β-502 AC 2021 その3
ここではACジャパン2021年度の支援キャンペーンについて列記したいと思います。
2020年度は、こちらから。
本年度の支援団体は7団体、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとウォーターエイドジャパンが休止になり、代わりに国連WFP協会が2013年度以来8年ぶりに復帰、そして新しく全国民生委員児童委員連合会が加わりました。
セーブ・ザ・チルドレン、ウォーターエイド、ともに2018年度からの参入でしたが、揃って3年でということになりました、この3年を超えて4年目に入れるかどうかがキーポイントとなりそう、ちなみに原則2年という理解はしておりますが。
3年目を迎えた団体は、ジャパンハート、日本盲導犬協会、日本動物愛護協会となります、2年目となりますのは、日本骨髄バンク、日本腎臓財団となります。
ただ後述にも上げておりますが、ジャパンハートははっきりと”最終年”と記載されているので、来年度以降は登場しない見込みです。
今回は、海外の支援を主に行っている団体が入れ替えられ、反面医療系は入れ替えなしということでしたので、来年度は医療系の団体が新たに入るのかもしれません、あくまでも憶測ですけれど。
では、旧年度で終えられた団体は以下のリンクより。
では、本年度の7団体の広告展開を順にご紹介いたしましょう。
その前に。
支援キャンペーンでも「気づきを、動きへ。」という文面が記載され、一方で「この活動を支援しています」という表記は解除されております、しかし30秒テレビCMやラジオCMでは、林田尚親さんによる「ACジャパンはこの活動を支援しています」というアナウンスが継続中です。
そしてセーブ・ザ・チルドレンは、先日ラジオCMで単体としてお見かけ致しました。
ACジャパンの支援から離れた団体としては他に、日本赤十字社、国境なき医師団などもございますが、セーブ・ザ・チルドレンも単体としてCMに出稿できるだけの力ができたのかなと思われます。
助かるはずの命(ジャパンハート)
吉岡秀人医師、3年連続でご登場です。
創設者であって理事長ではないとのことです。
理事長も吉岡さんですけどね。
中吊り広告や駅のポスター掲示としては、こんな感じです。
2020年度では、新たに昨今の感染症に対する活動もひとつ添えられております、主に東南アジア諸国(事業を始めたミャンマーをはじめカンボジア、ラオス)において子どもたちの死亡減少に貢献したようで、日本で唯一国連UNIATF賞(非感染症の予防と管理のための国連機関間タスクフォース賞)に選出された模様です。
助かるはずの命を助かるはず"だった"にしないように。
ひとたびニュースを見るとそんな例をよく見る時期になったいま、平時よりも突き刺さる部分もあるのかもしれない。
そしてトピックスをよく見るとこの3年目でいったんACジャパンの支援からは外れるような文言もある、支援団体は明確に今年度でおしまいというような文言はあんまり書かない傾向にあるので、こうした記事を出していただけると、書きやすくはなる、というのが本音。
株式会社TOKIOの国分太一さんがナレーションを担当しております、ほんとに株式会社になったんだなという実感はさておき。
基本的な活動は「医療のないところに医療を届ける」という理念を掲げ、ボランティア6000人以上が活動しているそうで、ほんとに頭の下がる思いでいっぱいです。
今年度はJR西日本コミュニケーションズが担当しております、JR西日本コミュニケーションズは全国キャンペーンの「食品ロスチラシ」も担当しておりますが、なかなか振れ幅が凄まじいです。
旧年度のキャンペーンは1年目とあんまりメッセージ性はそれほど変わらなかったので、特筆すべきではないと、昨年は書いてしまいましたが、そのときの自分に喝したい、そんな感じです。
いってきます!をすべての人へ(日本盲導犬協会)
ロゴ、変わりましたね。
より親しみの持てるような感じになっております。
ちなみに旧年度のロゴはこちらより。
盲導犬協会は過去のアーカイブや秘話も収録されております。
