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プロトタイプ(MVP)のお作法〈5〉|髪が燃えている人にレンガを売る、それがMVP

本シリーズは、Y Combinatorの元CEOであるマイケル・サイベル(Michael Seibel)の解説を基に、MVP(Minimum Viable Product)の「お作法」についてご紹介します。

今回のテーマは、「本当に必死な顧客をターゲットにする」です。


📍 MVPのお作法

  1. MVPを作る最良の方法と間違った方法

  2. アーリー・アダプターという人種を理解せよ

  3. 偽スティーブ・ジョブズの罠

  4. いくつかの例

  5. 本当に必死な顧客をターゲットにする

  6. どうやって素早く作るか



5. 本当に必死な顧客をターゲットにする

ボロボロのMVPを見たら、
「こんな粗悪なMVPを実際に使いたがる人が本当にいるのか?」
と疑問に思うかもしれません。

素早く作られて、動作も安定しない可能性が高く、何度も改良を繰り返す必要がある製品を、誰が喜んで使うのでしょうか?

その答えが次の例え話です。

髪の毛が燃えている顧客

あなたが今、髪の毛に火がついている状態だとします。

隣の部屋には私がいて、何か商品を売っているとしましょう。この状況で、あなたが最も欲しいと思う商品は何でしょうか?

多くの人は「水の入ったバケツ」や「ホース」といった、火を消すための完璧な解決策を思い浮かべるでしょう。

しかし私が売っているのは「レンガ」だとしたらどうでしょう?

一見、役に立たないように思えるかもしれませんが、髪の毛に火がついている状況では、多くの人がそのレンガを買い、火を消すために頭に叩きつけるでしょう。

こういった話は、日本でも他の例でよく語られていますよね。

著者コメント

これがMVPの本質です。
完璧な解決策ではありませんが、顧客があまりにも切迫した状況にある場合、十分に役立つのです。

最初は必死な顧客をターゲットにすることが重要です。問題が緊急でない顧客は後回しにして構いません。まずは、必死な顧客を満足させることがMVPの成功の鍵です。


スタートアップは学びのプロセス

スタートアップを始めるときに、すべての答えを持っている必要はありません。むしろ、特にプロダクト・マーケットフィット(市場適合性)を達成する前の段階では、スタートアップを構築するということは学びのプロセスそのものです。最初の洞察をもとに市場に製品を投入し、顧客からのフィードバックを得て改善していく。これが成功するスタートアップの道筋です。


次回も楽しみに。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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