人を理解するという事。
「悪人は、善良な市民によって作られる。」
僕が好きな小説の一節。
《規律を守る事が、人間だ!》
という考え方があるから、そこから外れるものは、全員悪人になってしまうという考え方。
犯罪なら分かりやすい。僕だって、犯罪者は大嫌いだ。モラルぶっ壊れてんだから。絶対におかしい。
でも、犯罪者じゃない”悪人”ならどうだろう?
あなたのいる環境からハミ出してしまった者は、理由に関係なく、全員悪人なのだろうか。
僕の大学時代の友達の話。
当時、僕はダンスサークルに所属しており、毎日ダンスの練習に励んでいた。それは、単にダンスが好きだからというのもあったが、それより先輩が怖かった。
「練習しない奴は、クソだ。」
「あいつは練習しないから、口聞かない。」
ダンスに対してとても熱いサークルで、僕はダンス初心者だし、やる気もあって毎日練習していた。だから練習場所にいけば、一部の先輩のそういう意見を聞くことが出来た。
そう口にしない先輩も多かったが、僕自身そのダンスサークルに身を置く事によって、練習に毎日参加する事が、絶対正義だと思っていた。
ある日、同期の1人が練習を休みがちになった。
僕と同じダンス初心者でありながら、誰よりも直向きに練習するし、明るく、絵に描いたような良いやつだった。
「あいつ頑張ってたのに、残念だな笑」
ある先輩がそう口にし、僕も一緒になって笑っていた。
後日、その同期から連絡があった。
「相談したい事があるんだ。」
駅前で待ち合わせ、会う事になった。
そこには、少しやつれたそいつが立っていた。
「どうしたんだよ?なんかあったのか?」
「母親が倒れた。」
そいつは、自分の家庭環境について色々と話してくれた。
お父さんは、単身赴任で家におらず、お母さんと2人暮らし。そんな中、お母さんが倒れてしまったが、お父さんはその入院費などの為やそいつの学費の為に、仕事を休む訳には行かない。だから、つきっきりでそいつが看病しないといけないし、大学の授業も出なきゃいけない、母親が家にいないから家の事もしなくちゃいけない。
「芦名は、どうやって生活してたんだ?もう訳がわからなくて。」
僕が、両親を亡くしている知っていて、僕に連絡くれたらしい。僕は、自分の体験を話すことしか出来なかった。
それでも、そいつは、
「そうか!そうか!話聞けて良かったよ!芦名に相談してよかった!」そういつものように明るく言ってくれた。「芦名!わざわざありがとう!!」
そいつと別れ、自分を殺したくなった。
事情も知らず、練習を休んでいた理由すら気にせず、「練習に来ない」という結果のみでダメな奴だと判断し、今までそいつが直向きに頑張って来たことを度外視して、僕は笑っていたのか、と。
犯罪者でもないそいつを簡単に否定していたのか、と。
後に、お母さんも元気になったそうで、そいつはサークルに復帰し、また誰よりも練習を直向きに頑張り、卒業する頃には、外部のダンサーと組んだチームで、大学生大会で優勝した。
今でも、明るく、たまにお笑いも観に来てくれる本当に良い奴だ。
少し話し方が変わっていたり、
少し容姿が劣っていたり、
少し人より苦手な事が多い人間を見て、排除した経験はないでしょうか?
僕は、ある。
それを笑った事だってある。
何故、笑えたのか?
それは、自分に置き換えて考えられなかったからであり、その人の「苦手」という結果までの道のりをイメージ出来ていなかったからだ。
自分や、自分の環境以外にいる人間を理解するのは、簡単じゃない。しかも、めんどくさい。
だから、笑うんだ。馬鹿にして、終わり。
でも、そんなんじゃダメだ。
そんな人間のまま、生きていちゃいけない。
そういう想いから、僕は、昨年から【レンタルあしなっす】という活動をしている。
会って、ただ愚痴を聞いたり、
周りの人間には話せない悩みを受け止めたり、
どこか一緒に遊びに行ってあげたり、
仕事が忙しいから、代わりにお買い物に行ったり、
ダンスを教えたり、
僕の時間と、僕の能力と、僕の体験を使って、何でもやるというサービス。
1時間2,500円。
交通費、食事代別
安くはないです。
それは、過去に無料でやっていた時期に、ドタキャンや非常識な方をお相手し、酷い目にあったからです。
心に少し余裕が欲しい時、ご連絡頂ければ幸いです。
※ご依頼は、TwitterまたはInstagramのDMに承っております。
※未成年の方は、ご利用頂けません。
※基本的にご依頼にNGはございません。あまりにもモラルに反した行為にはお応え出来ませんが、お気軽にご連絡ください。