見出し画像

北海道パンクロックリーグに3年連続でお邪魔した道民オタクの長話

かなりお久しぶりのnote更新になりました。

ネタが一切無かったわけでもないのですが、単純に仕事も現場も忙しくなり書くタイミングを逃しておりまして。
ただ、今回ばかりはどうしても書かなきゃと思い久しぶりに文章として残そうと思いました。とんでもない長文となりましたが、しばしのお時間お付き合いいただけると幸いです。

※想像以上に前置きが長くなってしまったので、前置きいらねぇ!という方は目次の「第3回大会、開幕」まで飛ばしていただけば今季の試合のお話まで行けます。申し訳ない…。

年に一度の祭典「北海道パンクロックリーグ」

いや、何だよそのリーグ、音楽フェスなのか?とお思いのそこの貴方。知らない人向けにざっくりと「北海道パンクロックリーグ(以下HPL)」について説明しますと「野球界の大乱闘スマッシュブラザーズ」…と私は勝手に思っています。
もう少し深掘りしますと最初はリーグ代表兼選手の林周さん(はやし あまね、以下リンシュー)によって2021年に発足。2022年からは「プロ野球独立リーグ」のような運営形態をとり年に1回試合が開催されている超非営利団体であります。

HPL代表兼選手のリンシュー(美瑛)
某キモティー野球部に所属しているとかなんとか
(2024年12月15日撮影)

選手たちは「パンクロッカーであること」が最大の参加条件。パンクロッカーとはだいぶ面白い人生を送られている選手…で良いかと。
大半が独立リーグ所属経験のある選手で構成されておりますが、他にも社会人チーム出身、さらには野球経験が長くない本業が別競技の選手まで。
別競技の人がなぜか野球をやっている時点で明らかに普通ではないことはお分かりいただけたかと思います。

佐藤柚貴選手(美瑛)
本職はスキー選手だけど野球センスもある
(2023年12月10日撮影)

私がHPLにお邪魔している理由

北海道と銘打ってはおりますが開催は12月。当然北海道はどこの地域も真っ白銀世界です。道内の球場は屋内以外は使えるはずがないですね。
なので開催地に関しては2022年は千葉県柏市、2023年と2024年は茨城県下妻市でした。道民である私がなぜ現地に赴くのかと言いますと、代表のリンシューとの縁がそうさせたのです。

興味を持ったきっかけは「現場のリアルな声」

リンシューは2021年の当時、独立リーグの北海道ベースボールリーグ(以下HBL)「富良野ブルーリッジ」に所属する選手でした。
とあるフォロワーさんのTwitter(現・X)スペースで話す機会があり、当時のHBLについていろいろと教えていただきまして。現場のリアルな声を聞けたというのはバタフライエフェクトに近いものを感じたわけです。そこからリンシューに興味を持つようにはなりましたね。
ただ、試合に行く時間はなかなか取れませんでした。運悪くタイミングが合わない。今思えば体調を犠牲にすれば行けたかも…な試合はあったんですけどね(笑)

ようやく叶った現地観戦、しかし…

タイミングが合わないまま2022年を迎え、HBLは富良野・砂川・奈井江の3球団でリーグ戦を行うことになりました。
(このあたりのアレコレは語ると長いので省略)
リンシューは新しくできた球団「奈井江・空知ストレーツ」に移籍。
今度こそ現地観戦だ!と思い、実際にお邪魔しました。
芦別市での開催で本来はダブルヘッダーのはずでしたが、某疫病の影響で富良野が試合に来れなくなる事態になり、1試合だけの開催に。
その影響もあってか、リンシューは打席に立つ機会なく試合終了。でもお会いすることはできました。

左・リンシュー、右・奥村蒼選手(当時砂川所属)
のちに2人共HPLのメンバーとなるため
今思うと私にとっても運命が変わった日でした
(2022年8月7日撮影)

試合に出るところが見たい…と思っていたら最後のチャンスが舞い込んできました。HBL最終戦、富良野での開催です。
気合を入れて前泊までして富良野入りしたのですが…なんと大雨で中止。前日の天気予報すらそこまでの雨予報でなかったのになんでや…。
しかもリーグはそのまま終了という最悪なオチ付き。リンシューは独立リーガーとしての引退を選んだということもあり、私的には不完全燃焼で2022年を終えるところでした。

