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【ミニチュアの大陸】スペインはカナリア諸島のグラン・カナリア島が持つ多面的な魅力

イースター休暇を利用してスペインはカナリア諸島のグラン・カナリア島(Gran Canaria)へ行きました。今回はバケーション/ワーケーションが混合した10日間の滞在。

ドイツのイースター休暇は日本のお盆のようなもので、毎年恒例夫の実家に集まるのですが、今年は諸事情により各自で過ごすことになりました。

今年は集まるのをやめようとなったのが、帰省を予定していた3日前。「イースター休暇は家族で過ごす + どこも混んでいて高い」と、今まで遠出を控えていた私達でしたが、急に予定が空いたので急遽旅行へ行くことに決めました!

スペイン領カナリア諸島 グラン・カナリア島

希望はとりあえず暖かく、そこそこ近場。調べると航空券が比較的安価で、4月でも暖かい所といったら、やはりドイツ人大好きカナリア諸島(スペイン)!となりました。日本人にとってのハワイのような感じでしょうか。

ドイツから飛行機で4時間、スペインをはるか通り越してアフリカ大陸の横まで飛びます。

カナリア諸島は文化や言語的こそスペインですが、立地的にはアフリカ大陸に近く、一番近い場所でマロッコから約100kmという近さです。通称常春の島と言われるくらい一年を通して暖かく、ドイツ人を含むヨーロッパ人の避冬地して人気の観光地です。また、常春というくらいなので真夏でも暑くなりすぎることがなく、暑さに弱い欧州人が好むのもそこかと思います。

諸島はグラン・カナリア島、テネリフェ島、ランサローテ島、フエルテベントゥーラ島、ラ・パルマ島、ラ・ゴメラ島、エル・イエロ島からなっており、島々によって特徴が異なりますが、今回はグラン・カナリアのみに絞っていきます。ちなみに、グラン・カナリア島を選んだ理由は、単純に下調べする時間がなかったから(笑)一番人口が多くメインランド的なグラン・カナリア島ならとりあえず間違いないだろうということで選びました。

(実は昔ドイツの専門学校に通っていた時、カナリア諸島はかなり細かく習ったのですが、当時は興味がなさすぎ+スペイン語の名称が全然覚えられないのもあって、まったく覚えてません・・。)

とりあえず私が航空券(Eurowings)を予約して、宿泊先(Airbnb)を抑えて、とくに下調べもせず旅立ちました。夫に至っては、空港のゲート案内を見ながら「えーっと、行き先フエルテベントゥーラだっけ?」と行先すらはっきり認識していなかった適当さ。カナリア諸島 = どこに行ってもドイツ人ばっかり(大量に押し寄せてビーチで寝っ転がって、何もしないで帰っていくというイメージ)、そんな認識の夫は最初からあまり興味がなく、夫には「旅行業界に携わる者としては、一度は行っておきたい。多分一度いけば満足する」と言いくるめてたのです。にしても、あまりの話の聞いてなさには😂

宿泊先

宿泊先に選んだ場所はBahia Feliz、島の南側です。
海岸沿いにはTUI(ドイツの大手旅行代理店)が所有するリゾートホテルがどーんとあり、周辺にはその宿泊客を狙ったレストラン街(ややオーバープライス)や商店が数件ある程度の静かな場所。なので、夕食は毎日近場で外に食べに出たいという人にはあまり向かない立地かなとは思います。(徒歩圏では良いローカルレストランがないため)

お部屋。可愛いバルコニーに、キッチンから洗濯乾燥機までそろっていて便利でした

到着直後の印象

  • 一面乾燥大地、砂漠、さぼてん!

  • 平均気温25度、乾燥しているので体感は快適。日陰と日向・昼と夜の寒暖差が強い。

  • 日差しが最強。日焼け対策は必須

  • 基本いつも風がある(ウィンドサーフィンが盛んです)

  • 波がそこそこ強め

  • 4月はまだ海水は冷たい(ヨーロッパ人は平気で泳いでますが・・)

  • アフリカ大陸のサハラ砂漠から砂が飛んでくる(日本で黄砂が酷い日のように靄がかかる日があるし、窓を開けていると部屋中がざらつく場合もある)

"ミニチュアの大陸"といわれる位、なんでもある!

第一印象は乾燥した大地・サボテンの島でしたが、グラン・カナリアは「ミニチュアの大陸」と呼ばれるくらい多彩な景観で有名です。島の地域によって、まったくといって良いほど気候や生態系が違い、小さな島(面積1,560㎢)上でもまるで違う国に来たかのような地域的特徴が体験できる点が所以となっています。

地図上でも見て取れるように、中央の最高峰ニエベス山(1949m)を境に南は砂漠地帯北は緑地帯となっています。このニエベス山が雲をせき止める役目をしており、北は比較的降水量が多い反面、南は年間を通してほぼ降水量が無いといって良いほどの差を生み出すのです。

日本も同じ島国でニエベス山より高い山はもっとあるのに、グラン・カナリアではこういう現象がおきるのって面白いですよね。

南側: 砂漠地帯
南部の海岸沿いは年間を通して天気が良く、ビーチ休暇をする旅行客に人気です。リゾートホテルが揃っているのもこの一帯です。

砂丘で有名なMaspalomas。砂漠の中の遊歩道を進んでいくとビーチがある。(ゲイビーチ・ヌーディストビーチなどなんでも揃ってます)

大昔津波で作られた砂丘とのこと

Maspalomasから続く西海岸沿いは高級ホテル、ビーチ、ショッピング、ヨットクラブなど海を楽しみたい人におすすめの地域です。パラソルやシート等の設備が整ったビーチならMaspalomas周辺、人気のない自然なままのビーチがいいなら更に西へ海岸沿いを走れば、お気に入りの一か所が見つけられます。

