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「ベンチャーファンド」をつくってみた ら合同会社DAOができた話
この度、長崎の新しいプロジェクトを応援するDAO法人、「合同会社えぬじー」を設立し(書類上)代表社員に就任したことをご報告いたします。その経緯をこのnoteに記したいと思います。
※本noteには法律に関係する記述がございます。法人、団体ではなく個人の見解です。記述に基づく行動等の法令違反などは責任を負いませんのでご了承ください。
長崎にベンチャーキャピタルを!
長崎のスタートアップ界隈を中心に、フリーランスエンジニアをしています。イケです。長崎から起業家や起業予備軍がどんどん流出する現状をなんとかするために、長崎にVCを作ろうとしています。[1]
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思いに関しては下記のnoteをご覧いただけると幸いです。今回はタイトルの通り、「ベンチャーファンド」をつくってみたら合同会社DAOができたと題して長崎にリスクマネーを持ってくる仕組みを構築した話をします。
瀬戸内を参考に長崎にベンチャーキャピタルを
今回のプロジェクトの参考にさせていただいたのはSetouchi Startups 株式会社さんです。瀬戸内エリアという地方で独立系VCを作られている珍しい例と思いました。
また、GPの山田邦明さんが高専→知財→アカツキ(ゲーム会社)→岡山に戻られて起業というご経歴で僭越ながらシンパシーを感じています… 私も佐世保高専→ゲーム会社→大学産連(知財など)→長崎市に戻って起業 という流れです。
ということで今回のプロジェクトは山田さんのnoteを参考にさせていただいています。qiitaを参考にシステムを開発する気分です。
瀬戸内の例は、FFGベンチャービジネスパートナーズさん・十八親和銀行さん、長崎市さんが運営される、Nagasaki Startup Compassでの薬剤師/弁護士/キャピタリストの深津幸紀さんのセミナーで知りました。深津さんのYoutube動画はスタートアップ支援の義務教育です。
ベンチャーのみならずアトツギなどのエコシステムは参考にさせていただいた山田さんと藤田さんが運営されるセトフラで学びましょう。特にVCについて生の声がうかがえる下記は神回。(毎回神回)
山田さんのnoteに戻り、VC作成の手順です。
まず、
実際にVCを組成したい方は、3つのアクションが必要かなと。
①適格機関投資家をみつける
②LP候補者をみつける
③伴走してくれる専門家をみつける
と記載がありましたので「適格機関投資家に関する情報」から「長崎」で検索して順に連絡していくという流れに取り掛かります。
「適格機関投資家等」を探す
「適格機関投資家に関する情報」から「長崎」で検索して順に連絡していくと長崎にまずは個人投資家がいないことが分かります。
次は法人、ほぼ金融機関です。具体名は避けますが、ルートがあるとこはおつなぎを相談したり、ないところはまず〇〇さんはスタートアップ興味ありますかね?など見解を伺います(スタートアップ系のイベントに協賛、ご来場をお願いしたり)。
また、長崎でないところに住まれている適格機関投資家の皆さんにも出身地や出身校を調べ、facebookの共通の友達の欄や知り合い経由で、まずはスタートアップ支援の取り組みへの参画などをお願いしてみたりします。
1億円を目指して、協力を仰いでおりましたが、現状ご協力を集めることができておりません。
ひとえに、私の力不足と思います。作成した資料もクオリティが低かったですし、同じ資料でもより実績のある方が交渉に臨まれれば結果は違うものになったと思います。
上記スライドの8ページ目に長崎のベンチャーキャピタルの欄が空欄です。
合併前の十八銀行が『元気な長崎』応援ファンドを運営されており、hafhを運営する株式会社KabuKStyleにも1億円の投資を実行されておりました。
また、親和銀行もしんわベンチャーキャピタル株式会社を運営されていたようですが現在スピーダのリンク先のホームページは閉鎖されているようです。
地元地銀の活動について勉強不足であり、申し訳ございません。
合併後のファンド活動についてご存知の方がいらっしゃれば情報提供いただけますと幸いです。
しかし、適格機関投資家等に入っていただく上での交渉で配布した資料は上記の資料ですので編集せずアーカイブとして残します。このような調査不足も投資家の方の協力やよい反応を頂けなかった一因です。自分を不甲斐なく感じます。
「再現性」が担保できないときの解決法
適格機関投資家等に入っていただけないと本当に話は進まないのか、しっかりと考え直しました。
あくまでベンチャーキャピタルを作ることは手段であり、長崎にリスクマネーの循環の仕組みを作ることが目的です。あくまでVCもプロジェクト単位の目的でスタートアップ振興さえも長崎の活性化の手段の一つでしかありません。
本当に「適格機関投資家等」が入ることが必須事項なのか調べると"厄介なのは金商法の方"であることが分かります。LPSが行う投資事業(正確にはGPが執行する投資事業)は金商法上の「金融商品取引業」に該当するみたいです。[3]
となるとボトルネックは金商法です。なんとか金商法を解決できないか探す中で一つの法改正を発見しました。(私一人で探しているわけでなく同じ思いのメンバーに協力してもらっています!)
