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占い師の言葉に導かれて人生の大きな転機を経験した話

占いが好きだ。毎日、テレビや新聞、LINE登録している先から流れてくる「今日の占い」はざっとでも目を通すし、不定期にお金を払って占い師に鑑定してもらうこともある。世の中には「自分が見えたものしか信じない」という超現実的な方もいるが、わたしは人間に、その中でも「わたし」という人間に見えるものなんて限られていると思うし、そもそも人間なんて大きな宇宙の中ではほんの小さな存在でしかない。わたしには見えないものが見える人もたくさんいるだろうし、人間に見えないものもたくさん存在すると思っている。そんな占いの世界を認めているわたしが、これまでの約半世紀で2度、占い師の言葉に導かれて人生の大きな転機を経験した、という話。

転機その1 社会保険労務士との出会い


わたしは今、社会保険労務士という資格を持って仕事をしている。個人事務所を開業しているのと行政庁での指導員業務(こちらは資格がなくてもできるが、資格を持っていたからこそ声をかけてもらえた仕事だ)のパラレルワーク。個人事業主といわゆるサラリーマンの二足のわらじを履く今の働き方は自分にとても合っていると思っている。それもこれも9年前のわたしからすると信じられない景色だ。それもそのはず、39歳当時のわたしは「社会保険労務士」という言葉を知らなかったのだ。当時、わたしはそれまでの人生で最大の挫折を味わっていた。転職して1年にもならない職場でまったく役に立たず、何をどうすればいいのか、指導されてもアドバイスされても分からず、やってもやっても前に進めず苦しかった。その年の年末あたりあまりの苦しさに、地元で有名な占い師「アイコさん」に観てもらうことにした。たしか、手相、顔相、生年月日などを元に鑑定する方だったが、そのアイコさんが鑑定が始まってしばらくしてから笑顔で放った一言。「資格とか持ってそうよね。シャカイホケンロウムシ、とか」。「シャカイホケンロウムシ」。漢字に変換できないくらい初耳の資格だった。それでも、藁をもつかむ思いだったのと、当時勤めていた病院で医師や看護師・検査技師など資格を持った人の信念ある発言の力強さへの憧れもあり、「社会保険労務士」と変換できた資格について調べ始めた。

逃げ出すように始めた資格勉強


調べていくうちに、国家資格であること、労働関係法令の専門家であること、毎年8月に年1回の試験があること、お盆・正月のたびに会っていた従姉妹がすでに社会保険労務士歴数年になること、を知った。中学生の頃から弁護士に憧れていて地元大学の法学科に進んだわたしにとっては、あの頃の夢を実現するチャンスだと思えたし、2つ下の従姉妹がやっている仕事なら自分にもできそうだと身近に感じたこともあったのかもしれない。いや、カッコつけすぎた。正直にいうと、人生最大の挫折から逃れたい。その一心で翌年の1月には通信講座を申し込んでいた。
勉強すればするほど面白くなり、(なにせそれまで自分の給与明細に記されている「厚生年金保険料」とか「健康保険料」「雇用保険料」の意味もまったく知らなかったのだ。面白くて仕方ない。)誰かの役に立てる仕事だと感じたこともあり、40歳を迎えた3月には勤めていた病院を退職し、4月には求人も出ていなかった社会保険労務士事務所に入職して、実務補助をしながら資格勉強に没頭することとなる。社労士事務所はめちゃくちゃ忙しかったし、同僚は勉強する時間の確保に苦労し、ろくに勉強もせず受験する人が多かったが、わたしは社会保険労務士への挑戦を大義名分で前職を辞めたこと、この状況だからこそ受かってやるんだという気概を持って、毎朝4時に起きて2時間勉強し、22時台まで仕事をして帰ってくる、の日々を繰り返していた。そんな生活を繰り返して2年半、3回目の挑戦で合格した。

