悪魔祓いの手順③等価交換したものを返してもらう《自分の意思で契約を結ぶ》
《自分の意思で契約を結んだ人》
自分の意思で契約を結んだ人は
悪魔から等価交換を持ちかけられる筈です。
恐らく、儀式などで呼びつける方は
等価交換する物を用意していると思います。
血や臓器、人そのもの(生贄)など、
時代や儀式の内容にもよりますが、
悪魔を呼ぶにはそれなりにアウトローな御供物を用意するでしょう。
その御供物ですが、
大抵呼びつける為の等価交換としてチャラになります。
お願い事を聞いてもらう為の等価交換は
別の物を差し出さないといけなくなることが殆どです。
悪魔が欲しているのはエネルギーです。
もう既に時の止まった血や臓器には興味がありません。
ですので、呼びつけた本人、その場に参加した人、
若しくはそれに近しい人(参加した人の身内)が犠牲になります。
「願いを叶えて欲しいのであれば、これをよこしなさい」
と提示される筈です。
肉体の一部、体力、判断力、記憶力、愛情、
慈しむ心、正義感、自分じゃない誰かが犠牲になる…
今どうしても叶えなければいけない、叶えたい願いの前に、
何とかなる、今はどうでも良いと思えるようなラインのものを
悪魔は提示してきます。
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《とある悪魔との契約の話》
運命を感じた愛するパートナーとの結婚を反対され、
藁にもすがる思いで結ばれたいと思っていた男性が、
まじない師にお願いして儀式をしました。
悪魔が出てきて、
「愛情を口で伝える毎に一ヶ月寿命が縮む」
等価交換を提示されました。
それくらいなら、とOKをして
パートナーと結ばれる事が出来ました。
元々愛情深かった男性は最初はいつも通り
愛情をたくさん伝えて過ごしていましたが、
パートナーに愛を伝える毎に男性の寿命は減っていきます。
数年で急に老け込みました。
寿命を削って愛を囁き続けるか、
長くパートナーと共にする時間を確保するかで悩み始めます。
そして、男性は愛する人と少しでも長く居ることを選択します。
愛情表現をしなくなったパートナーとは喧嘩が増えました。
それでも男性は愛情を口には出来ません。
そして、パートナーは別の方と恋をして
男性の元を離れていきました。
その後男性は一度も愛を語る事なく、
心を燻らせながら亡くなりました。
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手紙や表情で伝えていても満足しないパートナーを理解して、
「口で」とわざわざ指定した悪魔の悪戯心が効いてるなと思います。
現代でそれ程の人に出会えるかは分かりませんが、
別に熱意を向けているものがあれば、
それがパートナーと同等として扱われます。
それが趣味や勉学など、大好きだと思える事でもです。
「愛情を口で伝える毎に…」
「何の愛情なのか」を入れず、
凡庸性の高い応用の効く言葉を曖昧に幅広く使う辺りも
来世でもエネルギーを搾取しやすくする為なのかなと思います。
好きなことを好きと語れないって
中々の拷問ですよね。
この契約が来世に渡ると体が弱かったり、
楽しいことが終わった後、目標を達成した後に必ず体調を崩し、
その後続かないとか、
何かを愛することを怖がって無口になるなど、
個性として片付けられる範囲ではありますが、
コミュニケーションや体力面にネガティブな面が現れます。
「自分はダメな人間だ」と長く思わせられたら
悪魔にとってはそれで良いので、
契約者がちょっとずつボロボロになっていってくれるように
少しずつ蝕みます。
契約を切っても、貴方の体力が戻らなかったり、
愛することを怖がるなどが残ったままになると
ちょっと困りますよね。
だから、等価交換したものは返してもらってから
契約を切った方が良いのです。