見出し画像

「オンナのソノ」から考える著作権侵害について 9月18日(水)通算1624日目 グリーン(DORSCON)580日目

―――――
9月18日(水)通算1624日目 グリーン(DORSCON)580日目

 YouTubeで漫画形式の動画を公開しているチャンネル「オンナのソノ」を、知っているだろうか。私自身、最近まで聞いたこともなかったが、芸人がコントとしてYouTubeの動画にしていた内容を、模倣した動画を制作して発表していたようだ。芸人側には断りなくやっており、複数のコンビが被害にあっているとのこと。個人的には悪質だと思うが、正直なところ法律でどの程度裁けるのかは微妙に感じる。以下、2019年に司書の資格を取る上で著作権を勉強した者として、この問題を少し考えてみた。

 著作権というものは、言うまでもなく著作物に対して発生する。しかし、この中にアイデアは含まれないのだ。先に断っておくと、私は収益の一部にされたくないという理由から「オンナのソノ」の動画を観ていないので、はっきりとしたことは言えない。ただ、内容が酷似していたとしても、結構厳しい可能性が高いと想像する。その意味で、類似性を認めにくいであろう漫画形式にしているのは上手いなと思う。内容に関しては微妙な一方で、動画のタイトルは明確に著作権侵害だ。こちらは著作物として認められるはずなので、そっくりなことに対して偶然では済ませられないと考えられる。

 仮にタイトルの不当性が認められたところで、ネタを真剣に考えた芸人たちの気持ちは晴れる訳がない。その感情面の発露として、ネタをコピーされた芸人レインボーは昨日YouTubeに「人のネタパクってYouTubeに載せてる友人にブチギレる男」を発表した。コントという形にはなっているが、当人達の怒りや悔しさが感じられる動画だった。ちなみに、先ほど見たら既に24万回再生されていた。

 ところで、この「オンナのソノ」はKADOKAWAからコミックを発売しているらしい。同著に他人から勝手に拝借したネタが入っているのか不明だが、仮にコピーしたネタが入っているのなら、それは違法性が認められるのだろうか。元々、著作物は作った人に与えられるため、コミックという表現形式になっている点で著作権がある可能性はあるだろうが、仮にネタを含めて内容が著作権侵害となったら発売は中止になるはずだ。また、私の知る限り「オンナのソノ」側は何も発言していないが、今回動画を公開したレインボーとその視聴者を含め、多くの人から反感を買った以上、仮に法的に問題がなかったとしても出版はやめるのではないかと推測している。

 仮に模倣したネタがコミックに入っていた場合、編集者が出版前に気付かなかったという点は、落ち度と言えなくもない。しかし、芸人たちも最近になって知ったことを考えると、オリジナルであることを確認するのはネットが普及する以前よりも難しいのではないかと想像する。今まではどの分野やジャンルであっても、編集も受け手である視聴者や読者も恐らくある程度クリエイターの善性やモラルを信頼してきたのだと思うが、現行の著作権ではネット社会において抜けが大きいのかもしれない。

 小説を書くと言いつつも遅遅として進まない私が言うのも何だが、クリエイターは創作に専念したいのだ。著作権侵害で振り回されることは、言うまでもなく本望ではない。この問題に端を発して、もう少し現代に沿った形になるか、あるいは侵害が起きないようにもっと大勢に認知される世の中になってほしい。


↑レインボーが昨日公開したコント「人のネタパクってYouTubeに載せてる友人にブチギレる男」(2024年9月18日14時39分閲覧)


去年(2023年9月18日)の記事はこちら↓

一昨年(2022年9月18日)の記事はこちら↓

3年前(2021年9月18日)の記事はこちら↓

4年前(2020年9月18日)の記事はこちら↓

―――――
最後までお読みくださり、ありがとうございました。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?