【037】Honda eの12ヶ月点検 減らないブレーキパッド
「Honda e」を購入したディーラーから「そろそろ法定12ヶ月点検のご予約を」とお知らせがあった。どこでどうやって充電すれば……という基本中の基本から始まったEVライフも、あっという間に一年。これまでの走行距離は約1万4000キロ、電費は約8キロ/kWhまで向上した。カタログ上の一充電走行距離は283キロ(WLTCモード)。当初は眉唾ものだと思っていたが、それなりに根拠のある数字だったようだ。長距離ドライブでは9キロ台も出ているので、JC08モードの308kmさえ、やろうと思えば達成できるかもしれない。
それでも航続距離は長いとは言えないし、急速充電も効率が悪い。ただ、走らせるのは抜群に楽しい車だ。ハンドリングも加減速もレスポンス抜群。交差点を曲がるだけで楽しい気分にしてくれる。小回りも効いて(最小回転半径4.3メートル)山道や街中でもストレスフリー。一年乗ってみて、長く乗りたい車だと感じているので、きちんと点検してもらいたい。
ディーラーでは、ウインカーやブレーキランプの作動確認から始まって、電気系統、ハンドル…と手際よくチェックが進んだ。項目は内燃車とほとんど変わらないそうだ。もちろんEVなのでエンジン回りの点検やオイル交換などは無し。
続いて車をジャッキアップして、タイヤとホイールを外し、足回りをチェックしていく。車体の下側を眺める機会はあまりないので、興味津々。凹凸が少ないのが印象的。床に走行用バッテリーが敷き詰められて、排気管などもないのでスッキリしている。
EVあるあるのひとつに「ブレーキパッドが減らない」というのがある。制動時に発電する回生ブレーキを多用するからだけど、文字通り1ミリも減っていなかった。使わな過ぎて赤錆が目立つほど。
点検は異常なしで無事終了。「気になることは?」と聞かれたので、異音の相談をした。ハンドルを切ると「ギギギ…」と小さな音がする。動作に差し支えはないけれど気になっていた。「ケーブルリール」という部品が原因でしょう、という診断。パーツが届くのを待って交換してもらったが、見事にノイズが消えてスムーズに。さすがプロ。やっぱり整備は大切だ。
(夕刊フジ/2022.5.26)