Okyati Prestige(オキャティ プレスティージ) ―秋には秋摘みのダージリンを
最近、既に紹介したような気がしていた紅茶を中心に取り上げているが、たまには毛色が違う物も楽しみたい。さて、何が良いだろうか。北半球は秋。どうせなら寒くなる今の時期に合ったものがいい。そこまで考えて、ふとダージリンの秋摘みの紅茶を紹介していなかったことに気付いた。今回は、ダージリンのオキャティ農園で収穫された茶葉を取り上げる。
インドにあるダージリンでは春、夏、そして秋の3回茶葉を収穫しており、それぞれファーストフラッシュ、セカンドフラッシュ、オータムナルと呼ばれている。個人的に秋に「フラッシュ」が付かないのはなぜだろうという疑問はあるが、今のところ理由は分からない。
話が逸れたが、春は緑茶のようなフレッシュさ、夏はほうじ茶のような印象で春よりも少し紅茶に寄ったもの、そして最も一般的に紅茶と言われてイメージするものに近そうなのがオータムナルになる。もちろん、農園やブレンドでも違うと思うので、おおまかな区別と理解していただけると幸いだ。
今回のOkyati Prestigeの袋を開けると、春や夏に摘まれた少し緑みを帯びたダージリンとは異なり、薄茶色の茶葉が顔を覗かせる。香りは控えめではありつつも、落ち葉を彷彿とさせるような落ち着いた香りが漂ってきた。湯を抽出してみると、ダージリンの春と夏の間といった印象で、緑茶のような爽快感と夏の香ばしさかつ落ち着きを持っている。飲んでみると、やはり控えめながらも紅茶としての側面が他のダージリンよりも強く感じられた。
飲み方としては、ストレートが良いだろう。オータムナルはミルクを入れるのも良いと見たことがあるが、個人的には渋みが際立った印象で、ウバのような歯車が噛み合った感覚はなかったので、あまりおすすめしない。
控えめの紅茶ではあるが、マリアージュを考えるのは難しくないだろう。
食事系の場合、チーズトーストのように多少の濃厚な味わいであればバランスは取れると思われる。また、すっきりとした味わいの紅茶なので、醤油とマヨネーズで和えたツナのような和風なテイストとも相性が良いはずだ。
スイーツ系は、大体何でも合うと思うので、焼き菓子から生菓子まで好きに組み合わせてみてほしい。また、試してはいないものの、洋菓子だけではなく和菓子でも合わせられるはずだ。個人的には、エクレアとペアリングしてみたところ、こっくりとしたチョコレートと紅茶の落ち着いた風味がよく合っていた。
最後にOkyati Prestigeは、量り売りのみの販売となっている。扱い辛さはあると思うが、季節に合った秋摘みの紅茶が楽しめるのは、今だけだ。他の時期のダージリンを飲んだことがある人も、そうでない人もぜひ手にしてみてほしい。