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フリーランスデザイナー奮闘録~自転車で駆ける大阪の街

ふと、まだ駆け出しのフリーランスデザイナーだった頃を思い出しました。あの頃の僕は、仕事を求めて大阪の街を自転車でひたすら走り回り、ライブハウスやカフェにフライヤーを置いてもらう日々を送っていたのです。

思い返せば、その方法が本当に効果的だったのかは正直疑問。でも当時の僕には、「とりあえずやってみる」以外に選択肢はありませんでした。何もしないよりは行動あるのみ、と自転車を漕ぎながら必死に活路を探していたのです。

泥臭さ全開のアナログ営業

↑ なんばhatchにも置かせてもらったなぁ…

朝早くに家を飛び出し、自転車のカゴにはぎっしりとフライヤーを詰め込んで出発。大阪の街は朝から活気にあふれ、多くの人でごった返していました。まずはアメ村(アメリカ村)にあるライブハウスを目指して、雑踏をかき分けていきます。

扉を開けると薄暗い店内に店長さんがひとり。「フライヤーを置かせてもらえませんか?」と声をかけると、快く了承してくれます。胸をなで下ろしつつ、次は心斎橋のカフェへ。お昼時で混雑している様子を見て、さすがに気後れしながらも声をかける。「すみません、こちらにフライヤーを置かせていただけないでしょうか」。忙しい中でも受け入れてくれるスタッフの優しさが、本当にありがたかったです。

そんな調子で一日中自転車を走らせ、難波から梅田まで足を延ばし、気になるお店を片っ端から訪ねていきました。

その地道さがもたらしたもの

結論から言えば、このフライヤー配り自体が直接仕事につながったケースはほとんどありませんでした。時間も体力も費やす割には成果が乏しく、正直「非効率」だったと思います。

それでも、持ち歩いたフライヤーが全部なくなるまではやめられませんでした。今思えば、ただ「もったいないから」という気持ちも大きかったのですが、あれだけ泥臭く続けたこと自体が、フリーランスとしての基盤づくりに一役買っていたのかもしれません。

今の僕ならSNSやオンラインでのアプローチに力を入れるでしょうし、もっとスマートな営業手法を考えたはず。でも、「効率ばかりでは得られないものがある」と感じさせてくれたのは、あの汗だくの自転車営業でした。街の空気や人とのやりとりが、肌で感じられるというのは大きな学びでした。

あの頃の努力が今の糧に…?

フリーランスとして歩み始めたばかりのころは、何をやるにも不安がつきまとい、「本当にこの方法でいいのか…」と自問自答の日々でした。しかし、そんな手探りの時期の苦労が、結果的には僕の土台になっていると感じます。

当時のフライヤー配りは確かに効果薄だったかもしれませんが、行動し続ける重要性を体に叩き込んでくれました。今でも新しい挑戦に迷ったときは、あの頃の自転車営業を思い出して「とにかく動いてみよう」と思えます。

泥臭くとも一歩を踏み出し続ける姿勢。それこそがフリーランスの力になり、どんな経験であってもいつか役に立ってくれると、僕は信じています。

この記事は過去の自分のX(Twitter)のポストとブログを元に、note掲載用に再編集しています。

Original article:フリーランスデザイナーの奮闘記〜自転車営業の日々

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