合同会社型DAOが金商法規制を一部免除?
長崎のスタートアップエコシステムでお世話になっている株式会社アドミンの山口さんやBizDevプロデューサーのNO6uさんから合同会社型DAOのお話をお伺いしました。
NFTで出来るDAOの仕組みが金商法の規制を一部突破しており、上場しなくても上場的ムーブができると解釈しています。
ちなみに長崎は上場企業がなかったことが課題でした。
ハウステンボスなどの管理をされているCross E(クロスイー)ホールディングスさんが福証Q-Boardに8月29日上場されたことで、十八銀行(現・十八親和銀行)が上場廃止になった2019年以来、長崎県は、本社を置く上場企業が全国で唯一、ゼロ[4]でしたからね。。。
DAOと金商法の話に戻ります。
※以降の話は特に個人的見解であり、本note記述に基づく行動等の法令違反などは責任を負いませんのでご了承ください。
金融庁によると
・金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)では、組合などのファンドへの出資を募ったり、ファンド財産の投資運用を行う者に対して、原則として登録を義務付けています。
・登録を受けずに、一般投資家に対して、ファンドへの出資の勧誘等をすることは、法律違反の可能性があります。このような無登録業者からの勧誘は、詐欺的な商法であるおそれが高いと考えられますので、一般の皆様は、一切関わりにならないようにしてください。
とあり、ファンドへの出資の勧誘等が金商法によって規制されていることが分かります。次に金商法の規制を一部突破していると思われる合同会社型DAOについての見解をみてみましょう。
合同会社社員権をトークンで発行した場合には、流通性が高いため、「一項有価証券」として有価証券届出書や証券業登録などの厳格な規制が適用され、設立の大きな障害となってきました。しかし今回、金融庁の新たな内閣府令(4月1日公布、22日施行)により、「業務執行社員が保有するトークン」と「収益を分配しないトークン」については、合同会社社員権をトークンで発行しても「二項有価証券」扱いとしてこれらの金商法の規制の適用免除となる新たな解釈が明確になりました。
合同会社型DAOの社員権のトークンの発行は条件を満たせば「二項有価証券」扱いとしてこれらの金商法の規制の適用免除となるわけです。つまり適格機関投資家等に入っていただく以外に合同会社型DAOを登記するということが金商法の規制の適用免除になる新手段ということです。
とはいえLPSを組成したわけではありませんので、合同会社DAOがVCの代替になるかというとそうではありません。有限責任の手法や利益分配など、法的な確認やトークン規定などの社内制度設計も必要です。
合同会社型DAOを設立する
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とはいえ株式会社を立てるのとは話が違います。法改正から時間がたっておらず、どのような定款、システムを構築すればいいかは情報が少ないです。日本DAO協会さんが公開されているテンプレートや他社の情報を参考にしつつルール設計を進めていきます。
法人ではないですが、DAOで長崎の魚を盛り上げる「おさかなだお長崎」に入らせていただいていたのは大きかったです。トークンやリワード、投票の感覚がつかめました。上記は私が執筆したnoteです。
資金を集めるにも話題性と新鮮さが必要ですから、社名→印鑑 (同時並行)住所&トークン発行とガントチャート書いてクリティカルチェーンを意識して進めていきます。完全にシステム開発ですね。本業です。
仲間ともなんども相談をしながら構想から1ケ月で登記が完了しました。
まだまだスタートライン
まだまだ法人ができただけで、プロジェクトに寄付/投資できるお金を集めたわけではありません。トークンのミントサイトなどを整備拡大する必要もあります。しかし、この過程でええかんじのチームができ、いい感じのコミュニティはできてきたと思います。
