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スタートアップ語録 〈3〉|Convertible Note/SAFE

さて、今回もスタートアップ業界でよく使われる単語を簡単に紹介していきます。

今回もY Combinatorのダルトン・コールドウェル氏が解説した内容を基に、スタートアップ界隈でよく出てくる単語の解説を…

する予定でしたが、コールドウェル氏の説明はあっさりし過ぎていて正直ちょっと分かりにくいと感じたので、別のサイトを参考にして解説していきます。

Convertible Note / SAFE

Convertible NoteとSAFE(Simple Agreement for Future Equity)は、ひと言でいうと
「資金調達手段」です。

米国のスタートアップでよく用いられる資金調達の方法ということで、日本ではどのくらい行われているのかはよくわかりません。

私自身は資金調達を経験したことがないので、間違って理解していることああれば、優しくご指摘いただけると助かります…!

著者コメント

通常企業が資金調達を行う場合、
投資家が資金を提供し、見返りとして
企業の(優先)株式・所有権の一部をもらいます。
これをpriced roundと呼びます。
「シリーズA」などはこういった形式で行われます。

一方で、Convertible NoteやSAFEによる資金調達では、
投資家が資金を提供し、見返りとして
将来的に企業の株式・所有権の一部をもらいます。
つまり一時的には、企業側は何も提供しなくてよいのです。
これは、convertible securityとかconvertible instrumentと呼ばれています。


メリット1:早くて簡単

Convertible NoteやSAFEでの「将来的に」は
「現時点での企業価値は未定なので評価はすぐに行わず、将来行う」
という意味です。

Priced roundは(その名のとおり)しっかりと価値を評価してから資金調達を実施するため、完了するまでに膨大な時間と書類手続きがかかります。書類手続きが膨大というのは、すなわち膨大な弁護士費用がかかかるということです。
時間的にも金銭的にも、priced roundはスタートアップに易しくありません。

Convertible NoteやSAFEではそういった評価がないので、早く簡単に資金調達が可能です。
立ち上がったばかりで資金調達をしたことがない、企業価値が不明なスタートアップでも資金調達しやすいということです。

メリット2:経営権を保持できる

資金調達の代わりに大量の株式を渡すということは、経営権も部分的に渡すことになります。しかし創業期のスタートアップでは、創業者たちの意思決定が反映されることはとても重要です。
これはすぐに株式を譲渡しない仕組みのメリットです。


デメリット

このように融通が効く資金調達のデメリットは、
比較的投資家にとって割の良い見返り(株式配分)を約束する
ことにあります。


Convertible NoteとSAFEの違い

両者は大枠としては同じものですが、利息の違いがあります。

  • Convertible Note:借金のように提供する株式に利息がつきます

  • SAFE:では利息がつきません

一方で、将来的に株式を提供するときの"将来"の意味が異なります。

  • Convertible Note:何度資金調達しても、一定額の調達を達成するまでは株式を提供しなくても良い

  • SAFE:次回の資金調達までに株式提供をしないといけない場合が多い


提供する株式の割合をどう決定するか

実際にどのようにConvertible NoteやSAFEの中身を決定していくかについては、Valuation capやConversion discount、pre-money SAFEかpost-money SAFEかといった話がありますが、ここでは割愛します。

Y Combinatorのコールドウェル氏が解説の中で
「契約書をよく読め。ちゃんと読め。」
と強調していますが、それはおそらくこれのことです。

確かに間違えると創業者の株式配分が大変なことになってしまうのですが、
正直基礎知識がない人にその警告をしても「なんのことやら」といった感じなので、今回は「そもそもConvertible NoteとSAFEとは何なのか」をざっくり説明してみました。


実際に資金調達をしたりしない人にとっては直接は関係のない内容だったかもしれません。実際、私も資金調達はしたことがないですし、今のところ検討もしていません。

ただ、他人の話を聞く際に、どういったものかくらいは知っておくと良いかもしれないですね。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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