YCトップ企業にみるビジネスモデルの教訓 〈1〉|9個の効果的なモデル
Y Combinator (YC) からはAirbnbやStripeなど、様々な有名企業が輩出されています。
本シリーズでは、これらのYC発のトップ企業の傾向から、ビジネスモデルについての教訓をご紹介します。
このシリーズは、Y Combinator パートナーであるアーロン・エプスティン氏による解説動画を基にして作成したものです。
10億ドル規模の企業を築くビジネスモデル
ビジネスモデルとは、「どのようにしてお金を稼ぐか」です。
ビジネスモデルが重要なのは、投資家が資金提供をためらったり、ビジネスが成長しなかったりする原因の多くが、効果的なビジネスモデルを採用していないことにあるからです。
実は、10億ドル企業のほとんどが採用しているビジネスモデルは、わずか9種類に限られています。そのため、新しいモデルをゼロから考え出すのではなく、これらのいずれかを取り入れる方が効果的です。
以下が、その9つのビジネスモデルです:
厳密に言えば、これらのモデルで企業が綺麗に分類できるわけではなく、一部の成熟企業や大企業は複数のビジネスモデルを持っています。
しかし初期段階のスタートアップでは、1つのビジネスモデルに集中すべきだとエプスティン氏は主張しています。
YCトップ100企業のビジネスモデル分布
それでは実際にY Combinatorトップ100企業のビジネスモデルの分布を見ていきましょう。
SaaSビジネスがトップ100企業の31%、
トランザクション型ビジネスは22%、
マーケットプレイス型ビジネスが14%
を占めています。
これらの3つのビジネスモデルだけで、Y Combinatorトップ100企業の実に67%を占めています。
一方で、広告モデルやEコマースモデルは、トップ100の中でほとんど目立たない存在であることにお気づきでしょうか。
広告モデルやEコマースモデルは、収益性を高めるのが難しいため、トップ企業に成長するには課題が多いのです。
そして、トップ100企業全体の価値の50%が、たったトップ10企業から生まれています。
YC発企業のトップ10
ではそのトップ10を見てみましょう。
Airbnb: 個人が宿泊施設や体験を貸し出したり借りたりできるプラットフォーム
Stripe: オンラインでの決済処理を簡単に導入できるサービス
Instacart: 食料品を自宅まで配達してくれるオンデマンドサービス
Coinbase: 暗号資産(仮想通貨)の取引や管理ができるプラットフォーム
DoorDash: レストランの料理を注文して配達してもらえるサービス
Reddit: 様々なトピックについて議論や情報共有ができるオンライン掲示板
OpenSea: NFT(非代替性トークン)の売買や管理を行うマーケットプレイス
Fair: 小売店が卸売業者から商品を仕入れられるオンラインマーケットプレイス
この中で特に興味深いのは、トップ10のうち5社がマーケットプレイス型ビジネスであることです。これには、Airbnb、Instacart、DoorDash、OpenSea、Fairが含まれます。
次は、これらのビジネスモデルの特徴についてご紹介していきます。
次回もお楽しみに。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。