【絵本レビュー】 『たまごにいちゃん』
作者/絵:あきやまただし
出版社:鈴木出版
発行日:2001年9月
『たまごにいちゃん』のあらすじ:
本当はもう、たまごから出ているはずのたまごにいちゃんは、ずーっとたまごでいたいと思っていました。だって、たまごだったらお母さんにあたためてもらえるから。ところがある日、たいせつなたまごのからにひびが入ってしまって…。
『たまごにいちゃん』を読んだ感想:
下調べも満足にせず手にした『たまごにいちゃん』。正直いって「たまごが主人公のおふざけ絵本」だろうくらいに思っていたんです。侮りすぎでした、私。たまごにいちゃんがたまごから出て来たくないのは、「たまごだったらお母さんにあたためてもらえるから」。読みながら胸にグサリときましたよ。本当は自分でできるのに甘えて私にしてもらいたがる息子に対し、「赤ちゃんだったっけ?もう強くておっきいって言ってなかった?」と言っていた。あ〜、イカンイカン。やって〜なんて言ってすり寄ってきてくれるのは今だけなのに。今だけしかこんな形で甘えてきてはくれないのに、私は彼をさっさとたまごから追い出そうとしていた。そんなに急いでどこへいくんだ私。絵本を読みづつけながら「すまん、ごめん」とひたすら心の中で謝る母でありました。
『たまごにいちゃん』の作者紹介:
あきやまただし
1964年東京生まれ。東京芸術大学デザイン科卒業。 「ふしぎなカーニバル」(講談社刊)で講談社絵本新人賞、「はやくねてよ」(岩崎書店刊)で日本絵本大賞受賞。NHKでおなじみのアニメ「パンツぱんくろう」の作者。 「まめうし」シリーズ(PHP研究所)、「たまごにいちゃん」シリーズ(鈴木出版)、「へんしん」シリーズ(金の星社)など絵本作品多数。全国各地で開催する絵本ライブも人気を博しています。
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