首都: Las Palmas de Gran Canaria
旧市街ではPlaza de Santa Anaカナリア諸島博物館コロンブスの家が有名です。

Plaza de Santa Ana

ベゲタ市場も活気がある市場で人気ですが、私達は時間が合わずに今回はいけませんでした。ただ、毎週木曜の夜にはベゲタ市場の通りにあるレストランがタパスナイトをやっており、お手軽な値段でタパスを楽しめます。

タパス ヤギのチーズが有名

また、ラス・パルマスの西海岸Playa de Las Canterasも長いビーチとレストランが立ち並ぶプロムナードで人気のエリアとなっています。

こんな感じで水の透明度が高いエリアもありますが、基本的には波が強いビーチが多いので、砂が巻き上がってしまって、水の透明度はあまり期待できないなと感じました。(※4月の気候によるもので、夏はもしかしたら違うのかもしれません)

中央~北側: 山岳地帯
ラス・パルマスより以北へ上がっていくと、さっきまでの日差しはとはうってかわってどんどん曇りがかっていき、景観も赤土だった大地から、草木が茂るようになっていきます。なお、山へ上がっていくにつれ、急カーブの道が続くので車に酔いやすい人は要注意です!(私はもろ酔いました)

途中1500m付近のCruz de Tejedaでは「あれ、私達南ドイツのアルペンでもきたっけ?」と思うような高原地帯に早変わり。この辺一帯はUNESCOにも登録されており、この壮大な地形とスペイン人が侵略する前の先住民の歴史が対象となります。

遠くに見えるにょきっと生えた岩はNublo岩

このあたりまでくると一気に涼しくなるので要注意。地上と同じタンクトップ・短パンでいると凍えるので、長ズボン長袖を持っていきましょう。

島で一番標高が高い村ArtenaraではUNESCO博物館や昔ながらの岩を利用した住宅を見学できる博物館などがあり、UNESCO博物館はこじんまりとしているながらも、先住民(アフリカ大陸から渡ってきたベルベル人の先祖)の生活様式やその高度な文化を学ぶことができます。

また、Terorはグラン・カナリアでもっとも美しい村のひとつであり、木のバルコニーが特徴的な建物で有名。毎週日曜日には、マーケットが開かれ賑わっています。

Terorの日曜マーケット

グラン・カナリアはヨーロッパでも珍しくバナナ、サトウキビ、アボカド、コーヒー豆などが栽培できます。搾りたてのサトウキビのジュースにラムを入れたモヒートが最高!

北西: 漁師町
北西へ行くと、また少し違う雰囲気になります。漁師町として有名で、隣島テネリフェへの定期フェリーもここから出ています。肌寒く、曇りがかった岸壁はアイルランドや北欧を連想させます。

名物ラパス貝。食感はアワビに似ているけど、大きさはハマグリ程で食べやすく美味しかった。(※調べたところ、日本ではアワビの偽物として出回っているそう)これで7€は安い。

緑のソースはビターで美味しい


ロードサイクルのメッカ?

山岳地域ではハイキング、海辺ではサーフィン・ウィンドサーフィンが人気ですが、それよりも島全体を通して目にするのが多かったのは、ロードバイカーです。いたるところ坂だらけなのでヒルクライム好きには楽園なんですね。ロードバイクのレンタルショップも充実しており、手ぶらできても楽しめますし、また、気候もスポーツに適していると言えます。私達も一日クロスバイクを借りましたが、まさしく心臓破りでした・・。自信のない人にはE-bikeも有り。

小回りもきくし、気楽にいろんな所でストップができるのでおすすめ

物価

アパートメントタイプの1ルーム: 一泊60ユーロ程
コーヒー: 1,5ユーロ~
レストランのビール: 2,5~3ユーロ~
レストランの食事: 5ユーロ~

ヨーロッパ旅行では安いといえる価格帯です。しかも、どこもボリュームがあり、お得感が強い。

人も優しい

皆優しく、気持ちのいい対応をしてくれる人ばかりでした。英語も観光地では大抵通じます。

移動手段

主要箇所の多くは路線バスで回れます。ただ、本数が少なかったり、遅延があったり、すでに満席だと停車しないで行ってしまう等があるため、バスでの移動は忍耐が必要です。なので、スムーズな観光には圧倒的にレンタカーをお勧めします。(私達もバスでは無理だと思い、途中でレンタカーを予約しました。)特に山間部にある小さな村などは、バスでは難しいです。レンタル料は一日25€~位から

コロナ対策

渡航には3回のワクチン接種証明、もしくは回復者証明、もしくは陰性テスト証明が必要ですが、結局一度もチェックはありませんでした。また、ドイツと同じく公共交通機関及び屋内はマスク着用義務がありましたが、私達の滞在中の途中からマスクの着用義務は完全解除となりました。ただ、解除された後も任意で着用している人は意外と多く、肌感覚としては半々だったような気がします。

おまけ

(おそらくグラン・カナリア限定)ファーストフード店 Pepe Chiringoのキャラクターが可愛すぎ。味は期待してなかったけど、ちゃんと美味しかった!

まとめ

最初は半信半疑だった夫もすっかり気に入ったご様子でした!コンパクトな島なので、車があれば大体どこも1時間~2時間で到達することができますし、たった数十分のドライブで、気候から景観ががらりと変わるグラン・カナリアは、その日の気分によって様々な楽しみ方が可能です。

とりあえず一生に一回は行っておこう・・のつもりでの訪問でしたが、新しい魅力の発見でした。個人的には次の機会は、是非ハイキングをしたいですね。

ちなみにレンタカー無しで回れる観光地、穏やかで透明度の高い海が好きという方には個人的に地中海のマルタ島がおすすめです。

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