HPL公式アカウント設立、そして現地へ

2022年11月に突然Instagramに現れた謎のアカウント「北海道パンクロックリーグ」公式。
なんだこれは?と思いつつもフォロー。理由は簡単、選手紹介にリンシューが代表兼選手として名前があったからですね。
「何かしら試合をやるっぽいな、つまりリンシューの打席が現地で観れるんだな?」
そのワクワクした気持ちは徐々に強くなり、12月17日、AKIRA塚崎野球場に赴くことになりました。場所を調べたときに「どこやねんここ」ってなったのは内緒。

試合に関してはリンシューがまとめたnoteがありますのでそちらをご覧ください。

ようやく叶えた夢。リンシューの打席が見れました。
「それはそれとしてこのリーグ、だいぶ面白い選手しかいないな?」
前述したHBLの試合でお見かけした選手もいらっしゃいましたし、元BCリーガーもいらっしゃったので個人的にはスッゲェ…となるばかり。
ナイターだったので死ぬほど暗くて撮影向きな環境ではなかったし、なんなら雪が降ってたおかげで道民もビックリの刺さるような寒さでしたし、だいぶ苦しかったけれど、それを帳消しにするくらいの楽しさでした。
試合後に某大盛さんと一緒に食べたラーメンがとてつもなく美味しかった…。

ようやく残せたリンシュー(美瑛)の打席
(2022年12月17日撮影)

そんなこんなで、最初はリンシューが見たいってだけでHPLにお邪魔したのですが、今は個性派揃いの選手たちを見たくなりまして、リーグごと愛するようになったのです。
えらい長ったらしい内容にはなりましたが、HPLに通う経緯を一言で申し上げると「オタクちょろい」ってことですね、はい。

平岩直人選手兼監督(占冠)
(土下座シーンで申し訳ない…!)
第1回大会のMVPとファン賞ダブル受賞
(2022年12月17日撮影)

2023年の第2回大会もお邪魔しましたが、デーゲームになったことで撮影環境は大幅向上。
ただ、当日の気温が高すぎて北海道の冬服で挑んだ私は汗だくになってしまうという事態に。
汗っかきだから余計に死にそうになりました。ちょうどいい気温ってないのか?

佐々木広大選手兼監督(美瑛)
昨季はマーティン・コジーク、今季は石破茂を自称
本名という概念がない男なのかもしれない
(2023年12月10日撮影)
第2回大会の土下座シーン
美瑛が初の土下座となりました
(2023年12月10日撮影)

第3回大会、開幕

全選手の顔合わせ

砂沼球場に到着した時間は9時過ぎくらいでしたか。既にリンシューが慌ただしく動きながらもテキパキとオリジナルユニフォームを配ったり、各スタッフや選手に指示を出す様子が見られました。
メンバーが全員現地に集まったところで先に軽くアップをしていた選手たちも呼び、ミーティングという名の自己紹介タイムが始まる。

この日の天気も快晴
でも昨季ほどひどい暑さではなかったですね

ミーティング後、リンシューが「ファンの方とすれ違ったら必ず挨拶してください!」と声を掛けていたのが印象的でしたね。当たり前のことだし、選手たちみんな根っこは真面目だからちゃんと挨拶できる人たちですけれど、リーグの代表としてしっかりと選手たちを指導する姿が頼もしかったです。
で、早速近くでカメラを構えていた私に挨拶をする選手たち、さすがでした(笑)

まさかのNPBからの参戦
元千葉ロッテマリーンズの鎌田光津希選手(占冠)
同期は藤原恭大選手、小島和哉選手

ラプソード測定に興味津々

今季は特別コーチとして清水敬太さんを招き、ラプソード計測を行うことに。自身の力を数値化し、技術の向上や改善に繋げられる良い機会となりました。
選手たちも興味津々でデータを覗いておられました。
良い数値を叩き出した選手もいるらしく、ちょっと詳細が気になるところですね…!

