
沖縄の話9「大石林山と聖地アシムイ」(終編2)「アシムイワープ(前)」
2020年2月、6人で行く沖縄本島北部ツアーが始まった。
レンタカーは8人の乗りで、1台で行くとみんなで話せるし、高速料金やガソリン代も1台分で済むのでそうなった。1月の僕のリーディング情報では、1台になる理由とか事情までは出なくて、瞬間に「1台で6人で行く」って結論だけ下りてきたから、1月時点ではレンタカーで行くほうがいいって説明ができなかった。その辺がこれからの課題だなあ。
ともあれ、連休での2泊3日の沖縄旅行。途中で参加者をピックアップして高速道路を走って、やんばるエリア・国頭村に到達。休憩を兼ねて、国頭村のH安山さんに電話すると、宮里菓子店で僕たちのためにパウンドケーキを買って、コーヒーとケーキをふるまってくれた。ここのケーキはいつもおいしい。
その後、H安山さん宅で即興の演奏会をしたり、近所にあるギャラリーに絵を見に行ったりした。H安山さんは、
「池君は、いつも人を連れてくるわね(笑)」
と、言ってくれた。
言われたら、一番初めに来た時は一人で原付で来て、次は下川と来て、次は4人、今回は6人と言われて気づいた。確かに遠いから大体誰かと車で来てるから人を連れてきてるみたいだw
(※写真追加予定)
H安山さん宅から約16km、車で25分ほど行くと大石林山やアシムイのエリアに着いた。今回はアシムイから先に登ることにした。当時はペーパードライバーだったので運転はしないが、お祈りのお線香などは僕が担当する。
登山口の一番最初の祠でお線香とお塩とお米をお供えして、無事にこのパーティーが登山できるようにお祈りする。僕以外の他のメンバーがあまりにあっさりお祈りを終えたので先に進んでもらった。後で追いついて歩きながら
「さっきちゃんと登山の安全祈願した?全員が無事に下山できますようにって」
と聞くと、誰もしてなかった(笑)。
赤田さんにいたっては
「そういうのは、池君に任せてるからw」
と笑いながら話していた。丸投げ過ぎてウケたw
登山口の最初の祠では、聖地へ登らせてくださいって許可と全員が無事に登って下山できますようにってお祈りするのは、一番に必要なお願いだから当たり前すぎて説明しなかったんだけどなあ。
その後、何か所かの拝所をお線香上げながら登った。
陶芸家の島武己さんから
「アシムイには、後からユタが商売のために作った拝所もある。何カ所回ったからいくらですって言うわけよ。数多いと儲かるから。
昔はあんなに多くなかったんだよ」
と聞いていたが、とりあえず目についてた拝所にはお線香を上げておいた。


頂上の拝所では、お線香、米、塩に加えてお神酒も上げた。景色も天気もよかった。1年前の2019年の1月4日の時みたいに天上から音楽はなかったから、今日は神様のお祭りの日ではなかったんだなあ。
みんなに先に下り始めてもらって、残って一人で簡単にチャネリングをしてみた。普段より短時間で接続したので、きちんとつながったが不安だったが、浮かんだ内容に
「あっ、掃除して帰ればいいですか?」
と、返事した。すると、全身に鳥肌がばーっと走った。合図が来たから合ってる。
今ならもっと情報聞けるんだろうけど、あの時は人が先に行ってるから遅れると悪いと思ってチャネリングでじっくり聞けなかった。
そういえば、拝所には以前にお供えされたお線香の燃えカスやお供えした稲穂などが散乱してたなあ。頂上の拝所数か所と、頂上したの拝所2カ所の掃除をしてゴミを回収していくことにした。
掃除が終わって、来た道を下りようとした時、そこは左下にターンする道で180度ぐらいの曲がり道で、そのすぐ脇に別の道があった。
登りと下りでは景色が違って見えるものだが、こんな脇にも別の道があっったっけ?どっちから登ってきたんだっけ?たぶん、左側が登ってきた道っぽいけど、この初めてだけどこっち行ってみようという気持ちで、なんとなく向かって右よりのほうの道を選んだ。
