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沖縄の話3「大石林山と聖地アシムイ」(前編)「上原先生のお弟子さん」
沖縄の話「大石林山と聖地アシムイ(前編)」
沖縄本島北部には、世界自然遺産には指定されていないが、大石林山(金剛石林山)やアシムイ(安須森御嶽)など沖縄随一の聖地がある。大石林山に初めて行ったのは、2015年8月(9月?)の沖縄旅行だった。
沖縄本島北部にある石灰岩だらけのカルスト地形の山は、映画『ロード・オブ・ザリング』の世界を彷彿させ、とても気に入って全コースを回って長時間いた。これまで6回(6回目は2024年6月)も来ていて、首里城についでリピート回数の多い場所だ。
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『ロード・オブ・ザリング』のセットみたい世界が続く山。
風景が気に入っただけでなく、初めて登った時は頭や額あたりにあるセンサーがずっと反応するような感覚があって、それが下山して原付で20分ほど、10km以上走っても続いた。
聖地など霊的な存在がいる場所に行くと頭が反応することがあるが、こんなに距離が離れても反応が続くのはこのここだけだった。当時は、スピリチュアルなことは今ほど慣れてなくて、あの頭の感覚は何だったのか、東京に帰っても気になっていた。
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この大石林山はパワースポットとして有名で、この山で蛇を見ると幸運が来るだと言われている。俺の場合、初めて来た時の登り始めて15分ぐらいで蛇が出て来てくれて、写真を何枚も撮らせてくれた。石の上で止まって全然逃げずに、フラッシュ使ってもOKだった。蛇は
「もう写真はええか」
という感じで去っていき、まるで撮らせてきてくれたようだった。
下山後に登山途中の張り紙だったか、当時は喫茶コーナーもあった精気小屋(レストセンター)の張り紙で幸運を呼ぶ蛇の話を知って、写真を大石林山の職員に見せると、
「うん、これリュウキュウアオヘビだから、幸運の蛇だよ」
と確認してくれた。あっさり会えたんだけど(笑)。
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翌2016年の旅行でも大石林山へ行き、精気小屋で職員のY城さんから1年ぶりに来たというのに、
「君、去年も来たよねえ!」
と声をかけてもらった。
こっちは全く覚えてなくて、見らぬ職員さんから声をかけられたので、心底驚いた。この職員はY城さんで、前回来てから1年の間に何万人も来てるだろうに、会話もしてない俺のことを覚えていてくれていた。いくつかあるコースで去年回ってないコースを回った後だったので、
「雨が止んだからガジュマルロードを歩いて下山します」
と、返事をすると
「これでも飲んで待ってなよ」
と、シークワーサージュースを内緒でサービスで出してくれた。
さらに1年数か月ほど空いて3回目に来た時には、こちらからY城さんにあいさつすると「覚えてるよ」と、またこっそりコーヒーを出してくれた。以降、毎回あいさつするようになって、記念撮影にも入ってもらうようになった。赤田さんたちと北部ツアーに行った時には、Y城さんに集合写真の撮影をお願いした。
昨年の2024年の6月は父の葬式とコロナで過去最大の3年も間が空いていたが、Y城さんは覚えていてくれて
「どうしたの?3年ぐらい来なかったよね」
と、きっちり年数もカウントしてくれていた(笑)。うれしくてじわっときた。
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初めての大石林山からの帰り道に以前東京の個展で知り合った、読谷村の紅型(びんがた)作家の新垣優香さんのアトリエに遊びに行った。その時に、同じ読谷村に映画『てぃだかんかん』(主演はナインティナイン岡村隆史)のモデルになったさんごの養殖施設「さんご畑」があるので、ぜひ寄ってくださいと強く勧められた。
スキューバダイビングをしているので、生でサンゴ礁を見れるのにわざわざ養殖施設で見る必要はあるのか疑問だったが、新垣さんがそこまで言うのならと、アトリエの後に寄ってみた。さんご畑で、池で飼われていたネムリブカが昼間にかざした手にガンガン寄ってきたり、1年後沖縄に住むきっかけとなるIさんと知り合ったこともあった。
沖縄の話「上原先生のお弟子さん」
2016年に2回目の大石林山に登った後、那覇市に戻ってきて、国際通りの脇のアーケードの奥のパラソルの休憩コーナーで買ってきた弁当を食べて休憩していた。
その時、見知らぬ品のいいおばあさんが同じテーブルに座って来た。他に空いてるテーブルあるのに変な人だなあと思っていると、話しかけてきてたので答えていると、
「あなた、お刺身食べる?安かったから買いすぎちゃって、嫌いじゃなかったらもらってくれる?」
少し話しただけなのでびっくりして、
「ええっ、帰って家族と食べればいいじゃないですか?冷蔵庫に入れれば明日も食べれますよ」
とビックリして初めは遠慮したが、「食べきれないから」と取り分けた刺身を僕にくれるとそのおばあさんは帰っていった。