3年連続の支援ですが、その前にも2014~16年度にも支援しているその時の様子が伺えます。
前年度は佐々木蔵之介さんが「世間の誤解に吠えさせてもらいますわ」という切り口上で、盲導犬に対する偏見などを是正していき、盲導犬になるということはたいへんそうやかわいそうじゃなく、役に立ちたいという思いがあるからなんやという内容でした、今年度は視覚障碍者って盲導犬がいなければ外に出れないほど不自由なんじゃ・・・?というような意見もあるようで、その誤解を正していく内容となっております。
視覚に限らず、なんらかの不自由を余儀なくされている方は、ひとりじゃなんにもできないと思われがちです、全身不随や重度であれば話は別ですが、そこまで重たくなければ、やろうと思えば基本的なところはこなせると考えておりますし、サポートがあれば、一般の方と遜色なく活動できると思うんですが、もしかすると考えが甘いんかな?とはね。
でも、目の見えない方にも安心して外で活動できるように盲導犬のみならず、白杖なども用いて外に出てみませんか?今年度の広告はそんな感じの内容となっております。
こもりたい方もいらっしゃるとは思いますが、外に出たい方もおそらく一定数いるとは思いますのでね。
盲導犬協会は盲導犬や白杖の歩行指導を無償で行っている団体ということも強調されておりますが、やはり昨今の外出自粛が叫ばれる世において、「出かけるって、外に出るって、大切なことなんだ」という万人向けのメッセージも添えることによって、もっと協会のことをよく知っていただこうという意図もあるのかなとは。
支援団体にはよく検索窓がございます。
キーワードを入れた枠があって、検索というボタンが表示される形態のことで、最近のCMではよくあるケースなのですが、盲導犬協会はそうしたものはなく、URLを貼るというしようとなっていて、なかなか趣あるなぁとは感じました、もちろんわかりやすいのはキーワード検索欄があるのがいいんだけれど、これはこれでいいのかなとは。
そしてACのロゴマーク、前年度と比較しても大きくなっているような気がします、ポスターの話ですけれどね。
博報堂制作となっております。
一目惚れ(日本動物愛護協会)
「にゃんぱく宣言」「犯罪者のセリフ」と続いて、3年目は昨今の巣ごもりでペットを検討している方が急増していることで、ペットショップで一目惚れして後先考えずに飼育を考えてしまうのは、動物愛護の観点からしてみると、たいへんに迷惑というメッセージが込められた広告になっております。
CMに起用されているのは、よくドラマを見ている方なら知っていらっしゃいますでしょうか、山中崇さんです。
一目惚れして高揚感になっているシーンと遠藤憲一さんの警鐘パートの主に2段階で構成されており、ラジオCMに至っては、稲妻やトレンディドラマっぽいSE、BGMまでついてそこからの遠藤憲一さんの警鐘につながるので、情緒が安定しておりません、そんな構成です。
特にラジオCMの中盤は、ACジャパンとしては異質です。
どこが手掛けたのよ?と思ったらADKクリエイティブ・ワンとのこと。
遠藤憲一さんの起用は民放連のCMでも違法動画をアップロードした方を追い詰めている役なども演じてましたので違和感なく呑み込めただけに、前半部が一目惚れがいかに迷惑かというものを再現したとは言え、そんな状況になってしまうんだ・・・、という思いとやっぱり衝動っていけないんだなという気持ちにさせられました。
そして、検索窓には団体名ではなく「飼い主に必要な10の条件」とありまして、検索をかけると以下のサイトが上がりました。
動物愛護協会が飼いたい方はここを見てほしいとピンポイントで検索させたかったのでしょうな・・・と。
10の条件ざっくりと。
①ペットを家で買える状況か?
②家族の同意を得ているか?
③動物アレルギーの心配はないか?
④迎え入れてから最期まで面倒を見られるか?
⑤世話をする労力や時間はあるか?
⑥高齢になったらきちんと介護できるか?
⑦経済的負担は逼迫していないか?
⑧必要なしつけと周囲の配慮ができるか?
⑨引越しした場合でも連れ添って飼えるか?
⑩飼えなくなったら場合の受け皿は確保しているか?
