私の手袋
東京でも展示会をやっていて、
少しミーハーかもしれないけれど私は今向田邦子にはまりにはまっています。
母が好きで昔から目にはしていたけれど、そこまで興味はなく、
大学生の時初めて「父の詫び状」を借りたときは私の本を読む力が乏しかったのでしょう、最後まで読み切れず返却しました。
それから私も少しずついろんな本を読み、読書が好きになりました。
そんなある時たまたま本屋さんで見つけた「向田邦子の本棚」という本。
なんか面白そう、と手に取るも
待てよ、私はまだ向田邦子の本をちゃんと読んでもないのにいきなり本棚なんてみて良いのだろうか、という声が聞こえてきました。
急いで図書館で向田邦子の本を借りました。
びっくりしました。
なんて面白いんだろう。
なんて私の心に響くのだろう。
特に「手袋をさがす」は私の現状を代弁してくれているようでした。(おこがましいですが。)
今の私は、仕事もまだまだ半人前なのに不平不満ばかりで、
自分には他に何かあるのではないかと日々悶々とし
嫌なことがあると出さまいとは思いつつすぐ顔や態度に出てしまいます。
もっとすんなりといろんなことを受け止めることができればいいのにな。
なんでいつも素直にハイ、が言えないのだろう。
そんな自分に辟易とします。
上司が、
「うちの会社はあれせえ、これせえ、というのが出来ない奴には向いておらん!」
と言いました。
それを聞いた時、まさしく私のことだなと思いました。
会社でのしきたりや伝統。
みんな当たり前のことのようにやっていること。
それを私は素直に受け入れることができない人間なのだと。
でも「手袋をさがす」を読んで私は妙に勇気づけられました。
それが私なんだ、と。
今まで本を読んでこんなにも自分の思いが溢れてきたことはありませんでした。
こうやって今文章を書いているのも、その気持ちをどこかで表現したかったのです。
私なりに自分の手袋をさがしていこうと思いました。
これが「手袋をさがす」を読んで感じたことです。