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プロトタイプ(MVP)のお作法〈6〉|MVPに愛着を持つべからず

本シリーズは、Y Combinatorの元CEOであるマイケル・サイベル(Michael Seibel)の解説を基に、MVP(Minimum Viable Product)の「お作法」についてご紹介します。

最終回は、「どうやって素早く作るか」です。


📍 MVPのお作法

  1. MVPを作る最良の方法と間違った方法

  2. アーリー・アダプターという人種を理解せよ

  3. 偽スティーブ・ジョブズの罠

  4. いくつかの例

  5. 本当に必死な顧客をターゲットにする

  6. どうやって素早く作るか



6. どうやって素早く作るか

MVPの重要性がわかったところで、「では実際に素早く作るにはどうしたらよいか」をサイベル氏がアドバイスしています。


1. 具体的な締め切りを設定する

MVPを最小限の機能で仕上げるためには、明確な締め切りを自分に課すことが非常に効果的です。

「2週間以内に作る」「1か月以内にローンチする」といった短期的な期限を設定しましょう。締め切りがあることで、無駄に時間を費やすことなく必要な要素だけに集中できます。

締め切りがないと、あれこれと手を広げてしまい、本来のMVPの目的を見失いがちです。


2. 仕様を書き出す

「必要な機能をすべてリストアップする」ことも重要です。

「この機能はいるのか?」「どう動作すべきか?」といった議論を開発の途中で何度も繰り返すのは非効率です。

仕様を文章やリストにまとめておけば、議論に時間を取られず、ただ作ることに集中できます。また、仕様を書き出すことで、全体像がクリアになり、チーム内での認識のズレも防げます。


3. 仕様を削る

次に1つずつ機能を見直し、「本当にこれが最初のMVPに必要か?」と問い直してください。

特に、「必死な顧客が最初に本当に必要とする機能かどうか」を基準に、優先度を決めましょう。多くの場合、「後のバージョンで追加すれば十分」と判断できる機能がいくつも見つかるはずです。

MVPは最低限のものから始めるべきなので、不要な部分をどんどん削ぎ落としてください。


4. MVPに愛着を持ちすぎない

MVPに過度な愛着を持つことは避けてください。

最初に作ったMVPは、時間の経過とともに大きく変化していくからです。改良を重ね、顧客やユーザーのフィードバックを反映させる中で、初期の形状からは大きく変わっていくのが普通です。

愛着を持つべき対象は「顧客」や「ユーザー」であって、初期の製品そのものではありません。 初期のMVPは単に学びを得るための出発点にすぎないのです。


さて、いかがだったでしょうか。
MVPにおいて重要なことは、とにかく顧客に見せて開発サイクルを早くすることであると、サイベル氏は念を押して語っています。

今回のシリーズが、スタートアップで新規製品を売り出そうとしている人の参考になれば幸いです。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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