父と息子の天体観測
「今日はお父さん早く帰ってきて、屋上でスーパームーン観るんだ」
天体、宇宙人、オーパーツ、怪奇現象、聖闘士星矢が好きな夫。
兄弟、お願い、どっちかお父さんに反応してあげて!と心のなかで願っていたら
「お父さん、ぼくも一緒に観るーー」
次男のやさしさは誰似なのか。
☆☆☆☆☆☆
いつもより一時間ほど早く帰宅した夫は、お風呂を済ませ、焼酎とおつまみを持って屋上に上がっていった。
夫の後に続く次男。
お風呂あがりの身体が夜風で湯冷めしないように、パーカーを羽織るように言う。
夫と次男の分の夕飯を持って、屋上に上がった。
「だめだ、雲のせいか、ぜんぜん見えない」
嘆く夫に
「お父さん、ぼく、下に行って、ちょっとゲームしようかな……」
次男の言葉が追い討ちをかける。
東京は雲が多くて見えないようだ。
皆既月食、スーパームーン、楽しみにしていたのに残念。
今この時間に、夜空を見上げている人たちが沢山いるのだろう。
むこうのマンションの屋上にも人影。
あのおうちのベランダにも親子さんらしき人影。
夜風にふかれながら、ぼんやりした月を眺める。
ゆっくり過ぎていく夜の時間が贅沢。
「今からだんだん丸くなってくるよ」
部屋でゲームをしている次男に、焼酎用の氷を取りに下に降りてきた夫が声をかけた。
「え?ほんとう??じゃあ、ぼく、また上に行くー」
iPadで月を撮影したい次男。
そして「ぼくが撮った写真をお母さんのnoteに載せてもいいよ」(むしろ、載せてよ、という気満々だった)というので、載せます。
多い!!!!!!!!!!
「建物やビルなんかと一緒に撮るといいよ」
お父さんのアドバイスをもらったので、
「じゃあ、お父さんと月を撮るね」
☆☆☆☆☆☆
「今日は残念だったなぁ。でもさ、お父さんは( 次男 )と一緒に見れて楽しかったよ。ありがとな。今度は流星群、一緒に見よう。ペルセウス座流星群が今度8月にあるからさ」
なかなか素敵なことを言っているのだけど、次男はもう眠くなってしまって目がとろん、夫はお酒のにおいがプンプン。呑み過ぎ。
ゆっくりと流れる夜の時間。
ぼんやり浮かぶお月さま。
ずっと憶えていたい夜でした。