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個人的には収益分配やリワードの仕組みなどはシェアハウスのRooptDAOさんを参考にできればと考えています。DAOメンバーと相談です。
本当にここまで協力いただいた皆さん、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
そして長崎にベンチャーキャピタルを作ることをあきらめたわけでもありません。ある種話題性を含んだ合同会社DAOの設立がベンチャーキャピタル組成の機運醸成の助けになることも個人的には結構期待しています。
そして個人としても、事業を頑張っていきます。自分が大金持ちになってエンジェル投資するのが一番手っ取り早いかもしれないですし、個人的にはFIREして悠々自適な生活送りたいので。
ということで平和×ゲームでクラウドファンディングにも挑戦しています。長崎の活性化を目指し、長崎で実行することに妥当性のある事業を探していたなか、PeaceAcademy( https://plab.jp/academy/ )やOne Young World( https://oywj-nagasaki.org/ )に携わらせていただき、長崎の平和という歴史と資産の大きさを感じ、自分のゲーム開発の経験を生かせればと思いプロジェクトを設計しています。
つまり合同会社型DAOの設立をしながらクラウドファンディングの設計とゲーム開発、通常の日々の仕事もやっているという9,10月はとんでもなく忙しかったわけです。
そんななか長崎→宮崎→鹿児島の動きをしていたわけですね。まずは自分のプロジェクトマネジメントをします。ご迷惑をおかけしてみなさん、申し訳ございません。
ということで長文駄文ここまで読んでいただきありがとうございました。ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました!
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引用元
[1]内閣府,スタートアップ・エコシステムの現状と課題,
https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/innovation_ecosystem/5kai/siryo1-2.pdf 2024年10月25日閲覧.
[2]やまだくにあき,"「ベンチャーファンド」をつくってみた。" https://note.com/kun1aki/n/n50a59b976fe9 2024年10月25日閲覧.
[3]弁護士法人アインザッツ,"ベンチャーキャピタルファンドとは?〜③LPSと金商法",https://einsatz.law/blog/vcf3/ 2024年10月25日閲覧.
[4]読売新聞,"上場企業ゼロだった長崎県、5年ぶり解消へ…佐世保の設備管理会社を福岡証券取引所「Qボード」承認",https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240727-OYTNT50021/ 2024年10月25日閲覧.
[5]金融庁,"いわゆるファンド形態での販売・勧誘等業務について",https://www.fsa.go.jp/ordinary/fund/index.html 2024年10月25日閲覧.
[6]衆議院議員 塩崎彰久(あきひさ),"合同会社型DAO解禁へ。世界も注目する新たなweb3ビジネスのフロンティア",https://note.com/akihisa_shiozaki/n/n69fbfd11796a , 2024年10月25日閲覧.
[7]廣渡裕介 ,"シェアハウスDAOの合同会社型DAO化に向けて_vol.1",https://note.com/y_hirowatari0311/n/nebce31998d51 ,2024年10月31日閲覧.
[8]やまだくにあき,地方スタートアップ支援について思うこと(いろいろあるよね!),https://note.com/kun1aki/n/naabe7453b433 ,2024年10月31日閲覧.