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インターホンで名乗り、エントランスのオートロックを解除してもらう。エレベーターで十二階…
祖母が『幻想探究』という雑誌の編集部に手紙を送ったのは、昭和三十年代の半ばくらいのこと…
萌香の色白の身体が漆黒の壁に映える。壁に沿って十字型の磔台があり、萌香は両手首と足首を…
萌香は、海沿いにある古い和風旅館の、離れの一室にいる。 遠くに波の音が聴こえる以外は…
「あ、もしもし。俺です。もうすぐ着きます。女は大人しくしてます。はい。はい。楽しみに待っ…
礼拝堂の中央に木製のT字型の磔台が設置され、母の裸身がそこにあった。両腕を左右に開いた…
夏休みの早朝に学校に入っていく。 外で野球部と陸上部が「朝練」をしている。大声を出してからだを動かしている。ばかみたい。 校舎にはいって上履きに履き替える。静かな廊下を歩いて、階段。三階にあがって、また廊下を歩く。美術室の引き戸を開ける。誰もいない。美術室の奥、美術準備室の前に立つ。制服のスカートの裾を整え、扉をノックする。 「赤井です」 「どうぞ」 扉を開けて中に入る。 「おはようございます」 「おはよう」 先生は小さなテーブルを前に、コーヒーを飲んでいる。 「コ
「中学生のくせに、なんていやらしい子なんだ」 「先生……」 「うれしいのか?こうされるのが…