そこから、すごく歩きやすい道が続き、小走りで進めるほど快調に下りて行った。
途中で、この道は今まで上り下りで来た道ではない。普段はもっと坂道が急だし、こんなにUターンの場所から延々左に左に小走りで進むようなことはなかったと気づいた。
この道でいいのか?と思い始めたころに、小走りできるほどの整備された道の両側の木に白いヒモ(細いロープ?)が結びつけられてて、いかにも「ここは正しい登山道」と言ってるようだった。
だが、5分以上快調に小走りで飛ばして下りているのに、先に降りて行った5人に追いつけない。それどころか、話し声も聞こえない。広くない登山エリアなのに見慣れない道で、もしかしたら道を間違えたかと思い、立ち止まった。
シーンとした薄暗い山中で、小さい子どもが大きなスーパーやショッピングセンターで迷子になって母親を呼ぶように
「あかたさーーんっ」
と、大声だとみっともないので、ある程度の声で呼んでみた。
返事はなかった。いよいよ不安になった。道を間違えたのか?確かに左下にUターンした後にかなり平行の高さで左に左に小走りで行ったけど、あんなに左にいくほどの道は今までなかった。
ふと、小学生に父親と高知県の工石山に登った時に下山中に道を間違えたことを思い出した。あの時は、「賽の河原」などという立札のある縁起の悪い場所に着いたが、当時はスマホもグーグルマップもまだないので、結局時間がかかってもわかる場所まで戻ったほうが確実に安全に帰れるということで、来た道をかなり戻って、無事に下山できたんだった。ちなみに今検索してみると、工石山に「賽の河原」という場所は実在した。よかった。
振り返って来た道を戻ろうと思った瞬間、いかにも登山スタイルの若い女性2人が下から登ってきて
「頂上まで何分ぐらいですか?」
「あ、30分もかからないですよ」
「ありがとうございます」
と会話したが、驚いたのと同時にホッとした。
そうか、下から登ってくる人がいるんだから、登った時と道は違うが、また別の登山口には着くのだろう。今まで知らなかっただけで、こんな整備された道があったんだろう。俺はガイドなしで初めて来て以来ずっと同じ道だったから、こっちの道を知らなかったんだろう。
と、安心して整備されたような走りやすい道を進むと、パッと登山口の一番最初の拝所の左横(真横)の場所に出た。
なんだ、ここに出るのか。いつもは登山口の拝所からまっすぐ登り始めるが、左に行くと整備されたルートがあったのか。あ~よかった、遭難かと思った。
でも、登山口まで来たけど誰もいない。ここだと邪魔になるから、下の看板のところまで行ったのかと思い、看板まで下りて行ったが誰もいない。
おいおい、俺待たずに車まで帰ったのか?そんなに遅れてないの待ってくれないのかよ。マジかよ。
と、赤田さんに電話したが、鳴るけど出ない。下山したのにまだトワイライトゾーンにいるような気分になり、参加者でLINE知ってる克枝ねーちゃんにLINE通話をかけた。
すると、10秒ほどでこちらはつながった。しかし、圧倒的に電波状況が悪い。雑音ばかりだ。かろうじて
「どこにいるの?車のとこ?」
「まだ山を下りてる」
って部分は聞き取れたので、下で待ってると言って切った。
克枝ねーちゃんは足を痛めてるといって、俺以外の5人では一番遅く下りてたから、まだ山の中なのもわかる。じゃあ、ここで待つかと、看板と登山口の拝所の中間地点で待つことにした。
それから10分ほど待ったが誰も来ない。おっそいなあっと思っていると、やっと上から話し声が聞こえてきた。
よかった、一人迷子状態から脱出だ。にしても遅いんで、両腕を腰にあて「遅いよっ」という顔で立っていると、赤田さんは俺の顔を見て
「!?あんたなんでここにいるねっ!?」
と、指を指して腰を抜かさんばかりに驚いた。