そうそう、今月は社労士試験の8月。社労士試験は真摯に向かい合えばきっと受かる資格だと思います。受験生のみなさん、自分を信じてがんばって。


転機その2 ミュージカルの舞台に立つ

2つ目の転機は、昨年2022年7月に訪れた。今度は、知人に紹介された占い師Kさん。その知人は鑑定でアドバイスしてもらった通りにしたら、念願の子宝に恵まれたという。わたしは子宝の相談ではなかったが、仕事やプライベート、家族のこと全般をみてもらった。本来は直接会う予定だったが、コロナ禍もありZOOMでの鑑定となった。3時間にも及んだ鑑定のなかで、Kさんが放った一言はこうだ。「神様が目の前にいて、何でもやっていいよ、って聞かれたら何がしたい?」何とわたしはその時「舞台にたちたい。スポットライトを浴びたい。」と答えていた。言った瞬間、自分自身が驚いた。自分がこんなことを願っているとは知らなかったのだ。初耳だった。Kさんは続けて「そうなんだよね。人は自分ができそうなことしかしないんだよ。あなたは自分の20%しかわかっていない。できることはまだまだあるんだから、自分のやりたいことをやって自分を高めて。」と背中を押してくれた。自分の願いに初めて気づいたが、何せ住んでいるのは九州の端っこ。「ここでスポットライトを浴びる体験なんてどうすれば出会えるんだろう?」取り急ぎ、映画のエキストラ要員募集のサイトには登録をしてみた。

一般市民でも出られるミュージカル

そうこうしているうちに、数年前に社労士仲間がミュージカルに出演した、って話を思い出して連絡してみた。当時はまったく興味がなく、チケットのご案内もらっても超スルーしていたのに(ひどい)。そうやって出会ったのが一般市民から出演者を募るミュージカル「A COMMON BEAT」

無料体験会に参加、本番は福岡であるため稽古のたびに鹿児島→福岡へ通わねばならない。その上、歌も踊りもまったくの初心者。Kさんはあんな風に言っていたけど、わたしに本当にできるのだろうか?迷うこと数日。
・人生は一度きり。自分にやりたいことをやらせてあげよう。
・本番の舞台はあの「キャナルシティ劇場」。すごい経験になる。
・本番当日は48回目の誕生日。自分への大きなbirthdayプレゼントになる。
この3つで決めた。個人的にはだいぶ迷った方だが、後からスタッフに聞くと「体験会のあと、申し込みがめちゃくちゃ速くて嬉しかった」そうだ。そんなこんなで(端折りすぎ)、100人の仲間と100日後にはキャナルシティ劇場の大舞台で1000人の観客を前に歌って踊る48歳初日を迎えていた。当日、劇場で観劇くださった皆さま、オンライン配信チケットを購入してくださった皆さま、DVDを購入くださった皆さま、本当にありがとうございました。2023年8月19日、20日には東京公演が開催されます。近郊の方はぜひお運びを。


ミュージカルを主宰する団体のblogにも取り上げてもらえて人生の記念品が増えた。


人生の転機になるかは自分次第


ここまで読んでもうお分かりの方もいるだろう。どれだけ当たると信じている占い師に言われたところで「本人がやらなきゃ何も起こらない」のが人生。「シャカイホケンロウムシって何それ?美味しいの?」で終わっていたら今でも鬱々と仕事をしていたかもしれないし、「50を目の前にして舞台に立つってなんだよ」と何もしなければ「あの時やっておけばよかった」と棺の中で後悔することになったかもしれない。つまり、人生の転機になるかどうかは自分次第。今年知り合った第3の占い師Tさんは「どれだけアドバイスしても本人がやらなければ結果は出ない。そこに占いの限界を感じている」と言っていた。わたしの場合、ストレングスTOP10にある「活発性」(アイデアを実行に移すことで結果を出す資質。個人的には「心のフットワークの軽さ」の資質ととらえている)が大いに活躍してくれたおかげで「人生の転機」と呼べる経験となっている。そして、あの選択をしたからこそ今のわたしでいられるし、来年の今ごろはどんな自分になっているかも分からずとても楽しみだ。

ストレングスについては、認定コーチりょうじさんのnoteをどうぞ。

わたしの場合のきっかけは占い師とのやりとりだったが、皆さんにとってのソレは違う形でやってくるかもしれない。いつかわたしにもまた違う形でソレがやってくるかもしれない。その時にもきっと行動できるよう、心のフットワーク軽く過ごしていこう。皆さんも、何か変わるきっかけが来るときのために心のフットワークを整えてみてはどうだろうか。

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