクイティアオも扱ってて店頭にカレースープを温めた大鍋も置いてある。オーダーしたのはもちろんクイティアオゲーン。種類は鶏一択だった(牛肉も選べるお店も多い)。麺もセンレック一択。

カレー麺ってことでカオソイと比べてしまうけど、カオソイとの違いは見た目では、揚げ麺が載ってない、つけ合わせのパクドーン、タマネギ、マナオがないことか。
お味の方はココナツカレーって意味ではカオソイと同系統だけどココナツ風味が弱めでスープはややあっさり。スパイスはやや強めな印象。

いつのまにか街中に溢れるようになっちゃったカオソイにくらべるとかなりマイナーなカレー麺のクイティアオゲーン。けっこうレアだけどわざわざ探して食べに行く価値はある。


クイティアオゲーンのお店

🔸インドネシア発カレー麺

カオサン近くにあるカオモックガイが有名なお店。1975年創業の50年近く営業してるお店、もともとはインドネシアから渡ってきたムスリムが故郷のレシピを元に作り続けている味。

アイサ・ロッディー อาอีซะห์ รสดี

🔸モスクの裏のハラルフード店

プラカノン市場の近くPDソイ2に入ってモスクのあるソイにある小さなハラル食堂。いわゆるハラルフード系のタイ料理が多いけどクイティアオゲーンとカオソイがメニューに並んでるのは珍しい。

Ta-Liew-Bin ตะหลิวบิน

🔸アソークのフードコート

アソークの巨大フードコートタラートルアムサップのハラルフード屋。ここのフードコートのハラルフード屋はなぜか長続きしないお店が多い。このお店もまだ1年経ってないけど。
クイティアオゲーンはスパイス感が強くていい感じ。

タラート・ルアムサップ
ตลาดรวมทรัพย์ อโศกมนตรี

🔸100%ハラルなフードコート

ラムカムヘン通り沿いにあるハラルフードだけのフードコートにある一軒。ハラル系タイ料理全般を扱ってる。カレー味のスープはあっさり目。クイティアオゲーンよりレアなクイティアオカティ(ココナツミルクのクイティアオ)も扱ってる。

ศูนย์รวมอาหารฮาลาล59มินิพลาซ่า
Mini Plaza รามคำแหง59

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