信じて任せる、人に頼る力|合同会社エルズ|企業インタビュー
Today‘s President
惟村 卓也さん
静岡県富士宮市出身であり、学習塾と放課後等デイサービスを経営しています。学習塾業界で20年以上の経験を持ち、2020年に合同会社エルズを立ち上げました。子供たちの学習支援に全力を注ぐ一方で、福祉にも力を入れ、地域社会に貢献しています。
↓合同会社エルズHP
学習塾と放課後等デイサービスの紹介
学習塾
静岡市内に3拠点展開し、子ども主体の学習環境を提供。教師のサポートと「eトレ」を活用した豊富な演習で、生徒が自信を持てる学びを実現します。
放課後等デイサービス
静岡市内に2拠点展開し、発達に特性のある子どもたちを対象に、学校や家庭とは異なる環境で支援を実施。放課後や休日を活用し、一人ひとりに寄り添った成長をサポートしています。
教育と福祉の両面から、地域の子どもたちの未来を支えています。
インタビュー
Q1. 学習塾を始めたきっかけを教えてください。
キャリアの初期段階についてですが、特に大きな課題意識や問題意識があったわけではなく、ただ子どもたちの面倒を見たいと思ったのがきっかけです。そのため、塾の先生か学校の先生になるかの二択でした。ただ、当時は公務員が今ほど高く評価されていなかったこともあり、塾の先生を選んだのです。
Q2. 他の学習塾との違いやエルズの強みを教えてください。
エルズの特徴として、私自身が直接指導に関わっている点が挙げられます。勉強の教え方は世の中にありふれており、もちろん新しい指導方法を考える必要があるかもしれませんが、生徒たちは待っていてくれるほど成長が遅いわけではありません。そのため、勉強の教え方以上に、生徒の「心」を育てることに重点を置いています。また、講師の採用に関しても、人生で困難や悩みを経験した人を積極的に選んでいます。順風満帆な人生を送ってきた人や優秀すぎる人は、困難を抱えた生徒の気持ちに寄り添った指導が難しいことが多いためです。エルズでは、そうした経験を持つ講師が、生徒たちに共感しながら指導することが強みです。
Q3. 会社の経営で一番苦労したことを教えてください。
経営において「お金」と「人」の問題は常に大変です。特にお金に関しては、実際の資金状況と計算上の資金が大きくずれることがあり、そのギャップが厄介です。また、人の問題に関しては、相性の問題があり、会社の売上にも影響を与えてしまうことがあります。人の管理は難しいですね。
Q4. 経営者として大切にしていることは何ですか。
経営者として大切にしているのは、頑張っている人を無視しないことです。
Q5. 経営者に必要な能力は何ですか。
人に頼る力が重要だと思います。周りの人たちに信頼されるために、あえて自分の欠点を隠さないようにしています。自分の至らない部分を共有することで、周囲がそれを理解したうえで協力してくれるようになります。また、以前は何でも自分一人で完璧にやろうとしたことがありましたが、それは失敗だったと感じています。周囲を育てるためには、仕事を任せることが必要です。最近は社員に業務を任せるように意識していますが、内心では不安もあります。それでも、そこをぐっとこらえることが経営者には求められるのだと思います。
Q6. 10年後の会社の姿を教えてください。
10年後には、清水区を代表する会社になっていたいと考えています。現在は学習塾と放課後等デイサービスを運営しているため、教育事業に強い会社として認識されていると思います。将来的には他の業界にも挑戦し、会社の認知度を広げていきたいと考えています。
Q7. 若者へのメッセージ
「行動を起こせ!そして謙虚であれ!」これに尽きます。今の若者は、親世代と比べて便利なものが多い環境にいます。何かできないことがあっても、インターネットですぐに答えが見つかる時代です。そのため、経験がなくても何でもできるように錯覚してしまうこともあります。これはインターネットだけでなく、日本の教育にも原因があると感じています。最近では、先生が各家庭に気を使いすぎるあまり、生徒の自己肯定感が過剰に高まることもあります。もちろん自己肯定感は大切ですが、それが歪んでしまうケースも見受けられます。その結果、何もできないのに「何でもできる」と思い込んでしまい、逆に何もしないという判断に至ることもあります。そのため、失敗を経験することも重要です。「何でもできます」ではなく、「できるかわかりませんが、やってみます」と言えることが一番正解だと思います。
執筆者の感想
惟村先生は私の恩師であり、私に起業という選択肢を与えてくれた存在です。今回はインタビューという形でお話を聞かせていただき、惟村先生の経営哲学に触れることができました。私はこれまで、できないことがあると自分で新しく習得しようとするマインドを持っていました。そのため、人に頼ることが苦手で、「自分で何とかしなければ」と考えることが多かったです。しかし、今回のインタビューを通じて、人に頼ることの大切さを実感しました。人に頼ることは決して弱さではなく、むしろ周囲を信じることで、個人だけでなく組織全体が強くなれるということを学びました。この気づきを大切にし、共に支え合えるチームを作っていきたいと思います。
合同会社エルズのさらなる飛躍を応援しています。
執筆者:田村愛琉