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inumonekomosuki
もう帰るの?と、いつも言うお客様
昨年、ご逝去されたお客様。102歳でスタスタ歩いていた女性。Nさん。
少し耳が遠いけれど、最期までご自分で歩いて、そしてあっという間に逝ってしまった。
長く生きてると、辛いこともいっぱいある。Nさんはご主人ばかりか、娘さんにも先立たれていた。
一人残されてしまったけれど、最期までお元気だった。
口癖
Nさんの口癖は「もう帰るの?」
朝一番であっても 「もう帰るの?」
「まだ来たばかりだから仕事しなくちゃ。追い返すようなこと言わないでー!」と、毎回、返事をするのだけど、顔を見るたびに「もう帰るの?」なので、おかしくなる。
でも、声をかけてくれるのは何だか嬉しい。名前は覚えてなくても、顔は覚えてくれていてくれるのだから。
お決まりの涙
フットケアを始めた頃は、すごい変形爪だったけれどケアのたびに、厚みもくいこみも改善して普通の爪に戻ったNさんの足爪。
改善後もフットケアサービスは継続してくれて毎月、ケアをさせてもらっていた。
毎回、すごく喜んでくれてケアの最後は、嬉し泣きがお決まり。
涙は出てないけど(笑)
「Nさん、涙出てないよ」って言っても、涙を拭く仕草に泣き顔。
もう、キュンとする。
手には先を切断してしまった指があって、その指は爪も変形している。爪切りでは切れないのでフットケアの度に手の爪も合わせてケア。
手の爪切りが終わるとまた、「ありがとう」と泣き顔。
そしてまたキュンとする私。
「もう帰るの?」がなくなってしまった訪問は何だか寂しい。
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