見出し画像

【絵本レビュー】 『ノンタンのたんじょうび』

作者/絵:大友(キヨノ)幸子/大友康臣
出版社:偕成社
発行日:1980年12月

『ノンタンのたんじょうび』のあらすじ:


ノンタンは友だちから「ないしょ、ないしょ」といじわるされました。でも、目かくしされて連れていかれたところにあったのは?

『ノンタンのたんじょうび』を読んだ感想:

これは息子が6ヶ月の時実家に帰国した際本棚から持ってきた絵本です。もちろんまだ話の内容なんてわからなかったと思いますが、それでも何度も何度も読みました。1歳では「あっかんべー」に反応したり、「しーっ」と言って指を口の前に当てたりし、2歳では「ばあ!」や「べえー!」と真似し始め、3歳では誕生日という言葉に興味を持ち始め、4歳の今は「ノンタンさみしそうだねえ」とか「プレゼントするときは目隠しをする」ということが理解できるようになりました。私が子供の時読んでいたノンタンを通じて息子の成長が見られて、とても嬉しいです。

私のうちでは、誕生日パーティーをして友達を呼ぶということはほとんどありませんでした。アルバムを見る限り、パーティーをしたのは一回だけ、幼稚園へ入るくらいの年でした。その誕生日のことはおぼろげに覚えています。多分、普段は食べられなかったケーキが食べられたからかも知れません。でもそのあとはいつも家族だけのパーティーでした。友達のに呼ばれて、その子のお母さんがたくさんご飯やらケーキやらを出してくれるのを、いつも羨ましく思っていました。そういえばうちは何をするのも家族3人だけでした。いえ、特に仲良し家族というわけではないんです。父は母より20歳くらい年上で、母と私はまた20歳の差。たいていの人は祖父ー娘ー孫という家族関係で見ていたのではないかと思います。

全く別の3世代でしたから意見の違いもまた大きく、父と母の間でさえかなり物事の見方にギャップがあったので、父と私のギャップはもう意思疎通すら難しいくらいでした。ある時父は私の顔をまるで宇宙人でも見るかのようにまじまじと見て、「わからない」と言いました。彼にとって私は宇宙人だったんでしょうね。

というわけで、息子が生まれてから私は誕生日パーティーを楽しむことにしました。もちろん私のです。今年も夏が来るのが楽しみです。

『ノンタンのたんじょうび』の作者紹介:

キヨノサチコ
1947年東京生まれ。小さい頃から絵を描くのが大好きでした。漫画家になりたかったキヨノさんは、チャンスを得て雑誌に漫画の連載を始めます。小さい子のファンが多かったことから、その後幼児雑誌で挿絵や付録の絵を描くようになりました。 ある日ふと出会ったいわさきちひろさんの絵本『にんぎょひめ』のページをめくっていたら、熱い魂がこみあげてきたそうです。それは「絵本を描きたい!」という情熱でした。『にんぎょひめ』はキヨノさんに「絵本」の素晴らしさを教えてくれたのです。早速絵本を描き始めて、できあがったのが「あかんべぎつね」。1976年に『ノンタンぶらんこのせて』でデビュー。以来ノンタンの絵本をつぎつぎに生み出し、ロングセラー・ベストセラーとなります。2008年逝去。 ノンタンの他の作品に「トムトム・ブーの絵本」シリーズ、「いたいのかいじゅう」シリーズなどがあります。


キヨノサチコさんの他の作品


この記事が参加している募集

サポートしていただけるととても嬉しいです。いただいたサポートは、絵本を始めとする、海外に住む子供たちの日本語習得のための活動に利用させていただきます。