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父の施設入居のきっかけは、足の切断危機

父が施設に入居したきっかけは足の壊疽で入院したことでした。

重度の糖尿病に加えて、アルコール依存症。

靴ずれの傷が治るまでに何ヶ月もかかることもあり、繰り返していました。
そして、いよいよ確認をしきれずに重症になったことが施設入居の理由です。

足の腐ったニオイ・・・

独居の父が風邪を引いたと連絡があり、食事を届けていました。

数日後に、足に絆創膏を貼ってくれと頼まれて確認すると、ただ事ではない状態の足がありました。

足の色も腫れも、尋常ではありません。

すぐに救急車を呼ぶレベルだと言いましたが、本人がどうしても嫌だ!

と・・・結局、説得できずに翌日に病院に行く約束をして帰りました。

翌日、玄関を開けると悪臭・・・

おそらく、それまで痛みがあって歩けなかったのが、化膿が進み痛みの感覚が鈍くなったのだと思います。

そこで部屋を歩いた結果、中の膿が破裂して排出し悪臭を放ったのでしょう。

傷のある足はビニール袋を被せて、私の車に乗せて病院に向かいましたが窓を全開にして走りました。

神経障害の検査に立ち会う

診察に立ち会いましたが、患部をみた医師は頭を抱えていました。

「どうしてこんなになるまで放っておいたんですか?」

本当にその通り、なぜ放っておいたんだ!?

そこから神経障害の検査が始まりました。

長い針をブスーっと刺して、本人に痛いか確認をします。

見ている私が痛くなるほど、深く刺していましたが本人は何も感じていません。

これが糖尿病の合併症なのか・・・

診察をしてもらった病院では対応ができず、大きな病院に移りました。

下肢切断になるでしょう

そこでの診察で言われたことは

「切断を覚悟してください」

あの傷を見たら、それも仕方がないと思えました。

ですが当時は70代で若かったこともあり、治療の効果が良く出て最悪に事態は免れました。

3ヶ月間、ギリギリまでお世話になりましたができることは清潔にしてガーゼで保護することだけ。

自宅でできるとの判断で、退院を迫られました。

独居高齢者が足を清潔に維持できるか?

毎日、足をキレイに洗って薬を塗ってガーゼで保護する。

言葉で言うのは簡単ですがそもそも、それができればこんなに大ごとになっていません。

家族なんだから毎日、通ってケアすれば良いじゃなか?

そう思う方もいるでしょうが、私の頭の中は「無理!」

冷たいようですが、そうするつもりはありませんでした。

そこでショートステイを頼もうか?と探しましたが、父は完全に自立だったので介護保険の認定調査の結果待ちだったのでNG

他の病院に転院と探してみても見つからないずNG

退院の日は迫っていました。

家に帰ればまたすぐにお酒を飲んで、足のケアはできずに病院に逆戻りは目に見えていました。

有料老人ホームも当時の父の状態で受け入れてもらえるところがなく、途方に暮れました。

ギリギリでなんとか、受け入れが決まったのが退院前日。

現在、入居している施設の前の法人の統括責任者が

「私に任せなさい」

そう言ってもらえた時は涙が出ました。

父に断りなく入居を決めた

退院後、父は自宅に戻って今まで通りの生活をするつもりでした。

迎えに行った車で帰宅することなく、そのまま施設に送りました。

詳しい説明もしていません。

あれから5年半になりますが、帰宅はしていません。

鬼娘だと思われても仕方ありませんが。

でも、父は現在も歩いています。

色々ありましたが、今は納得して生活をしています。

あの時の私たち家族の判断は間違っていませんでした。

色んな事情、色んな決断があります。

ですが、本人の希望ばかりを聞いていられない事情もあるのです。



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高齢者を足から笑顔に@中西薫
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