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#13 いらっしゃい!地元の鮮魚にこだわった、愛され居酒屋のすすめ

芦屋港レジャー港化に向けた町の賑わい創出として、町内事業者一人ひとりに話を聞き、その魅力を発信する「あ!48(あしや)stories」です。まずは、レジャー港化に伴う機運醸成事業に関わった事業者から取材をしていきます。

店に入ると粋な提灯が並んで、1日の終わりに1杯飲みたくなるような雰囲気を醸し出す“九州男(くすお)”は、岩川竜二さんが経営する海鮮居酒屋です。カウンター内には生簀があり、その日に獲れた魚がたくさん泳いでいます。地元の鮮魚を生・焼き・揚げなど様々に提供する岩川さんに、気になる店名の由来、お店ができるまでの歩みと芦屋港の活用についてお聞きしました!


海鮮居酒屋 九州男(くすお)
〒807-0122 福岡県遠賀郡芦屋町高浜町4−5
TEL:093-223-1022
営業時間:17:00~翌0:00
定休日:日・隔週の月

Q お魚中心と聞きましたが、どんなお料理を提供していますか?

昔からお魚を食べること、調理することが好きで地元のお魚を使った料理をメインに出しています。お刺身はもちろん、カルパッチョや海鮮生春巻き、アサリの酒蒸しやサザエの壺焼きなど、幅広いメニューを提供しています。特に食べてもらいたいのは、芦屋町の漁師さんから直接仕入れる5~10月頃のイカと11~4月頃のサワラです。その他、宗像市の鐘崎漁港や北九州市の市場からもお魚を仕入れています。

私が好きなのは、脂がのった冬のお魚で、特にカワハギやウマズラハギ肝醤油で食べるのが最高ですね!
お魚だけでなく、定番のチキン南蛮もファンが多いです。開業当初から変わらないタレにお肉をじっくり漬け込み、タルタルをたっぷりかけています。 

Q 自分のお店を持つまで、どんな道のりでしたか?

芦屋町出身・在住で北九州の市場・魚屋に勤めました。市場勤務の時は夜中の12時に起きて朝4時くらいから勤務し、漁師から業者、飲食店までの魚の卸しを見守り夕方まで働いていました。魚屋では魚種や捌き方などを学び、これまでを思い返すと大変なことばかりでしたが、そのおかげで今の自分があると思っています。その後、お魚を扱う和食屋で働き、もっといろんな和食屋で働いてみたいと探していたところ、愛知県に働きたい店を見つけて引っ越しました。ずっと「魚」「和食」をテーマにいろんな業種を経験して、その先に自分のお店を持ちたいと思うようになりました。

岩川さん手作りの生簀

店長や管理職を経験し、和食の調理だけでなく店舗経営についても学びました。和食をいろんな人に食べてもらいたいという思いで、東京や海外にも行きたかったのですが、たまたま愛知県で妻と出会ったので、そこに留まりました。
複数の飲食店で経験を積んで、自分のお店を出そうと愛知県で準備をしていた時に、芦屋町の実家から電話がかかってきましした。「お母さんが体調を崩して、大変」という父からの電話をきっかけに実家に戻ることになり、芦屋町での開業を決めました。こどもの頃は賑わっていた商店街ですが、戻ったころには2,3店舗しか開いていないような状況でした。それでも、のびしろしかないと前向きに捉え、再び商店街に賑わいを取り戻したいという想いでお店をスタートさせました。

Q インパクトのある店名「九州男(くすお)」の由来を教えてください!

愛知県から福岡県に引っ越す直前に、一緒にご飯を食べていた愛知県の兄弟子から「お前の店、名前何にするん?」と言われ、その場の流れでポンっと口から出たのが「九州男」でした。それがそのまま店名になりましたが、九州に帰ってからよくよく考えると単純すぎたなと思いました(笑)
私と母親、アルバイト2人で初めた店は13年目となり、60人ほどのスタッフを抱えるまでに成長しました。店舗の広さも20名しか入らないほどでしたが、奥に宴会部屋も増築して大人数にも対応できるようになりました。

Q お店をしていてよかった、と感じる瞬間はありますか?

お客さんから「美味しかった、ありがとう」という声をいただくと疲れもふっとびますね。2回目来てくれたら、もう常連さんだと思っています!それでいうと、8割くらいのお客様が常連さんですね。
芦屋町や近隣のお客さんは、イベント後の宴会場として大人数で予約を入れてくださる方もいます。町外からのお客様で多いのは、釣ったものを調理してほしいという方で「自分で釣った魚を、新鮮なうちに天ぷらや煮つけ、刺身として食べられるのが最高」というお声をいただきます。神奈川県から毎年来てくださる釣りマニアの方は、7年間も通い続けてくださり、毎年楽しみにしています。

Q これからの九州男について聞かせてください!

店舗経営を続けながら加工場を持ち、お魚の調理・商品梱包までを行い、ふるさと納税やネット販売もしたいです。知名度のあるサワラやイカを使い、サワラは西京焼きなどを商品化したいなと思っています。
また、食に関しては色々と展開してきたので、宿泊の領域にも挑戦したいです!数組が泊まれる民泊やゲストハウスをつくり、お客さんに九州男で食事を楽しみ、そのままゆっくり泊まるという流れを楽しんでいただきたいです。
プライベートでいうと、1年前に始めた釣りをこどもと一緒にこれからも楽しみたいなぁと思っています。この間は遊漁船に乗って、北九州市の白島(しらしま)沖までイカ釣りに行きました。また、家の裏にDIYでバイクガレージを作ったので、これからバイクを迎えるのも楽しみです!興味のあることは何でもやってみる派ですね。

Q 町内外併せて4店舗を経営されているということですが、経営モットーはありますか?

従業員同士が言いたいことを言い合えること、明るくいることを大事にしています。お花見など、年3回ほどのスタッフイベントを催していて、立場関係なく砕けた話ができるようにしています。出勤した時に体調の悪そうなスタッフがいたら「どうしたん?」と声をかけたりして日々向き合うことも大事ですね。体調が整って心にゆとりがないと向上心もでてこないので、スタッフの気持ちを汲み取り、前向きな気持ちで勤務できるように努力しています。
私は4店舗のうち、その日の予約が多い店やスタッフが足りないところに出勤しています。魚の仕入れから準備、事務作業など仕事は多岐に渡りますが、全部終わってお酒を一杯味わう時間が至福ですね。そうやってリラックスすることで「明日もがんばろう!」と思えます。

Q 芦屋港のレジャー港化に対して、アイディアはありますか?

今計画中の海釣施設・ボートパークの周辺に、お買い物ができる場所や、芦屋町ならではのお土産コーナー、飲食店もいくつかあるといいと思います。混雑したり、待ちが出たりしないように広い駐車場も作ってほしいですね。

魚のことなら任せて!魚種に詳しく魚を捌くのはお手の物、刺身や焼き魚、煮魚など様々な料理を提供する岩川さん。市場や魚屋、和食屋など魚の仕入れから提供まで経験してきた岩川さんだからこそ出せる味があり、それを食べに町内はもちろん、遠方からもお客さんが通いたくなるのだと感じました!

(文ー上田裕菜)
アジのお造り

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