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人は、幸せを求めずにはいられない。
そして、幸せになる宿命からは逃れられない。

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私はいま幸せだ。人生で一番幸せだと言っても過言じゃない。

だけど、つい最近までは地獄のような日々を送っていた。なぜならその時の私は、とにかく人生にほとほと飽きていたから。


寝ても覚めても変わり映えのない日々。世界を旅しようと、見たことのない景色を見ようと、瞬間的な喜びは感じても、それもいずれ飽きがくる。幸せというより快楽に近い。

もともと観光や旅行がさほど好きでじゃない私にとって、旅に大した喜びはなかった。それに気づいてからは、「一体なんのために旅をしているのだろう？」と思い始め、ただ時間を潰すだけの日々を送っていた。

日本を出れば、世界を旅をすれば、きっと探しているものが見つかると思っていたのだ。だけどその考えは打ち砕かれ、日に日に憂鬱が増していった。

探しているもの。私が欲していたものとは「生きている実感」。日本では生きている実感を感じられなくなり、海外に出たと言ってもいい。

私が求めている実感とはいわゆる「刺激」であり、刺激は浴び続けているといずれ慣れる。刺激ジャンキー。

そして、その刺激とは幸せと真逆のベクトルにあった。

それに薄々気づきはじめた私は、ウンザリしていた。人生に飽きて、疲れ切っていた。

日本では心を殺して生きなくてはならず、刺激もない。それに毎日浴びせられる女性差別にも耐えなくてはならない。生きている実感も幸せも、どこにもなくなって、ほとんど絶望しかけていた。

だけどある日、私の人生が一変した。

何があったかは詳しくは書かないが、私は突然その両方を獲得した。

なぜそんなことが起きたのか。それは、私自身が心底幸せを望んでいなかったことにはっきりと気づいたからだ。「幸せなんてクソ喰らえ」と思っていた。

幸せは怖い。とくに日本では幸せな人は嫌悪され疎外されやすい空気がある。それに不幸な人ほどなにかを成し遂げるみたいな思い込みも強い。

「幸福恐怖症」という言葉もあるくらい、なぜか幸せになってはいけないという思い込みがあなたの中にもあるのではないだろうか。

以前から私も自覚はあったけれど、幸せを望まないということは、簡単に言えば不幸でい続けるということだ。


だけど、不幸も悪いものではない。生きている実感も得やすいし、それこそ刺激と同じベクトルで、自分を成長させるにはうってつけだ。ただ私が今回気づいたことは、不幸にならなくても生きている実感を得ることができ、自分を成長させることができるということ。

もっと言えば、幸せも、不幸も、生きている実感も、望めばすべて得られるということ。

私たちはどこかで「幸せ」を決めつけている。

好き勝手自由に生きている人間は、穏やかで平和な幸せを得られないだとか、女にモテない自分は幸せであたたかい家庭を築けないだとか。例えば、幸せのつぎは不幸がやってくるとかもそうだ。

私の場合、日本の女性差別がなくならない限り、自分が望む幸せは得られないと決めつけていた。

だから早く社会が変わるように、血の滲むような努力をした。辛く苦しい毎日でも、それが自分の幸せにつながっているのだと信じ、生きている間に叶わないかもしれないもののために毎日必死になっていた。

幸せを、勝手に「手の届かないもの」にしてしまっていた。

でもそれは違った。

私たちは幸せを「いくつ」だって手に入れることができる。自分が望めば得ることができる。もっと言えば、私たちは幸せになる宿命からは逃れられないのだ。


例えばそれは、「あの人を愛し、愛されたい。」という幸せだとして、その「あの人」は別の人かもしれない。その幸せが相手ありきの場合、相手のタイミングや事情もあるのだから当然だ。

だけど、それが「だれかを愛し、愛されたい」と望むのであれば、それは必ず得ることができる。

ただ望めばいい。


こんな風に言うと、スピっぽいと思われたり、引き寄せの法則みたいに考える人がいそうだけど、それとはまったく意味が違う。望むと言うことは、行動し、学び、望んだものを手に入れるために生きるということだ。

何がなんでもその望みを叶えるために、「人生をかけて生き始める」ということだ。


しかし、ここで注意が必要なのは、その望むものは現実に成立しうるかということ。

現実に成立しない望みは、いずれ現実にしっぺ返しを喰らう。

例えば、「金持ちになりたい」という望みのために、人を裏切り、詐欺を働き、騙し取って金持ちになったとしても、その望みは必ず現実からしっぺ返しを喰らう。または、「若い女と結婚したい」と望んで、女を騙し、テクニックを駆使し、結婚できたとしても、その現実には必ず仕返しをされる。

誰でも容易に想像がつくと思うが、逮捕されたり、浮気をされたりと、そういうことだ。


望むものは、現実に成立するものにしなくてはいけない。

このあたりはとても抽象的で複雑なので割愛するが、重要なのは、幸せも不幸もあなたが思っている以上に大したことないということ。そして、その大したことのない幸せも不幸も、どちらをあなたが望んでいるかどうかで決まる、ということ。

人は自分が思っている以上に幸せでも不幸でもない。肝心なのは望んだり生きたりすることに飽きないこと。　

攻殻機動隊　

人は、幸せを求めずにはいられない。
そして、幸せになる宿命からも逃れられない。

ただし、幸せになるか不幸になるかはあなたが選ぶことができる。そして、あなたはなんでも望むことができる。望めばそれは必ず答えてくれる。


あなたはなにを望む？


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