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『Bump』創業者が教える顧客維持率の測り方〈4〉|悪いリテンションを改善するには
本シリーズは、『Bump』の創業者であるデイビッド・リー(David Lee)氏の解説を基に、コホート・リテンションの重要性、測り方についてご紹介しています。
最終回は、悪いコホート・リテンションを改善する方法についてです。
📍 コホート・リテンションのポイント
コホート・リテンションとは
コホート・リテンションの測定方法
自分を欺く間違った測り方とその対策
悪いコホート・リテンションを改善する方法
4. 悪いコホート・リテンションを改善する方法
1. プロダクト自体を改善する
最も明白な解決策は、プロダクト自体を改善することです。
新しいユースケースを追加する
プロダクトの速度を向上させる(レイテンシーの削減)
ユーザーフローをシンプルにする
これらの改善を行うと、リテンションカーブが平坦化し、同時にその水準が高くなるのを確認できるでしょう。
例:
直近のコホートが最初から平坦になるようであれば、プロダクトの改善が大きな効果を発揮したことを意味します。
2. 適切なユーザーを獲得する
もう一つの重要なアプローチは、より適切なユーザーを獲得することです。
多くのスタートアップが見落としがちですが、プロダクト自体は素晴らしくても、ターゲットユーザーが間違っている場合があります。
Google Photosの例:
ある時、マーケティング担当者が「若年層(Z世代)をターゲットにしよう」と決定し、広告キャンペーンを展開しました。しかしながら、若いユーザーのリテンションは非常に悪かったのです。
理由はシンプルで、Google Photosは「人生の思い出を蓄積し、振り返るツール」であり、若年層にはまだ「人生の思い出」が少なく、過去を振り返るニーズもあまりなかったからです。
正しいユーザー層をターゲティングすることが、リテンションを大きく改善する鍵です。
3. コホートを分割して分析する
コホートリテンションの問題を解決する第一歩として、データをさまざまな次元で分割して分析しましょう。
国や地域ごとに分ける
顧客タイプ(例: 大企業 vs 中小企業)で分ける
デバイスの種類(モバイル vs デスクトップ)で分ける
この分析を行うことで、特定のコホートが他より優れているかどうかを発見できます。例えば、
日本の顧客はリテンションが良いが、他国の顧客は悪い
中小企業の顧客は良いリテンションを示すが、大企業はそうではない
こういった情報があれば、どのユーザーにフォーカスすべきかが明確になり、プロダクトやマーケティングの改善に役立ちます。
4. 初回ユーザー体験(オンボーディング)を改善する
多くのスタートアップは、プロダクト自体の改善には注力しますが、初回ユーザー体験やオンボーディングの重要性を見落としがちです。
ユーザーが製品の価値をすぐに理解できるようにサポートする
ユーザーのワークフローに自然に組み込まれるよう設計する
ユーザーが以前の手法(製品を使う前)と比較して、どのように変わるべきかを明確に示す
例:
B2Bツールの場合、ユーザーは製品の使い方がわからないまま離脱することが多いため、オンボーディングプロセスを改善するだけでリテンションが向上することがあります。
5. ネットワーク効果を活用する
すべてのプロダクトに当てはまるわけではありませんが、ネットワーク効果を活用できる場合は、リテンションカーブの改善が期待できます。
ネットワーク効果とは、プロダクトのユーザー数が増えるほど、既存ユーザーの体験が向上する仕組みです。
ネットワーク効果については、過去の解説紹介をぜひご覧ください:
製品の成長に合わせてネットワークの密度を高める施策を行うことで、コホートリテンションを自然に向上させることができます。
いかがだったでしょうか。
ユーザーインタビューなどと違い、実際ユーザーがどう振る舞っているかや何を考えているかについては細かく見ることができませんが、製品の健康診断をする上で欠かせない情報となっていることが理解できたかと思います。
コホート・リテンションについて理解が深まり、製品開発・事業運用の参考になりましたら幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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