自我を手放すほど、世界が自分になる。
彼らは、自然や世界のすべてに意識を向けて、その中に自分を見ている。
いま私は、メキシコの大自然の中で引きこもっている。
まったくストレスのない状態が続くとエネルギーが有り余って逆にしんどいみたいな、おかしなことになっている。ここにいるだけで身体中から生命力のような何かが溢れてくる。
だから何かモノを作ったり、創造することがしたいと思うけれど、大自然の中では材料が買えるような便利でハイカラなお店もない。去年からDJの練習をしているのでDJでもするかと思うが、やはりそれはモノではないので少し違う。
とにかくどうしても目に見えて現実に残る「モノ」を作りたい気分なのだ。
セラピストの仕事を長年やっているけど、この仕事は残るものではないし、どこかに記録をされるものでもない。長い時間をかけてセッションを行っても、クライアントの記憶の断片に少し残るくらいで、何かはっきりと現実に残るものではない。だから時たまそういう気分がやってくる。
エネルギーの使い道がまだ見つからないので、そのためこれを書いている。そういえば3冊目の本(電子書籍)を書こうと思ってから、1ヶ月以上経っていることに今気がついた。実に前著から7〜8年ぶりだ。ネットに残るし、本を書けばいいか。
先日、キャビンのオーナーにホームパーティに誘われた。ここの10周年記念だそうだ。
オーナーの家族やその親戚一同、総勢40名くらいいる中でたった一人の外国人。部外者の自分が入るのは少しアウェーで緊張したが、メキシコ人はとても暖かくハッピーな人たちばかりなのですぐに打ち解けられた。
花火を打ち上げたり、メキシコでメジャーなメスカル(テキーラと同じ度数)を飲んだり、メキシコ料理を食べたりした。一生懸命スペイン語で話しかけてくれるオーナーのお父さんニコや、昔覚えた英語で楽しく会話してくれるお兄さんのリチとたくさん笑った。
11月1日は世界でも有名な「死者の日」があり、その中でもここオアハカが中心の場所となる。だからその日は絶対に参加せなあかん!絶対に来いー!とゴリ押ししてくれたり、家族を一人一人紹介してくれたり、今度はうちにも遊びにおいでと言ってくれた。
本当に、彼らはなんの気なしに歓迎してくれる。
ここが私の生まれ故郷なのではないかと錯覚するくらい、メキシコはとてもあったかい。
パーティーは昼の2時から夜の12時まで続いた。
この日いろいろと教えてもらった中で、私がとても好きな話がある。メキシコでは乾杯をする時「¡Salud!(サルー!)」と挨拶をするのだが、その時にお兄さんのリチが地面に向かって自分のお酒を少しふりかけていたので、「それは何をしているの?」と私が聞くと、
「お酒を分けて、この自然に、この世界のすべてに、乾杯をしているんだよ。」
と教えてくれた。
この言葉に心が躍った。なんて素敵なのだろうと。
日本に住んでいると、自分たちを取り巻く自然や、生かしてもらっている世界に、意識をむけることなんてまずほとんどない。
むしろ、スマホや日々のストレスに苛まれて、目の前の人にすら意識を向けられていない人たちばかりだ。そして私自身も、時折そうなってしまうことを自覚している。
以前、「自我」について調べていた時に見つけたある僧侶の言葉が印象に残っている。
自我を持てば持つほど、世界は狭くなる。
自我を手放せば手放すほど、世界が自分になる。
だから、私はメキシコにいるとまるで故郷のような居心地よさを感じるのかと腑に落ちた。
彼らは、自然や世界のすべてに意識を向けていて、その中に自分を見ている。
そして、あなたや、私の中にも。
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