検索かけて見させるよりかは広告に、少なくとも新聞やポスターの広告では明示できたでしょうに、何故ほんとに大切なことを広告に載せないんでしょうか、広告を見ても「じゃ、どのような条件が揃ってれば一目惚れしたとしても飼っていいってなるの?」ということになりますので、10の条件もどうにかして織り込んでほしかったな、その詳細はWebでというほうが不特定多数に1年間かけてキャンペーンを行う上では有意義だったのかもしれません。
そうした面では、ちょっと欠如していたのかなと感じてしまいました。
天才だけでは、救えない。(日本骨髄バンク)
参考までに。
日本骨髄バンクは11月18日で創立30周年を迎えます、そんな30周年に起用されるのはブラック・ジャック、言わずと知れた手塚治虫先生が描いた天才外科医です。
手塚先生はもう既に天にいらっしゃいますので、恐らくプロダクションの許諾を得たんでしょうなとは。
無免許なんですけどね、それはさておき。
骨髄移植はたとえブラック・ジャックだとしてもドナーが必須。
年間2000人以上が待っています。
18歳から54歳まで、登録は献血ルームや保健所などで。
保健所は忙しいみたいですので、献血ルームに登録するのがいいのかもしれません、と個人的に思いながら。
1789はドナーバンクと読めるのか、そのあたりも気になりつつ。
2016年度に結核予防会がブラックジャックによろしくの主人公斉藤英二郎氏を起用して結核の深刻さを注意喚起していましたが、そのよろしくと言われたブラック・ジャックが骨髄バンクで起用されました、5年越しに実現しましたね、などという余計なことを考えながら。
トヨタ・コニック・プロが手掛けたそうで。
調べてみるとトヨタ×電通とのことで。
ホームページがとっても凝ってます、最近リニューアルしたとのこと。
検査が、かん腎(日本腎臓財団)
腎臓財団2年目は、林家たい平師匠を起用、2014年度の日本脳卒中協会「3つのヘン」以来7年ぶり、自動車整備振興会のCMでも似たような感じだったので、違和感なく入り込むことができました。
8人に1人が発症する慢性腎臓病、定期的な尿検査や血液検査で早期発見することは可能です、だからこそ検査は「かん腎」とのこと。
"肝心"という意味では肝臓も沈黙の臓器と呼ばれますので、併せて肝臓の検査も是非にという感じなのでしょうか、なんて。
ところでCKD診療ガイドラインとありますが、CKDは慢性腎臓病の別名とのことです。
動物愛護協会と同じくADKクリエイティブ・ワンが制作(関西支部なので、手掛けた箇所は別の班と言えそう)したとのこと。
実は2021・2022年度の九州地域キャンペーンでは、小遊三師匠が起用されておりますので、笑点メンバーがお二方、今年度のキャンペーンには登場いたします。
箸休めとして、どうぞ。。
ひとつのテーブル(国連WFP協会)
8年ぶり復帰のWFP、果たして。
7月1日には間に合わず、第3週だったか間に合って展開を始めております。
2020年にノーベル平和賞を受賞したWFP、引き続き飢餓に苦しむ方々への支援を続けている模様です。
飢餓に苦しんでいる方々は約7億人とCM中では伝えられておりますが、公式サイトを見ると8億人を超えておりました。
同じテーブルにいる子に食べ物を分け与える気持ちで。
遠い国のことなんて考えている暇はない、という方もいらっしゃるとは思います、余力のある方はぜひ支援をお願いいたします、という内容のものです。
電通九州制作、ナレーションは2005年から国連WFP親善大使を務めている竹下景子さんです。
竹下さんは、2012年度の支援キャンペーンでは、世界の子どもにワクチンを 日本委員会「親からのありがとう」でもナレーションしておりましたので、たい平師匠と同じくカムバック組です。
ちなみに2012年度の支援キャンペーン「みんなの未来」には現・WFP日本大使の知花くららさんが起用されておりました、当時はオフィシャルサポーターという肩書きでしたね。
2年目以降ももし展開されるのでしたら、知花さんの起用もあるかもしれません、今年度は第2子出産とのことで、しばらく見かけない間に時は移ろいゆくものだな・・・と感じてしまいました。
隣の委員さん(全国民生委員児童委員連合会)
8月4日に公式の声明が出されました。
電通北海道制作、直近1か月のACジャパンのCMのなかでもとりわけ反応が多いキャンペーンでもありました。
そもそも民生委員とは?
私も理解力が乏しいですので、優しい説明のほうで少しずつ把握している最中です。
簡単に申し上げると地域ボランティア、そして相談等を聞くなど、まちのことをよくしたい!という委員で、地域の推薦で選定され、原則3年担当するとのことです、もちろんボランティアですので無報酬。
訪問活動やサロン活動、登下校時のあいさつ運動などで主に見かけるそうです、とくにあいさつ運動に立っているいわゆる昔で言えば「緑のおばさん」と称された方々は、実は民生委員なのかも?ということもあるのやもしれません。
全国に23万人いらっしゃる民生委員がどのような活動をしているのか、親近感を持たせるという目的で歌に仕立て上げました。
学級委員や体育委員と同列で扱っていいのか、期間と言い、なれる対象年齢といい。
とはいえ、実は近くにいるかもしれない、というのも事実ではあるので、もっと身近にその存在を知ってもらいたい。
という内容が伝わるCMでした。
やっぱり新規の団体であることと、オリジナルソングを設けていることから初見ではACと分かりにくい感じがしました。
大正から100年近い活動を行っている団体みたいですが、なかなか自発的に調べない限り、公にされなかった民生委員、連合会の通称は全民児連というそうです。
2年目、するのかな?
気になったのは主にそこくらいかな?
でも、深みにはまるかもしれないけど、深みにはまってみますか?
今後も注視していきたいものです。
ということで、ACジャパンの2021年度支援キャンペーンの全体概略はこんな感じです。
気になった団体がございましたでしょうか?
では、その4に続きます。
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