後ろ2人いたが、きょとんとしている。赤田さんは2回目なので先頭で一番最初に下山したつもりが、下の登山口に最後にスタートした俺がいるのだから驚くのは当然だ。
不思議感よりも赤田さんのリアクションが完全にドッキリを仕掛けられて驚いた人だったので、人間ってほんとに驚くとこういうベタな反応をするんだと思って、驚かせたことが面白くなって、大笑いしてしまった。
ちなみにその後、東京に帰ってからも赤田さんのリアクションを思い出し笑いを何度もしてしまった。心底驚いたリアクションは傑作で、家で一人でいる時に赤田さんが指さして驚くのを真似して笑ったほど面白かった(笑)。
赤田さん以外の4人の反応は、それぞれ違っていた。赤田さんと同じように
「なんで池くんが下にいるの?ワープしたの?」と素直に不思議がって驚く人がいる一方、
「自分だけ近道使って」と発言する人、一番最後に来た人はみんながなんで驚いているのか、俺が一番最後にスタートして誰にも会わずにぶっちぎりで下にいるという事実を説明しても理解できない人がいた。
受け取り方が違うのは、不思議なことに対する経験とか意識の違いだから仕方がない。同じ現象を見ても、錯覚だととらえるか、意味があることだと思うかはその人次第。ある意味、反応を見ればどんな人かがなんとなくわかった。酸性アルカリ性を調べるリトマス試験紙を思い出した。
赤田さんに電話かけたのになんで出なかったかと聞くと、車に置いてきたとのこと。確かに遭難するような山でもないし、電波もよくないから落とすリスク考えたら置いていくのは正解だ。
みんなと合流した時点で、冗談で「ワープしたんだよ」と話していたが、自分でも不思議なことだらけだった。どの道を通ったのか、そもそも他の5人に会わずに行くほど広い山ではない。掃除の後に左したUターンする場所からけっこう左に左に行ったのに、それでも登山口の左脇から出るっって・・。ともあれ、この後は大石林山に行くので、この話題は一旦終えて移動した。
つづく
前の記事:沖縄の話8「大石林山と聖地アシムイ」(終編1)「聖地に呼ばれない人」|池さん
関連記事:沖縄とお線香1「神人の上原先生、神様の合図」|池さん (note.com)
沖縄とお線香2「宿とラップ音」|池さん (note.com)
沖縄とお線香3「英霊と土佐之塔」|池さん (note.com)
沖縄とお線香4「夕起子さんとの再会」|池さん (note.com)
沖縄の話1「首里城火災とS川(前編)」|池さん (note.com))
沖縄の話2「首里城火災とS川(後編)」インフィニーのチャネリング「首里城の記事、霊的な結婚」|池さん
沖縄の話3「大石林山と聖地アシムイ」(前編)「上原先生のお弟子さん」|池さん
沖縄の話4「大石林山と聖地アシムイ」(中編)「辺士名の町、H安山さん」|池さん
沖縄の話5「大石林山と聖地アシムイ」(中編その2)「ご先祖様が沖縄にいた話」|池さん
沖縄の話6「大石林山と聖地アシムイ」(後編1)「頂上に響く天上の音楽(前編)」|池さん
沖縄の話7「大石林山と聖地アシムイ」(後編2)「頂上に響く天上の音楽(後編)」|池さん
沖縄の話8「大石林山と聖地アシムイ」(終編1)「聖地に呼ばれない人」|池さん
沖縄の話9「大石林山と聖地アシムイ」(終編2)「アシムイワープ(前)」|池さん
龍の話1「龍が体内に入る」(ちーちゃんとクーちゃん前編)|池さん
龍の話2「クーちゃんの帰還」(ちーちゃんとクーちゃん後編)|池さん
龍の話3「龍が見える人、さわる人」|
龍の話4「クーちゃんの導き」「ちーちゃんの一喝(前編)」|池さん
龍の話5「ちーちゃんの一喝(後編)」「生霊を追い祓う」|池さん
出雲の話1「出雲大社の縁結大祭」(沖縄と出雲のコラボ)|池さん
話|池さん
プロフィール&登場人物紹介(10/20)|池さん
不思議な話、スピな話|池さん|note