清水敬太特別コーチ
グラウンド(マウンドと打席の間)と
各チームのブルペンに設置し測定

超本格的マッチデープログラム

参加者と来場者に配られたマッチデープログラム、タダで貰って良いのかと疑うレベルでハイクオリティでしたね。
リーグの沿革、占冠シムカップスOPENWORLD美瑛ピエンピエーンズ両軍の選手名鑑などが掲載。一目で参加選手が分かるので重宝したファンもいたかと思います。
…いや、本当にタダなんですか…? むしろお金出させてください…?

表紙から既に本気度が伝わりますね
ちなみに表紙含めいくつかの写真は
私の写真が使われております、ありがたい…

個人的名(迷)シーン集

大体の試合写真は私のInstagramに掲載はしているので投稿写真の一部抜粋+αという形をとらせていただきます。

齋藤峻選手(占冠)
今季で独立リーガーとしては引退
占冠の扇の要として頑張っておりました
豊泉亮平選手(占冠)、華麗な守備で
見事ゴールデングラブ賞受賞
オリジナルゲーフラが貰えるらしいです
5回終了後のグラウンド整備時には
ラジオ体操が行われました
笑顔で身体を動かす山田雄一選手(占冠)
真山雄飛選手(美瑛)のファウルボールが
私の方向に飛んできた瞬間ですね
(このあとすぐに避けました)
長坂和輝選手(美瑛)の登板
HPL最年少ですが堂々としたピッチングで
ポテンシャルの高さを見せつけました
ディロルフジョセフ亜希羅選手(美瑛)が
木製バットをへし折ってしまい
頭を抱える様子…
恒例の泣きのイニング追加土下座シーン
平岩選手兼監督(占冠)の表情に哀愁が漂う…
奥村蒼選手(美瑛)のホームランには
美瑛ベンチも大盛り上がり!
このホームランもあり今季のMVPを受賞
まさかの臨時代走、安井大介選手(占冠)
鎌田光津希選手(占冠)の登板
ファンにとっては感慨深かったのでは

第3回大会の試合結果や参加選手の紹介などはリンシューのnoteをご覧になってください。

試合のハイライトはこちらの動画をば。

HPLの良さ

開催は年に1回、各地からいろんな選手が集まるスマブラのようなリーグではあるものの、毎年歯応えのある内容になるこの面白さはHPLの良さだと感じられます。
どの選手にもプライドはあるし、過去の在籍チームで実績のある選手もいるから当然では?と考える方もいらっしゃると思いますが、私はそれ以外にもHPLが見ていて面白いと思える理由があると考えています。

「好き」がしっかり原動力になる

佐々木浩介選手(美瑛)
本職は投手ですが第1回大会の最終回に投げたら
サヨナラタイムリーを食らいトラウマに
なってしまったという逸話があるとか…
(2022年12月17日撮影)

プロアマ問わず、競技となると「勝って当たり前」「上を目指して当たり前」ってプレッシャーが多かれ少なかれ存在していて、それ故に「好き」だけではなかなかモチベーションが保てなくなる状況ができたりします。
でも、HPLはそういった義務感や使命感は基本必要なく、第一に「好き」でここまでやれるのが大きいですね。変に黒い感情がわき立つ要素がないのです。

でもあくまで試合は試合だから選手たちは真剣に優勝を目指して取り組みますし、毎年豪華すぎる景品もあるから獲得のためにファインプレーを狙う。
この絶妙な塩梅のおかげで毎年ハイレベルな試合を演出してくれているんですよね。

ファンが等しく満足できる環境

ファンにとってもHPLの観戦はメリットしかないと思っています。
何試合もある中で、推している選手がいるのになかなか出場機会に恵まれないままシーズンが終わりガッカリした経験、あるかと思います。
HPLは1試合だけですから余程のトラブルが無ければ参加選手全員何かしらで試合に出させてくれます。しかも選手によってはポジションはコロコロ変わる仕様。推しが試合に出なかった…ってガッカリがほぼ確定で回避できるのはありがたいことだと思います。

参加選手の中には今も現役で独立リーグやクラブチームなどに所属している方もいるので、選手のことを知らない方も、HPLをキッカケにちょっと応援してみようかな…と興味を持ってくれることもありますから、沼の入口には最適なのですよね。

似内一樹選手(占冠)の本職は内野手ですが
投手もこなせます(どの選手も器用すぎる!)
ちなみに第2回大会のMVP
(2023年12月10日撮影)