もらったお刺身を見ると値段シールが貼ってない、魚屋でさばいてもらったみたいだった。パックの大きさから見て買った量の半分以上をくれていた。保冷剤と醤油も。初めは、一緒にここで刺身を食べるのかと思ったが、少し話しただけの俺になぜ刺身をくれたのだろうか。
不思議な幸運に驚いていると、向かいのビルの一角の呉服屋で働いてるという中年の女性が話しかけてきた。
「ついさっき、知らない人から刺身をもらったんです。沖縄すごいですねえ」と話すと、
「やり取りを見ていたけど、さっきの人はあなたのことを気に入ったのよ。知らない人が話しかけてもきちんと対応してくれたから、お刺身をあげたくなったのよ」
と説明してくれた。
礼儀として普通に会話しただけだから、何が気に入ったのかわからなかった。魚屋で何人前と注文して買ったお刺身だから、安いから買い過ぎるって変だし。仮に買い過ぎたとしても、見知らぬ人にあげるってないよなあ。でもほんと、沖縄の人は親切だなあって思っていると、
すると今度は、その中年女性が自販機でジュースを買ってくれた。
「はい、あげる」
「えっ、どうして?」
「のど渇くでしょう」
と、ただ弁当食べていたら知らない人から刺身とジュースが提供されていた。なぜか親切にしてもらえる沖縄マジック☆
過去にもこういうことあったなあ。出張で行った静岡県の天竜浜名湖鉄道で、同じ車内にいた地元のおばあさんから
「旅行?お仕事?」
と聞かれて、「あっ、はい、仕事です」と答えただけでかなりでかい次郎柿を2つもらったりと、時々初対面の人から物をもらうことがあるが、同じ場所で2人続けてもらったのは初めてだ。
ジュースのお礼を言うと、その人は向かいの親がやってる店の店番をして、帰りにこのパラソルの休憩コーナーで休憩して帰るとのことだった。
「変な人と思われたら困るけど、あなた見てると山の光景が浮かぶのよ。こう、岩が多い感じの」
「山?もしかして、ここですか?」
と、デジカメで2日前に行って来た大石林山の写真を見せると、
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「そうそう、ここ!ここはどこ?」
「大石林山です。辺戸岬の近くにあります」
那覇からだと100㎞以上はあると説明すると、
「そんな遠くは行ったことないけど、なんでそんなとこ行ったの?」
那覇や南部の人は、仕事でもない限り本島最北端の辺戸岬に行く人はあまりいない。高知県民でも、高知市から100km以上離れた四万十川にそうそう行かないのと同じだ。高知市の近くには、仁淀川など同じくらいきれいな川が他にあるから。
「え~と、以前沖縄のイベントで知り合った人がここに行ったことがあって、それで行って来たんです。すごいきれいでよかったですよ」
レイキの師匠のケイさんが、沖縄の友人でヨガのインストラクターと宜野湾でイベントを開催した時に、東京から来た幹子姉さんと知り合って、大石林山を勧められたんだった。
ちなみに、幹子姉さんは高校の先輩が尾崎豊で、本当に夜の校舎のガラスを割って回ったのを目撃した人(笑)。あの歌詞は事実だったw
大石林山での頭の反応は、『ゲゲゲの鬼太郎』の妖気に反応する髪の毛みたいに思われて困るから黙っていた。すると、
「あのね、沖縄にはユタとか神人(かみんちゅ)がいるけど、知ってる?」
「ああ、霊能者のことでしょう。ドラマで見ました。でも、いたのは昔琉球国だった頃じゃないんですか?江戸時代の話でしょう」
「今もいるさー。沖縄には『医者半分、ユタ半分』って言葉があって、病気になっても医者とユタ両方に診てもらうさ」
「ユタ半分って、病気は医者に行ってくださいよwでも、会ってみたいですねぇ」
霊能者が病気治すって、近代医療が遅れている国のシャーマンが医者代わりをしてるみたいなことだろうか。高齢者で信心深い人の話だろうと思って聞いていた。
「私が拝みを教わってる先生が神人(かみんちゅ)さぁ。だから、私は毎週会ってるのよ。私もまだ習ってるところだけど、人を見て映像が浮かんだのは初めてだから、あなたを先生に会わしてあげたいのよ」
「ほんとに?実は、人生で色々不思議なことがあって、その謎を解決したくて沖縄に来たんです」
「あーよかった。変な人と思われるかと思った」
「その先生はどこにいるんですか?」
「農連(旧農連市場)にいるけど、ちゃんと連れていっていいか聞いて、都合のいい日を聞いてからでないと」
「のうれん?のうれんって何ですか?」
「農連市場(2017年11月に旧市場は閉鎖)ってのがここから歩いて行けるとこにあって、そこに先生はいるのよ」
「場所わからないから連れて行ってください。まだ数日は那覇にいますから、東京に帰る前に会えるようなら連絡ください」
と、電話番号を交換した。
それから2日後、東京に帰る日に神人の上原先生(後のおばあちゃん先生)と会えた(沖縄とお線香1「神人の上原先生、神様の合図」参照)。その同じ年12月に沖縄の仕事が決まり、那覇に引っ越して1年5カ月間の沖縄生活が始まった。
(※この記事は、沖縄の話3になっているが、時系列では沖縄とお線香1「神人の上原先生、神様の合図」の前(前日談)になる。沖縄の話0にしてもよかったけど、つづくのでとりあえず3にした。)
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