ちょっとした同窓会の雰囲気も

参加選手の中には何らかの理由で休止・解散したチームに在籍していた選手もいらっしゃいます。
奈井江もたった1シーズンで解散しましたが、こういった機会で選手やスタッフが集まると「エモさ」を感じられますよね。活躍場所は変わっても心が繋がっている証拠だなと感じられます。

奈井江メンバーの集い
(2023年12月10日撮影)

HPLは各選手好きなユニフォームを持ち寄って試合に出ますが、平岩選手兼監督は現在休止という形となっている(この辺りの話もかなり複雑なので詳細は省略)「福井ワイルドラプターズ(以下ワイラプ)」のユニフォームを3年連続で着用されています。
福井球団は私にとっても思い入れがあるので、毎年ワイラプのユニフォームが見れるのは嬉しさもあります。
昨季は同じくワイラプ出身者の小野元幹選手も参加していたので、グッとくるものもあったかと思います。

小野元幹選手(占冠) ※第2回大会のみ参加
ワイラプユニのデザインはとてもカッコイイのです
(2023年12月10日撮影)
平岩直人選手兼監督(占冠)
さっきから土下座写真ばかりなので
顔が写ったものを選びました
(2024年12月15日撮影)

こういった経歴や選手同士の関係性にも注目していくと、さらに楽しめるのではないかなと思います。

HPLが持つ「スポーツエンターテイメント性」

このように選手もファンも心から楽しめる環境が揃っているからこそ生み出せる真面目にカオスな空間、HPLでしか体感できない雰囲気かと思います。
泣きのイニング追加土下座、最終回の無死満塁+選択打順開始といった「年末年始の野球大会モノの番組にありがちな茶番」もあるにはあるけれど(笑)、それも込みでHPLが織りなすスポーツエンターテイメント。

試合前にみんなで談笑
試合になるとバッチバチになるけれど
基本はチーム関係なく仲良しなのが良いですね
(2024年12月15日撮影)

参加選手が笑顔でいてくれる、見てくれたファンが満足してくれている、それが答えでしょう。

ここ最近、NPBではモヤモヤとした話題が増えました。
現地撮影の制限、移籍のあれやこれや、選手会の動き…興行である以上は試合ができるだけではなく、見ているファンが楽しめるように…というのも並行して進めていくべきところなのに水を差すような事案が続いているようにも感じられます。
だからこそ余計に、スポーツエンタメはもっと盛り上がるべきですし、HPLにはその可能性を秘めていると考えております。
(HPLは入場無料だから厳密には興行ではないのですが)
えらい壮大になってきたけれど、それくらいHPLは見てて楽しいんだよというのをお伝えしたかったのです。

最後に

さぁ、あまりの長文に途中でリタイアした人がいらっしゃるかもしれません。
つまりここまで全て読んだ方は猛者です。たぶんパンクロッカーの資格があるかもしれません。まだHPL現地観戦未経験の方は来季以降の開催が決まりましたら足を運んでいただけると幸いです。

そして今季もHPLに関わる全てのみなさま、お疲れ様でございました。たった1日の開催のためにたくさんの人たちが動いておられました。
私はただ写真を撮るだけの身ではあるものの、毎年関わらせていただけて嬉しい限りでございます。呼びたかったお友達各位も呼べましたし個人的には過去一楽しかったですね。タイミングが悪く呼べなかったお友達もいたので、来季以降の課題といたしますね。

ちなみに今季の試合後にインフルエンザに罹ってしまい倒れてしまいましたので、体調には気をつけて次回大会を待とうかと思います。
…何でしょう、その「どうせ無茶するんだろ」の目は。どうしてバレるんですか。

…なにはともあれ、全てのパンクロッカーに幸あれ!

ここまで読んでいただきありがとうございました!

来季もパンクロッカーが集えますように!

あ、リンシューへの労いの言葉はもうInstagramに投下したので、リンク先のみ置いておきます。
本当にお疲れ様。えらいぞー!

いいなと思ったら応援しよう!

あさ
「君はサポートしてみてもいいし、しなくてもいい」※サポートのお礼メッセージはすべてネタとなっております